いきなりエッセイ

第368話 お局様の大暴走

　今朝、いつものようにオフィス内に設置されているコーヒーメーカーでコーヒーを淹れようとしたら何やら張り紙が貼ってあった。

　どうもお局様がコーヒーの豆カスを捨てずに放置していたのを発見して貼り付けたらしい。ちゃんと署名もあるので誰の仕業かは分かっている。

　今朝は避難訓練があるとかで九時ギリギリまでオフィスに入れなかったので、いつものコンビニでコーヒーを飲んで時間を潰していた。なので十時過ぎまでオフィスのコーヒーメーカーは使わなかったのだが、一応張り紙は読んでコーヒーを淹れた。

　その後、男性がお局様に謝罪に来た。やれやれ、面倒な職場だ。私はどちらかと言うと空になりかけたコーヒー豆を補充したり、水を補充したりと、世話を焼いている方である。ウォーターサーバーも含めればなおさらである。

　なんか嫌になったので金輪際このコーヒーメーカーは使わん。ウォーターサーバーも、だ。別に水なんぞ給湯室の水道水で良いし、コーヒーもただだから飲んでただけで無くても困らないのだ。苦いばっかりで旨くも無いし、な。

　思惑通りコーヒーメーカー使う人間が減るんだから良いんじゃないの？　おそらく同じように思ってるスタッフもたくさんいると思う。今日はコーヒーメーカーの稼働する音が全然聞こえなかったし。あんたにそんな駄目出しされてまで飲みたくねぇよってね。

　一人でお使いになればよろしいんじゃないですか？　何だったらコーヒーメーカーに名前書いておけよ。邪魔だから持って帰って家で使えや。

　張り紙の貼り方も酷いんだよな。Ａ４の紙を半分に折ってそれを作動ボタンに被せるように貼ってあるんだよ。いちいちその紙めくらないとボタン押せないの。陰湿にも程があるわ！

　っていうかわざわざ謝りに来たんだから自分で装置から紙剥がせや。なんでそのままにしておくんだ？　よほどの胆力がないと他人にあの紙は剥がせないぞ。

　そのうち課長にお願いして剥がしてもらうスタッフが現れるかもしれないが、その有様を見たら課長から注意されるかもよ。ま、お局様にしてみれば課長なんて屁でもないのかもしれんが……。

　今日は結局、一時間残業になった。十二月の第三月曜日、定時で帰れるかどうか確認したら逆にその前の土日出勤出来ないかと言われてしまったよ……。

　月曜日は何とかなっても火曜日がかなり大変そうだ。どうやらその時期は繁忙期の正念場のようである。土日は予定が入っていたが日曜日は朝だけのようなのでその気になれば出れるかもね。

　その前に限界が来るかも知れないが……。