記録6 人形って時に怖いと感じるね
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旅の二日目
今日は『人形の国』に着いた。
正直言ってあそこはやばかった。
まさか人形に魅入られすぎた結果がああなるとは考えたこともなかったよ。
あの国で何があったかまとめて書いておこう。
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入り口を通った先にあるのは人の気配が全くない街が広がっていてここも霧が漂っていた。
誰もいない、一体この国に何があったんだ。
「まあなんかあったからこうなってるんだよなあ……」
これもげーむのイベントなのか?
「まあね、とりあえず今は状況を調べる必要がある。 俺から離れるなよこの霧だ、はぐれたりしたらやばいからな」
そういいヒースは歩き出したため自分も離れないようついていく。
歩いている中周辺を見ると特に建物が壊れていることはなくそして相変わらず人の気配がない。
不自然すぎる。
自分は思った。
普通こんな状況なら争った形跡があってもおかしくないはず。
試しに建物に誰かいないか確認しようとするもどこも扉に鍵がかかっており中も真っ暗だった。
人一人も見つからなかった。
「まさにサイレント何とかだな。 知っていたとしても怖いものだ」
数十分ほど歩いた後広場の噴水に座り休憩する。
なあ一回ここから出てみないか?
「別にいいがこの霧のせいでどうせここに戻ってくるぞ」
試しにヒースに提案するが無駄だと分かった。
じゃあどうやったら解除される?
「この霧を出している術者を止めればいい、でも国を丸ごと囲うほどの霧だそう簡単には止められない相手だと思うが」
ああー、こっからどうすればいいんだ……
頭を抱えこれからどうするか考える。
結局のところ術者を探す一択だが、今の自分たちにかなう相手なのか不安だ、でもここに来たのはヒースがどうせ行くからとか言って来たんだ案外何とかなるかもしれない?
「リーフ、休憩は終わりだ。 どうやらお出ましのようだぞ」
カツン、カツン―――
静かな中でヒールの足音がひときわ鳴り響く。
立ち上がり音のなる方を見ると奥の街路から一人の少女が歩いてきている。
黒のワンピースと長髪に水色に輝く瞳を持つその姿に自分は綺麗と感じてしまった不気味に思うほどに。
「こんにちは、今日もいい天気ね」
少女は自分たちの近くに立ち止まり話し出した。
聞かれたなら答えなくてはいけない、でも自分は言葉が出なかった。 遠目で見た時の不気味さが近くで見た時に一層増した。
この少女は本当に人なのか?
自分には綺麗という価値がそこまで分かっていないだが今目の前に立っている少女はあまりにも綺麗すぎた。
「霧で全然分からないのにどこがいい天気なんだ」
そうしているうちにヒースが答えた。
その返答が本当に正しいのか分からないが答えただけでもましだろう。
「いえいえよく見てください、雲一つない広大な青空が広がっているじゃないですか」
少女はそう言うがよく見ても霧のせいで見えない。
「灰色の空なんてない、ずーとずーと青空だけを映せばいい何の変化もない空を」
両手を広げ空を仰ぐように顔を見上げ少女は言う。
こいつは何を言っているんだ、と思っていると周りから少女以外の何かの気配を感じた。
ヒース、なんかまずく―――
瞬間ヒースが剣を抜き飛び出した。
何の迷いもなくただ真っすぐに剣を少女に向けて突き出す。
「『プロテクション』」
キイィン!!
剣は甲高い金属を周囲に響き渡らせ少女の顔面で止まった。
「チッ、貫通系のスキルを使ってもダメかやっぱ固いなアンタ」
「『水銀の針』」
少女の魔法が発動するとヒースは咄嗟に離れる、その瞬間さっきいた位置の地面から銀色の針が突き出てきた。
すぐに自分も弓を構え戦闘に入るが敵は一人じゃないようだ。
20、30人ほど自分たちの周囲を囲っているのが目視で確認できる、それ以外にも足音が聞こえるためそれ以上だろう。
見た感じこの国の住人だろうか、生気を全く感じないまるで操り人形のような光のない目で見ている。
「捕らえなさい、私の子供たち」
少女の言葉で武器を持った住人が襲い掛かる。
自分たちはその攻撃を受け流したり回避で対処するがこのまま防戦一方だとやられるのも時間の問題だ。
「いけると思ったんだがなあ、仕方ない一旦引こう」
当たり前だ、さっさとここから抜け出すぞ!
逃げるのはさっき通った道から行ったほうが追い詰められずに済む、自分は道を塞ぐ敵に対し手を構える。
『エアブラスト』!
構えた手に風が集まり球となって放たれる。
放たれた風の球は住人の体に命中すると球となった風が衝撃となって解放され周りの住人を巻き込んで吹き飛ばした。
「あれ、お前回復魔法以外も覚えたんだ?」
いいから早く逃げるぞ!
自分たちは空いたスペースから急いで抜け出し見えなくなるまで走り続ける。
ヒース、このまま走り続ければ体力が持たなくなるぞどっか隠れれる場所はないのか!?
「ある程度離れてきたしどっか侵入しやすい家があれば入りたいんだが……」
そういいヒースが考え込んでいると。
「二人共、こっちに来て!」
前からさっきの奴とは違う少女の声が聞こえた。
その少女は少し離れた場所にいて建物の入り口からこちらに手を振っていた。
よし、あそこに入るぞヒース!
「あ、ああ分かった」
自分たちは少女がいる建物へと急いで入った。
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