第4話 エンターテイメントとしての麻雀を語る

 高校生の頃に麻雀を覚えた。当初は夢中になるほどではなかったが、上京していた頃はかなりの頻度で打っていたような気がする。

 雀荘のメンバーをちょっとの間だけやった事もある。二度とやろうとは思わないが。

 

 地元に帰ってからもお誘いがあれば打っていた。ネット麻雀も随分ハマった時期があった。しかし最近ではすっかり見るばかりになってしまった。

 

 麻雀って不条理なゲームで、強ければ勝てる訳でもないし、運だけで勝てる訳でもない。

 そんなゲームだから将棋などと違ってプロの世界もインチキ臭いモノだった。

 

 一昔前は賭けずに麻雀するなんて有り得ない事だった。手積みの時代にはイカサマも蔓延っており、ゲームとしての麻雀を楽しむ土壌はなかったのである。

 全自動雀卓が普及して、手積み時代のイカサマ師はほとんど廃業した。これにより、ゲームとしての麻雀を楽しむ人たちが増えたのは間違いない。しかし、それでも多少の金銭を賭けて遊ぶのが普通の時代が続く。

 

 今でも巷の雀荘ではオンレートの店が多い。ノーレートの店も随分増えたが、主流とまでは言えない。おそらく徐々にノーレートが主流になっていくだろう。

 しかし、オンレートが無くなると言う意味ではない。単純にオンレートの店はアンダーグラウンドとなっていくだろうという事だ。

 

 さて、見る麻雀って何だと言われると、今はMリーグがその中心となっている。Mリーグとは、スポンサー企業がプロ雀士を雇い、チームを組んで競い合うリーグ戦である。

 

 このMリーグが画期的なのは、プロ団体を超越したリーグ戦という事である。

 これまでのリーグ戦は各プロ団体が独自のルールでそれぞれの所属プロだけで競い合っていた。当然の事ながら個人の戦いである。

 

 Mリーグはサイバーエージェントの藤田晋社長が中心となって作られたリーグで、すでにリーグ発足から五年目に突入している。

 私はそれまで麻雀を見るのは好きではなかった。やはり打つ方が楽しいと思っていたし、実際に打つ方が楽しかった。

 ところが、Mリーグが始まってからは自分で麻雀を打つよりもMリーグを観る方が楽しいと思えるようになってきたのである。

 

 Mリーグは今のところアベマTVで観られるコンテンツで、リアルタイムなら無料で視聴可能である。プレミアム会員ならこれまでの過去の対局全てが視聴可能である。トッププロたちがガチンコで戦うMリーグはエンターテイメントとして十分に面白い。

 八つの企業が四人の麻雀プロをドラフトで指名してチームを編成して競い合う。優勝賞金はなんと五千万円である。

 

 昨年度優勝チームはKADOKAWAサクラナイツである。もう一度言おう、KADOKAWAサクラナイツである。

 別にカクヨムが角川だから忖度している訳ではなく実際に昨年度優勝している。

 メンバーは内川幸太郎、岡田紗佳、堀慎吾、渋川難波の4人である。昨年度は沢崎誠と言う最年長Mリーガーが参戦していたが、持病の悪化により残念ながら戦力外となってしまった。

 今年度はスタートダッシュに失敗し、かなり下の方に位置しているが、実力のあるチームなので最終的にはそこそこの位置に落ち着くであろう。何しろ、これまでファイナルに残れなかった事はないのだから。

 

 昨年度準優勝はセガサミーフェニックス。メンバーは魚谷侑未、近藤誠一、茅森早香、東城りおである。このチームのカラーとして女性三人、男性一人と言う他のチームの真逆の構成で、近藤誠一はハーレム状態に見えるが、チームメイトからはお父さんという位置付けで見られている。

 

 万年三位の渋谷ABEMASは、リーグ発足したチェアマンの藤田晋が監督のチームである。メンバーは多井隆晴、白鳥翔、松本吉弘、日向藍子で構成されている。

 

 去年四位となったKONAMI麻雀格闘倶楽部は、佐々木寿人、高宮まり、伊達朱里紗、滝沢和典の四人で構成されている。

 

 ついでに他の四チームも紹介すると、U-NEXT Pirates、EX風林火山、赤坂ドリブンズ、チーム雷電である。

 月、火、木、金の午後七時からアベマTVで生放送しているのでぜひ一度ご覧頂きたい。

 

 これまでの麻雀の対局はスーツ姿が基本であった。ところがMリーグでは各チームがスポーツのようにユニフォーム姿で打つ。

 eスポーツとして麻雀を広めようというコンセプトがあるのでこのような形になっている。冗談抜きで最終的にはオリンピック競技にしたいと考えているようである。

 

 昭和の博打麻雀からeスポーツとしての麻雀へと時代は移り変わっている。

 その最先端でMリーグは重要な役割を担っていると思う。是非とも麻雀業界をさらに盛り上げて貰いたいものである。

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