第10話 満を持して始めない

 以前は何かを始める時、もっと早く始めれば良かったと悔やんでいた。最近は今始めればこれからの人生で考えればもっとも早く始められると考えるようになった。

 おそらく私が生きているうちに過去に戻る仕組みは完成しないと思う。であれば、過去に遡って何かを始める事は不可能なのである。

 

 という事は何を始めるにしても今始めるのが一番早いのである。切りが良いから来月一日からとか、月曜日からとか言っていると機を逃す。そしてまたその時になって、あの時から始めれば良かったとか言い出すのである。

 むしろ、中途半端な時期に始める方が、挫折した時に気が楽である。満を持して始めるといやになっても続けなきゃと義務感が生じて苦行になってしまう。

 

 そして始める時は誰かに宣言しない方が良い。さらっと始めて合わなければこっそり止めれば良いのだ。いちいち誰かに宣言して始め、宣言して終わる必要はない。

 決心を鈍らせないために退路を断つって考え方もあるが、なんでそこまで思い詰めて何かを始めなきゃいけないの? 興味を持ったからちょっとやってみた、でも思ったより面白くないから止めた、私はたったそれだけの事に他人を巻き込みたくない。

 

 斉藤ひとりさんという人が、

「断食はお腹いっぱいで始めてお腹が空いたら止めれば良いんだよ」

 と言っていたが、その話を聞いてなんかすっと力が抜けた気がした。

 

 なんかもう人生を深刻に考えるのは止めようって思った。どんなに深刻に考えても戦争始まったら全く意味ないし、大震災とか起ったら死ぬときはあっと言う間だし。

 もともとそんなに深刻に考えるタイプではないんだけどね。ややこしくするのが好きな人が多いから巻き添えを喰らう事は多かったかも。

 

 このエッセイも何の勝算もなく突然スタートさせた。小説を新たに書き上げてから投稿するのは大変だからというタイトル通りの理由なのだが、今のところ毎日更新だけは続けている、内容は保障しないけどな。

 大体千文字以上、二千文字くらいまでで収めようと思っているが、筆がノってきたらもっと書く日も来るかもしれない。まぁ長くなれば前編、後編にすりゃ良いんだけどね。

 これまで毎日二千文字書くというノルマを課していたので、文章を書く事そのものは苦ではないのだが、これまでと違って読者の目を意識すると途端に筆が進まなくなる。

 まぁ、意識するほど読まれていないから好きに書けば良いんだけどね。

 

 そもそも毎日投稿って結構大変だわ。小説でも毎日投稿している人がいるけど、凄いなと素直に思う。いくら書き溜めているとはいえ、毎日投稿してたらすぐにストックが切れそうな物である。それを切らさずに毎日投稿しつつ新しい話も書くってとても大変な事だと思う。

 

 いつの日か私も小説で毎日投稿してみたいものである。

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