第19話 麻雀を知らなくても知ってる麻雀用語

 麻雀は複雑なゲームである。ルールを知っていてもちゃんと打てるようになるまでに時間が掛かる。そんな複雑なゲームだが、麻雀用語は日常に溢れている。

 

 テンパッてると言う言葉を使う人は結構いるんじゃないだろうか? テンパイという言葉は麻雀用語で、聴牌と書く。和了形の一歩手前の事をテンパイと言い、テンパイしている、テンパっていると言うのである。どうしてパニくってる事をテンパってると言う様になったのかは謎だが語源は間違いなく麻雀用語である。もしかしたら門前で清一色を聴牌すると待ちが分からなくなって慌てるからかな?

 

 意味が変わって知られているテンパっているのような言葉もあれば、そのままの意味で定着している言葉もある。連チャンという言葉である。パチンコなんかで立て続けに当たりが続く事を連チャンと言うが、麻雀では親が続く事を連荘と呼ぶ。

 

 両面の事をリャンメンと言うのも麻雀用語である。おっさんが両面テープの事をリャンメンテープと呼ぶのを聞いた事があるんじゃないだろうか?

 

 パイパンというのも実は麻雀用語だったりする。麻雀牌の中には四枚ほど予備の牌のように見える何も書いていない牌が存在する。普段は白と書いてハクと呼ばれるが、正式名称は白板と書いてパイパンと読むのである。

 そう考えればツルツルに剃った局部をパイパンと呼ぶのも納得がいくだろう。

 

 向かい合わせに座る事をトイメンに座ると言う。これも麻雀用語である。意味は全く同じで、自分から見て右手が下家(シモチャ)、左手が上家(カミチャ)、向かいに座る人を対面(トイメン)と呼ぶ。

 

 メンツという言葉も麻雀用語である。麻雀では二種類あるのだが、まずは三枚一組で作った組み合わせをメンツと呼ぶ。同じ種類の111とか345とかそういう組み合わせをメンツと呼ぶのである。もう一つは、麻雀は基本的に四人で行うのだが、自分以外の三人の事もメンツと呼ぶ。

 

 麻雀用語として意味は分からなくても色んな場所で耳にするであろう言葉として、イーシャンテンという言葉がある。おそらく語感が良いので耳に残っているのだろう。イーシャンテンとは一向聴と書く。和了の一歩前がテンパイ、さらにその一歩前がイーシャンテンである。ちなみにさらにもう一歩前はリャンシャンテンと言う。

 

 これは麻雀を知っている人でも知らない人がいるかもしれないが、最大のシャンテン数はローシャンテンである。麻雀の和了形は十四枚で作成するのだが、特殊役として七つのペアを作る七対子(チートイツ)という役がある。この役があるために、バラバラの手牌でもローシャンテン以上にはならないのだ。

 

 大昔、ソフトインワンというシャンプーのCMで薬師丸ひろ子が「ちゃんとリンスしてくれるシャンプー」という意味で「ちゃん、リン、シャン」と言っていたが、イーシャンテンとは全く関係ないので気をつけよう。

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