第355話 噛み合わない日

 今日は朝から天気があまり良くない。スマートニュースの予報では嵐時々曇りとなっている。あ、嵐って……。


 自転車で家を出たものの駅に到着する前に雨が落ちて来た。とりあえず職場に着くまではあまり激しく降らないでほしいな、日中はいくら降っても良いから。


 うーん、なんか隣に座ってる女の咳が気になる。そう思って意識するとやけに皆咳をしている気がする。

 

 皆マスクをしてるから大丈夫だと思うけど、あまりにもひどい咳をされるとマスクしようかなと思ってしまう。一応ポケットには入れてるからね。


 そんなことを考えているうちに駅に到着した。

 

 いつものコンビニでWi-Fiに繋いでアプリを起動すると、今月三回目のログイン画面が現れる。

 

 お前、使うたびにログインさせてたらレジに長蛇の列が出来るぞ? しかもメール送信してメールの数字を入れろとかそんなの月イチにしとけや。

 

 しかもどういう訳かWi-Fiで繋いでいる時にパスワードを入れるとエラーを吐き、諦めて職場に着いてからモバイルでパスワード入れたらあっという間にメール送信しましたと事を進める。もちろん同じメルアド、同じパスワードである。


 何でWi-Fiとモバイルで反応が違うんだ? このインチキアプリが! わざわざ低評価付けに行ったろうか。……いかんいかん、取り乱し過ぎだ。

 

 結局アプリが挙動不審だったのでクーポンも使えず、カードでポイントをつけて楽○Payで支払う。すぐ傍に別のコンビニあるし、次に挙動不審になったらコンビニごと変えたるぞ。

 

 階段で五階まで登っていつものようにトイレに入ろうとすると清掃中のパネルが立てられている。踵を返して再び階段に向かい、六階に登ったが個室はどちらも塞がっている。どうも今日はタイミングが合わないな。洗面台のところでタオルを取り出して汗だけ拭き取り、再び五階に降りると、ちょうど掃除が終わっていた。

 

 やっぱり間が悪いな……。入ろうかとも思ったがそのまま職場に向かう。私のロッカーの入り口に別の部署の男が立っている。私に気付いてすぐに道を開けてくれたのでロッカーに荷物を置いて、いつものようにペットボトルに水を入れようとウォーターサーバーに向かう。

 

 一足違いで先程の男が水筒に水を入れている。うーん、ゴボゴボ音が聞こえないところをみると、おそらく水が無くなりかけているようだ。

 

 一旦、自分の席に戻り、コーヒー用のコップを持ってウォーターサーバーのところに戻ると、さっきの男がタンクを取り換えていた。

 

 ちゃんとタンクを取り換えているのは感心だ。割と放置する奴もいるからね。まぁ単純に気付いてないだけのうっかりさんもいるんだけどね。


 ただ、タンクを替えてもしばらくは常温の水なんだよね。それでもいつも通りペットボトルに水を入れて、コーヒーも持って席に着く。

 

 だいたいいつも五百mlの水を午前中に飲み終えて昼に水を詰め替えるのだが、朝一で取り替えたのにタンクはすでに空っぽになっていた。さすがに気付かない振りは出来ないのでタンクを取り替える。やはり今日は間が悪いようだ。

 

 こんな日は出来るだけ大人しく過ごすに限る。定時で終ったのでさっさと家に帰ってMリーグでも観て早めに寝る事にしよう。

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