第7話 影響を受けた小説家たち

 小説を書く者としては、私はあまり小説を読んでいない方だと思う。営業の仕事をしていた時はビジネス書は沢山読んだが、小説は時間の無駄な気がして読んでいなかった。

 中学生の頃、赤川次郎先生はよく読んでいた。私の作品を読んだ事のある人はおそらく赤川次郎先生の影響を強く感じる事だろう。

 

 私が小説家になりたいと思ったのは明らかに赤川次郎先生の影響である。高校生の頃、クソみたいな大人に「純文学も知らないで小説家になりたいのか」と馬鹿にされたが、今にして思えば純文学なんて知らなくても何の問題もない。そりゃ芥川賞を目指すなら純文学は沢山読んでおいた方が良いだろうが、エンタメ小説を書くなら別に純文学の素養は必要ないだろう。

 そうは言っても私も一応、多少は純文学も読んでいる。夏目漱石や井伏鱒二、川端康成、芥川龍之介、太宰治、志賀直哉、松本清張、石原慎太郎も読んだ。まぁ読むには読んだが影響を受けたと思える人はいないな。

 

 その後、影響を受けたかどうかは分からないが、好きになったのは菊池秀行先生である。官能小説ではないのに性描写が艶かしいのである。ハードボイルドとか猟奇小説の類なのに性描写があまりにもエロい。ただ、ハードボイルドだからか男性優位の性描写が多い。私の場合は女性優位の性描写ばかり書いているのでその意味では真逆である。

 

 それとは別の意味で影響を受けた作家として阿佐田哲也も挙げておこう。麻雀好きなら大抵の人が知っている小説家である。いや、小説家としては知らなくてもキャラクターとしての阿佐田哲也は有名である。少年マガジンで連載された哲也-雀聖と呼ばれた男-で一気に知名度が上がったと思われる。

 私もかなりのにわかなので、映画や漫画で観てから原作を後追いで読んでいるのだが、架空のキャラなのか実際にいたのかとにかく登場人物が非常に魅力的である。

 

 ほとんど読んだとは言えないが、外国の作家の中ではアガサ・クリスティやエラリー・クイーン、スティーブン・キングは何作か読んだ。外国の作品は翻訳が下手糞だと読むのがしんどくなるので、よほど上手な翻訳でないと好きにはなれないかもしれない。教養があれば原書を読むんだろうが、私は英語が苦手なのでそれは無理。

 こうしてリストアップしていくとわりとミステリー小説を読んでいるなぁ。読むのは好きなんだけど書こうとした事はない。多分書けないと思う。

 

 筒井康隆先生の作品はあまり読んでいないのだが、「創作の極意と掟」という本は読んだ。その意味ではかなり影響を受けているのかもしれない。

 

 ちなみに私が呼び捨てにするのは故人の作家で、すでに殿堂入りという事で敬称を省略している。もともと作家に先生は付けていなかったが、小説家を目指し始めてからは生きている作家に対しては先生を付けて語るようになった。

 これも特に明確なルールとして設定している訳ではないので違うところを発見しても気にしないで頂きたい。自己紹介でも言ったように一貫性なんてものにはさほど拘っていないので、突っ込まれてもあっそう、で終わらせてしまうだろう。

 

 ざっくりと思いつくままに名前を挙げたので、漏れも沢山あると思う。それでも自分の中で影響を受けたな、と思う作家は、赤川次郎先生、筒井康隆先生、菊池秀行先生の三人+阿佐田哲也という事になるだろう。

 基本的には読みやすい作品が好きで、自分もそうありたいと思っている。中学生でもすらすらと読めるような文体が理想である。まぁ、ピクシブに投稿している作品はとてもじゃないが中学生には読ませられないが……。

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