第353話 さなぎ
今日は久しぶりに何も無い土曜日だった。せっかくなのでアクティブに過ごしたいと思っていたのだが朝イチに床屋へ行って鏡を見たら目がもの凄く腫れぼったくなっていた。
もともと目は腫れぼったい方だのだがそういう次元ではない。これは日々の疲れが一気に出たのかもしれない。すぐに帰宅してベッドに横たわる。
何もやる気が起きずベッドに横たわっていると毒親父が元気一杯にドアを叩く。
「おい、カッパ行くで!」
具合が悪い事を知らないから仕方ないのだが、土足で上がりこんでくる山賊みたいな毒親父にムカっとしてしまう。
カッパというのはもちろんかっぱ寿司のことである。仁義なきおっさんが毒親父を誘って時々一緒にご飯を食べに行くのだが、ラーメンだの寿司だのとちょくちょく私も誘われるのだ。
あまり体調は良くなかったが、のこのことついていく事にした。
毒親父の運転は非常に荒い。あれで運転が上手いと思っているのだから始末に悪い。若い頃にヤクザの親分を後ろに乗せて走ったとか言ってたが、その時にその親分が赤信号で、
「止まるな、行け!」
と無茶な注文をしたらしい。毒親父は一切躊躇わずアクセルを踏んだと言う。親分もまさか本当に行くとは思わなかったらしく肝を冷やしたらしい。出来ればその時、旅立ってくれていれば私の人生はもっと軽快だったのにな。
憎まれっ子世に憚るというから、毒親父も私より先に死ぬとは思えんな。大分弱ってるんだがそれでもまだくたばりそうにない。
おっと、体調が悪い上に、傍若無人な毒親父の所業を思い出してついつい本音を書き連ねてしまった。不快な思いをした人には、毒親父に代わって深くお詫び申し上げます。
思い起こせば昨日のMリーグも途中で意識が飛んでたな……。最後の勝利者インタビューもうつらうつらしていたような気がする。
えーと、誰が勝ったんだっけ? 黒沢咲? 確かチーム雷電が二連勝だったような気がするぞ? フェニックスが二連続ラスだったなぁ、こりゃ本格的にヤバい気がするぞ。魚谷に頑張ってもらうしかないな。
サクラナイツが連続二着、ビーストが連続三着か? って事は昨日は全チーム二回連続同じ順位だったって事だ。こりゃ珍しいんじゃないか?
たまに逆の順位になる事はあるんだけどね。トップラス、二着三着、三着二着、ラストップみたいな。しかし全チーム同じ着順ってのは珍しいと思う。
今季初の黒沢咲のRMO(雷電の麻雀は面白いんです!)も観たような観てないような……。いや、観たと思う。
あっ、そっか。その後のダイジェストを流しながら朦朧としてたんだ。ふと気付いたらアベマからのお知らせとか松嶋桃が言ってたからブラウザバックしたんだった。それからすとんと眠りに落ちた気がする。
久々の休みだったのに結局全然活かせなかったなぁ……。まぁ十分に休めたとポジティブに捉える事にしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます