第11話 それって個人の感想ですよね
エッセイを書き始めて、家にあるエッセイを色々読んでみようと思った。エッセイなんてあったかな? と思いながら探したらひとつ発見した。
見つけた文庫本は先崎学の浮いたり沈んだりという本である。先崎学って誰やねん? と思われた方も多いと思うが、この人は将棋のプロ棋士である。
パラパラと捲ってみると読みやすいし、内容も分かりやすい。将棋だけでなくエッセイまで書けるんだなと感心していると、『喜びのリサイクル』というタイトルのエッセイが始まった。「喜びのリサイクルというものを思いついてしまったのである」と言う文章に*が付いている。どういう事かと章の最後を見ると、「どうもリサイクルとスパイラルを勘違いしていたらしい。本当はスパイラルと書きたかったようだ」と書いてあった。せめて本にする時に修正してやれよ。なんか悪意があるわ、この編集者。
私は将棋は全く指せないのだが、将棋指しの本を読むのは大好きである。最初に読んで面白かったのは米長邦雄の「人間における勝負の研究」という本である。これはエッセイではなく、実用書と呼ばれる類の本である。勝負の世界に生きるいわゆる勝負師と呼ばれる人の書く本である。そりゃ面白いに決まっている。
すっかり気に入って米長邦雄の文庫本を何冊か読んだ。結局最初に読んだのが一番面白かったが、その中の一冊に当時まだ子どもだった先崎学が登場する。そう、先崎学は米長邦雄の弟子なのである。ついでに言えば林葉直子の弟弟子でもある。
羽生世代だしA級にも在籍していたのに何となく知名度が低く感じるのは気のせいだろうか? 麻雀最強戦というプロアマ混合のトーナメント戦に参加していたし、割とプロ棋士の中には麻雀を嗜む人も多いようだ。二〇一九年には鈴木大介というプロ棋士が最強位に輝いた。女流棋士の香川愛生はオールスターリーグという芸能人の麻雀好きが競い合うリーグ戦に出場していた事もある。
他にもエッセイはなかったかな? と色々探してみたが、よく分からない。そもそもエッセイってなんだ? と考えて、グーグルでエッセイとは、と入力すると随筆と出た。
となると、枕草子、方丈記、徒然草という日本の三大随筆ってエッセイなのか! 知らんかった……。
随筆(ずいひつ)とは、文学における一形式で、筆者の体験や読書などから得た知識をもとに、それに対する感想・思索・思想をまとめた散文である。随想(ずいそう)、エッセイ、エッセー(仏: essai[1], 英: essay[1])などともいう。――ウィキペディアより引用。
結局、個人の感想なので自分がどう思ったかを書くのがエッセイなんだな。ん? そうなると読書感想文はエッセイって事になるのか?
エッセイを読んで感想を書いたらもう訳が分からんな。ひろゆき風に言えば「個人の感想を読んで書いた個人の感想ですよね?」って事になりそうだ。
どちらにしても小説を書くのとは全然違うアプローチが必要になりそうだ。思ったより面白そうなので、これからも個人の感想をどんどん投稿してみよう。
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