第11話 愛莉朱と夜にイチャイチャ

 そろそろ時間も時間だし、明日の麻雀を楽しみにしながら寝よう思ったんだけど……隣で寝る愛莉朱がそれを邪魔してくる。


「――――」


「――――愛莉朱どうした? それじゃあ俺が寝れないんだけど……」


 俺の隣でゴソゴソと動いたかと思えば、俺の腕に抱きついてくる。

愛莉朱の柔らかい何かが当たっている感触が、腕から直に伝わってくる。


「ん〜、お兄ちゃんともっとイチャイチャしたいよぉ〜」


「気持ちは分かるんだけど、俺は眠いから……」


「――――お兄ちゃん〜」


「――――!」


 や、やめろ愛莉朱……!

そんな甘えた声でお兄ちゃんって呼ぶな!

俺がおかしくなる……!


「わたしはもっとお兄ちゃんに甘やかしてほしいなぁ〜。もっとも〜っと、お兄ちゃんとイチャイチャしたい」


「――――っ!」


「ねえ……わたしの方を見て。お兄ちゃんの顔、もっと見たい」


 耳元から囁かれる愛莉朱の声に、俺は頭がおかしくなりそうだった。

ASMRって最近流行っているけど、流行っている理由がよく分かった気がした。

こんなの耳元とかでやられたら、みんな墜ちるに決まってる。

 俺は言われた通りに、愛莉朱の方へ体ごと向けた。

すると、愛莉朱は俺の頬に手を添えてきた。


「――――お兄ちゃん……良い?」


「ああ」


 そう言って、俺達は静かにキスをした。

何度もこうしているけど、やっぱり心地の良いものだ。

一番愛莉朱を感じられる気がする。


「ん……はあ、はあ……」


「はあ、はあ……。全く、愛莉朱は俺のこと好きすぎだな」


「もう、何度も言わせないでお兄ちゃん! わたしはお兄ちゃんのこと、大好きだよ」


「はは、分かってるよもちろん。でも、それは何度でも聞きたいんだよ」


「じゃあ、お兄ちゃんも言ってよ」


「えっ?」


「いつもわたしばかり言ってるから、今度はお兄ちゃんがわたしに好きだって言って!」


 顔をズイッと近づけて、そう言う愛莉朱。

えっ、俺が言うのか?

でも確かに、愛莉朱の言う通り、いつも言わせてばかりなような気がする。

――――よし、じゃあ兄としての本気を見せてやる!


「愛莉朱」


「ん、なにお兄ちゃん?」


「愛莉朱はいつも可愛くて、俺をいつも虜にさせてくる。全く、どれだけ俺のこと好きなんだか……。でも、俺はそんな愛莉朱が好きだ。何時でもどこでも、いつも離れないで欲しいって思ってしまうほどに」


「――――離れないで欲しいだなんて……。お兄ちゃんそんなこと思ってくれてたの?」


「当たり前だろ。俺は愛莉朱しかいないんだよ。好きだ、大好きだ。早く結婚してお嫁さんにしたいくらいに!」


「――――っ!?」


 真っ白くて綺麗な顔が、だんだんと赤くなっていくのが分かった。

よしよし、良い感じだ。

このままもっと愛莉朱をキュンキュンさせよう! っと思ったら、急に抱きしめられた。


「ど、どうした?」


「――――もう負けで良い。お兄ちゃんズルすぎ」


 顔を真っ赤にしたまま、愛莉朱は俺の胸に顔を埋めた。

どうやら、あまりにも攻めすぎたようだ。


「――――ねえ、お兄ちゃん」


「ん?」


「もし……わたしが本当にお兄ちゃんのお嫁さんになったら、どんなことしてくれるの?」


 愛莉朱は顔を埋めたまま、そう聞いた。

もし俺のお嫁さんになったら、か……。

どうなってるんだろうか。

そして、愛莉朱とどんな一日を過ごしてるんだろうか。

俺がまだ高校生だからっていうこともあるから、まだ詳しくまではイメージがつかない。

 ただ一つだけ言えるのは、俺は愛莉朱を大事にしているのは変わらないということだ。

いや、今よりももっと大事にしてると思う。

『恋人』から『お嫁さん』に1ランクアップするのだから、それはもう大事にしまくるのは当然だ。

だから……。


「愛莉朱が俺のお嫁さんになったら、愛莉朱が満足するまで支えるよ」


「満足するまでっていうことは……。じゃあ、一生満足しなかったら、ずっと支えてくれるの?」


「そういうことだ」


「じゃあ、一生満足しないこと決定だよ? だって、お兄ちゃんとずっとイチャイチャしていたいから」


「ドンと来いだ!」


「――――! お兄ちゃん!」


 嬉しかったのか、満面の笑みを浮かべ、そして俺にキスをした。

俺も愛莉朱の手を取り、応える。

やがて唇だけじゃなくて、舌も絡ませ合った。


「ん、ちゅっ……はあ、はあ……。お兄ちゃん、今日は……良いよね……?」


 どうやら、これだけじゃ足りなかったようだ。

全く、愛莉朱はまだ中学生だと言うのに、これじゃあ俺が犯罪者だよ……。

まあ、俺も高校生だから問題ありだけどな。

だけど、もうそんなことなんて考えられない。

だって……眼の前には、俺を見つめて誘惑してくる妹がいるんだから。


「お兄ちゃん……良いよ?」


「ったく、相変わらず誘いは上手いよな。どこでそんなダメなこと覚えたんだ?」


「さあ、どうでしょうね〜? でも、こんなことはお兄ちゃんしかやらないから、安心して?」


「ほう、俺だけにやってくれるのか。それは超テンション上がるな」


 とか言いながら、俺は愛莉朱のパジャマを脱がしていた。

何度も見た白い肌だけど、やっぱり綺麗だった。

アルビニズム特有の真っ白い肌は、愛莉朱の肌の繊細さがよく目立つ。

だからこそ、肌の綺麗さがよく分かる。


「――――」


 愛莉朱は何も話さず、ただ俺を見つめる。

ただ見つめているだけなんだけど、この感じ取れる表情は本当にずるいと感じる。

だって、これだけでめちゃくちゃ可愛いと思ってしまうから。


「んっ……。お、お兄ちゃぁん……。あっ……気持ちいよぉ……」


 俺と愛莉朱は、それから乱れに乱れまくった。

そのせいか、愛莉朱は最初はちょっと驚いていた。

けど、段々とその表情は変わっていき……甘くてとろけているような表情になった。


「愛莉朱、愛莉朱!」


「お、お兄ちゃん……お兄ちゃん!」


「俺、そろそろ……!」


「お兄ちゃん、あっ、良いよ……。わたしをお兄ちゃんでいっぱいに満たして!」


「も、もう限界……!」


「あっ、ふわ、ぁぁ……」


 ほぼ同時に果ててしまったようだ。

愛莉朱は体をビクビクとさせて、そしてバタリと力が抜けたように寝そべった。









◇◇◇










「愛莉朱、大丈夫か? ごめん、いつもより乱暴にしちまった……」


「はあっ、はあっ……。ん、大丈夫……。えへへ、お兄ちゃんでいっぱい」


 そう言いながら、愛莉朱は俺に腕を伸ばしてくると、キスをした。

そして、顔を離して見つめると、愛莉朱はクスリと笑った。

その様子が、あまりにも可愛すぎだった。


「愛莉朱」


「ん、なあに?」


「俺、これからも愛莉朱と一緒にいるからな! だから、先に宣言しておくよ」


 俺は一度深呼吸をすると、愛莉朱の目をしっかりと見た。


「俺は、愛莉朱が好きだ。これからもずっと一緒にいたい! だから……愛莉朱が結婚できる年齢になったら……お、俺と、結婚してくれますか?」


 ああ、言ってしまった!

まだ俺は高校生なのに、しかも妹なのに、プロポーズしてしまった!

 結構ドキドキしながら、愛莉朱の返事を待っていた。

時間がかかることは想定していたが、愛莉朱の返事はめちゃくちゃ早かった。


「もう、お兄ちゃん今さら何言ってるの?」


「えっ?」


「わたしはね、最初からお兄ちゃんと結婚する前提で付き合ってるよ。だから……よろしくお願いします!」


 愛莉朱はそう言って、俺にまたキスをした。

俺はつい舞い上がってしまい、何度もキスをしてしまった。

でも、愛莉朱は全く嫌がっていない。

もはや、もっとして欲しいとでも言ってくるようだった。


「ねえお兄ちゃん」


「ん、どうした?」


「えっと……もう一回、良い? お兄ちゃんにプロポーズされたら、もっともっとって思っちゃって……」


「ああ、もちろんだ愛莉朱」


 それから、俺と愛莉朱は再び絡み合った。

体が全く動かなくなるまで、求めて、求め合った。

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