記録8 人形だけの舞踏会って怖いしかないよね
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魔法使いのレインと出会って次に向かったのは国の中心地である城だ。
ヒースのおかげで道中は安全に行けたが城内は色々やばかったよ普通だったら怖くないけど今の状況だったらめちゃくちゃ怖かったさ。
だからヒース、そしてレインもお前ら怖がれよ俺だけ怖がって恥ずかしいやつじゃんこれ書いてる今でも恥ずかしいよほんとに。
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う、うわー……
ヒースの案内によって敵に出会うことなく城内に入ることができた。 てっきり城内が一番やばいんじゃないかと思っていたが特にすんなり入れたし敵の気配も全く感じない。
その代わり多くの人形や剥製などが展示されていた。
普通怖くないのにさっきのことや薄暗い雰囲気によって気配は感じないがこいつ動くんじゃね? と疑心暗鬼になってしまう。
「さすがだな、コンテストなだけあって出来がいいのが沢山あるな」
「この人形が着てるドレス数百万もするブランド品だよ、すごいなあー」
あれもしかして怖がってるの俺だけ?
それはそれで恥ずかしいだけど。
で、ここまで来といてなんだがほんとに役に立ちそうなものがあるのかよ?
「役に立つかどうか正直分からない、とりあえずこれ見な」
ヒースの手招きに乗り近づくと一つの作品に目が入る。
コイツはッ!?
その作品は広場で出会った少女と瓜二つの姿で立っていた。 だがそれはいくつもの切り裂かれた跡があり見るも無残な姿だった。
襲ってきた人形じゃないか、でもなんでこんな切られているんだ? 他は無傷なのに。
周りを見てもどの作品も目立った傷が見当たらない、この傷が作品の一部なのではないかと勘違いしてしまいそうに。
「『家族に飢える人形』なんちゅうタイトルだ」
「心を持った人形が家族が欲しいと考え人間の赤ん坊を産もうと色々と試すってのがここに書いてあるストーリーの大まかな内容だね」
ヒースとレインが展示品を紹介するプレートを見て言う。
うーん……つまりなんだここにいる壊れた人形が俺たちを襲ってきた人形と同じならあの人形の目的は家族を作るということか。
「だったらなんでこんな霧を出したんだろう? 家族を作るにしても流石にこれはないと思うよ」
「なにか理由でもあったんじゃないか? 霧を出さなくちゃいけないなにかが、この作者の家に行けば分かるかもしれないな。 参加するための登録用紙がどっかに保管されているだろうからそれを探すか」
ヒースはそう言い城内を歩き始めたため自分たちもついていく。
こいつ最初からそれが目的だったんじゃ……いやレインがいなかったらそのまま作者の家に突撃するきだったんじゃないのか知ってるんだから。
そう思った自分だがもしレインがいなかったら自分は今頃ヒースに振り回され怒涛の急展開になるんだろうなあと予想できてしまうため特に口には出さずレインがいたことに少し感謝した。
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「よし見つけた」
数十分後、特に迷うことなくついた保管庫で参加者リストを見つけることができた。
「ルード・ヘロ、ルード・ヘロっとああこれだ」
ぺらぺらっとめくり見つけたルード・ヘロという人物の登録用紙そこには個人情報が書かれており住所も乗っているためこれで奴の家に向かうことができるのだがここで一つ問題が。
で、住所は分かったけどどうやって探すの?
地図もないし一つ一つ確認するのはあまりにも時間がかかりすぎる。
「(知ってるけど)そういえばそうだな」
「私地図持ってるから大丈夫だよ」
レインは鞄から地図を取り出し机に広げてくれる。
そういえばこの人調査しにここに来たんだったそりゃ地図くらい持ってるのは当然だったか。
「えーとこの人の地区は……」
「『マップ表示』」
「え?」
ヒース!?
時間がかかると思ったのかヒースがパンドラを取り出して地図を展開し出した。
あまりに唐突な為自分も驚いてしまう。
「何それ何それ、初めて見たんだけど! その小さな金属の箱から出てるの、新しい魔道具?」
「後で説明するからそんな詰めないでくれ」
多分時間がかかるからしびれを切らして使ったんだろうな、だったらついでに自分は転生者ですってばらせばいいのに。
慣れた手つきでヒースは操作し作者の家までの経路を表示させた。 そこまで遠くにあるわけでもなく問題なくたどり着けそうだ。
なあヒース、この家の周りにある沢山の赤点は何なんだ?
「敵、さっきの奴らがいるんだろ」
えぇ……多いな。
見た感じ20体ほどだろうか家の周りをうろうろしている、そして家の中にも赤点が一つ多分あの少女だと予想できる。
「ちなみに聞きたいんだけどあなたたちに襲い掛かってきた人形はどれぐらい強かったの?」
「別に大したことはないな」
先手打ったくせに防がれて操られている人達に追い掛け回された俺たちが言えたことなのか?
「あれは行けるかな理論で行っただけだし、それにあの時は周りを囲まれていて不利だったから逃げただけだし」
じゃあ次は大丈夫なのか?
「行ける行ける」
「ほんとに大丈夫なのかなぁ」
「まあ任せろって、今度は勝つぞ」
パンドラをしまいヒースは自信満々に言った。
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