第372話 初めての外出
今日は朝から床屋に行ってきた。すでに九時を過ぎていたので二人散髪中で一人が待っている状態だった。この店は先にチケットを購入して並ぶシステムなので券売機にお金を入れてチケットを購入する。
ほとんど終わりかけていたので散髪していた二人はすぐに終わり、私の番になった。上着をハンガーにかけて眼鏡を外していつも通りに切ってもらう。
十分ほどで終わって店を出る。そのまま自転車で郵便局に行き、キャッシュディスペンサーでお金を下ろす。最近はほとんど楽〇ペイ払いなので日常生活では現金を使わない。しかし、ボランティア団体に収めるのは現金だし、昨日は両親が勝手に私の部屋のエアコンの修理を依頼していたらしく、長い付き合いの町の電気屋さんが来てエアコンの部品を取り替えていった。
その人は私に請求はしないのだが遠くから、
「四千万円頂きます」
という元気な声が聞こえてきた。後で母が言ってくるかと思ったが何も言ってこない。どうやら勝手に修理を依頼したので払わないと思ったらしい。
そんな訳でそのお金と、振込用紙で支払いしなければいけないサプリメントのお金、再来週の忘年会の会費五千円などを下ろしておいた。
と、いつもならそのまま帰宅するのだが、今日はちょっと試しに先日購入したPCを持ち出して外で使ってみようと思い、近所の図書館まで足を運んだ。
すでに九時半を回っていたので席はあまり空いていなかったが、大きなテーブルに三脚ずつ向かい合わせで計六脚の椅子が並んでいる席が空いていた。二人座っていて一人はたくさんの資料をテーブルに広げて何やら資格の勉強をしているようだ。その向かい側に座ってPCを出し、さっそく使ってみる事にした。
今書いている文章がまさに図書館で書いている文章なのだが、無遠慮なちびっこの声が時々聞こえてくる以外は非常に静かで快適である。若干テーブルが低いかな? と思うくらいで作業は問題なく出来そうだ。
当然だがWi-Fiは繋がっておらず、オフラインでの作業に限られる。それでも執筆するだけなら問題なく出来そうだ。
ふとテーブルに面した本棚の側面に目をやると置き引き注意の張り紙があった。うーむ、こうしてずっと作業をしている分には取られる心配はないが、このまま置いて本を探しに行ったりするのは危険そうだ。ネット上で探せば何か対策方法やアイテムがありそうなので、帰宅してから調べてみるとしよう。
図書館はもちろん飲食禁止なのでコーヒーを飲みながら執筆するというような使い方は出来ない。それでも静かで快適なのでほんの数時間なら集中して執筆作業に使えそうである。
家にいると何かと家人の生活音が気に障ったり、ベッドに横たわったりして集中力を削がれるが、こうして別の環境に身を置くと気が散らずに作業に没頭できるので非常に効率が良い。
ただ、pixivに投稿するような作品を執筆するのは無理だと思う。スマホにあるようなのぞき見ブロック機能があればまだ何とかなりそうだが、ちょっと調べただけではそういう設定に辿り着けなかった。まさかディスプレイに貼り付けるフィルムで対処しろなんて事は無いと思いたいが……。
外で使う際に、マウスがちゃんと動くか心配だったが、割と明るい感じのテーブルでも問題なく動いてくれた。一応マウスパッドも持ってきたのだが、家にあった昔ながらのパッドなのでちょっと恥ずかしいなと思ってたんだよね。
という訳で、実際に図書館にPCを持ち込んで使ってみた、と言うだけのネタだったが、すでに千五百文字くらい書けている。今十時半なので、この話はこれくらいにして昼前くらいまで小説の執筆をしてみようと思う。
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