第32話 セガサミーフェニックス その1

 今日もMリーグに参加しているチームについて語ってみようと思う。

 

 Mリーグは藤田晋がチェアマンとなって始めた麻雀プロ団体の枠組みを超えたリーグ戦で、八つの企業が麻雀プロをドラフトで指名してチームを作り、一年間を通してリーグ戦を行っている。

 

 昨年、惜しくも準優勝となったセガサミーフェニックスは魚谷侑未、近藤誠一、茅森早香、東城りおという四人で構成されている。

 八チームの中で唯一女性の人数が男性の人数よりも多いチームで、それがチームカラーとなっている。

 

 魚谷侑未は日本プロ麻雀連盟所属の麻雀プロである。最速マーメイドという通り名で数々のタイトルを持っている実力派プロだ。私は魚谷がデビューする前から知っているが、まさかここまで第一線で活躍するプロになるとは思っていなかった。ドラフト一位指名されたフェニックスのエース的存在である。

 SNSを駆使して積極的にファンへの発信をしている。麻雀プロのアカウントはメインアカで沢山フォローしているが、フォロバしてくれたMリーガーはゆーみんと内川幸太郎だけである。ついでに言えばゆーみんはマイミクだ(古っ!)。

 

 続いては最高位戦日本プロ麻雀協会所属の近藤誠一である。近藤の通り名は大魔神の系譜である。故人である飯田正人が大魔神と呼ばれていた事からその系列ですよという事らしいが、もう独立して二代目大魔神とでも名乗ってもらいたいものだ。Mリーガー唯一のサウスポーで卓上ではキリッとした良い表情をしているが、インタビューになるとただの軽薄なおっさんになるのがちょっと残念である。

 

 飯田正人、張敏賢に続き近藤誠一は「最高で最強」という、最高位戦に所属していないと絶対に不可能な偉業を達成している。すなわち、自団体の最高位というタイトルを獲得すると同時に麻雀最強戦で優勝するという偉業である。

 

 エースである魚谷は現時点でどう打つのが得かを常に考えて最善手を模索するが、近藤は大きく高く最高の手に仕上げる事を重視して打っている。もちろんプロなので、相手方に動きがあれば対応するが、基本的にはどっしりと構えて打点を求める。

 

 セガサミーフェニックスの黒一点であり、ぱっと見はハーレム状態に見えるのだが、近藤本人も他三人もそんな気はさらさら無く、お父さんと娘三人という感じである。

 今シーズンはお父さんの稼ぎが悪いから娘三人が頑張っている状態だ。しかし、娘が踏ん張っているうちにお父さんも調子を取り戻してくるに違いない。

 

 近藤はもうじき還暦だが未だ未婚で、新宿から徒歩二十分くらいの安アパートに二十年暮らしているという。Youtubeの麻雀遊戯王というチャンネルでお宅訪問されている。和泉由希子と豊後葵が訪ねているが、和泉のフィット感がちょうど良さそうで、バツイチ子持ちだけど和泉はどうなの? と思ってしまう。まぁ、和泉はイケメンが好きだからなぁ。誠ちゃんは対象外なのか?

 

 近藤の麻雀はMリーグでも数々のドラマを生み出している。大三元という役満をツモった時の「カッ!」という声が今でも語り草となっている。

 その他にも近藤オリジナルな和了りや逆転条件を満たすフリテンリーチなど、まさに劇的と呼ぶに相応しい熱い麻雀を見せてくれる。

 

 今シーズンは旅に出ますと言うほど調子が悪く、先日ようやく初トップを取ったというくらいの長いトンネルの中にいるが、最終的にはまた近藤らしい力強い麻雀でチームのピンチを救うカッコいいお父さんに戻るはずである。

 

 さて、茅森と東城、そして退団した和久津についてはまた次回。

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