第341話 グダグダ運動会

 昨日は以前からエッセイにも書いていた通り、朝から学区の運動会だった。

 

 私の係はスタート係。スタート係とは言うものの実質は競技の見本を模範で見せるのがメインの仕事となっている。

 

 午前八時集合で小学校の運動場へ向かうと、すでにたくさんの人で賑わっていた。なにしろ各町内会は自分たちで自分たちのテントを設置しなければいけないのである。前日準備で設置したテントは来賓や役員用の物だけなのだ。

 

 予定通り八時半から選手入場が始まり、私は途中まで入場行進をした後、役員席の方にフェイドアウトする。開会式の最後にラジオ体操をするのだが、私は壇上で見本をさせられるのである。

 

 ラジオ体操は間違える事もなく無事に終わり、すぐに競技がスタートする。入場門から入ってくる人たちを誘導してスタート位置に並ばせるのだが、最初の種目は小学生未満の子どもたちによるかけっこである。

 

 第一競技からいきなりの強敵である。ただでさえ言う事を聞かない年代である幼児を並ばせて、スタート位置に立たせるのは非常に困難である。

 

 しかし、思った以上に聞き分けの良い子どもたちで、「ここまで来て」と声を掛けると、とことこと私の前の白線まで歩いてやって来た。

 

 そこから十人程度スタート位置に並べてよーいどんで走り、その先でお菓子を貰って終了である。

 

 その後もプログラムを確認しながらちょこちょこ変わるスタート位置に移動して、入場してくる選手を呼び込む。他のスタート係との意思疎通も必要で、久々の開催だけになかなか思うとおりにいかない。

 

 模範演技は九種目中五種目行った。毎年やる競技もあるが、始めてやる人がいる以上、ちゃんとやり方を説明しておかねばならないのである。

 

 選手召集係もアンカー用のたすきの管理がずさんで、競技中にたすきが無いのに気付いて慌てて持ってくるなんて事もあった。

 

 競技が終ってから次の競技の準備と撤収をする係がいるのだが、これもまた手際が悪く、なかなか片付けに来なかったりした。


 放送係も音楽が間違っていたり、放送が何言ってるのか良く分からなかったりとわりとかなりグダグダであった。

 

 全ての競技で景品が配られるのだが、景品係もなかなか段取りが悪かった。先週、私をイライラさせた愚鈍なおっさんは景品係をやっていた。一度、スタート地点に景品を持ってやってきたので、

 

「ゴールはあっち。ここからスタートしてあっちがゴール」


 と追い払ったのだが、不服そうな顔をしてなかなかゴール地点に向かわずイライラさせる。お前は私の言う事が理解できんのか?

 

 とまぁ、文句を言えばキリが無いほどグダグダの運動会だったが、晴天に恵まれて予想以上に参加者が集まって大盛況だった。反省点は山ほどあるので来年に向けてきちんと詰めておけよ、会長。

 

 撤収は人数が多かったので非常にスムーズで、あっと言う間に片付いた。結局十一時過ぎには撤収作業を含めて滞りなく終了した。

 

 その後、町内会に戻って集会所で打ち上げが行われたのだが、長くなったのでこのエッセイはここまでにしておこう。

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