記録3 レベル上げすぎあるある、ボス戦が簡単
『――――!』
「はあ!」
ヒースとエースゴブリンの振るった剣はぶつかり合い高い金属音を鳴らして鍔迫り合いをする。
『――――!』『――――!』
エースゴブリンの後ろから2匹のゴブリンが短剣を構えてヒースに襲い掛かる。
ふんっ!
だがそんな攻撃が簡単に通るわけもなくヒースの後ろで弓を構えていた自分が『ダブルショット』で2匹同時に仕留める。
このまま上の奴らも倒そうとするが奴らも馬鹿ではない先にヒースではなく自分に向けて矢を放ってきた。
まじかっ!?
後ろに回避し射線から隠れようと家の影に入ろうとするがそこから短剣を持ったゴブリンが出てきて自分に切りかかってくる。
なんとか避けるが咄嗟だったため体制を崩してしまう。
くそっ!
「リーフ!」
『――――!』
尻もちをついた自分にゴブリンはチャンスは逃さないと追撃をしてくる。 体を転がしてなんとか避け体制を直そうと距離を取ろうとするがゴブリンも距離を離さないよう突進してくる。
ま、そう来るだろうなっと。
弓とか魔法など遠距離から攻撃してくる奴から距離を離していけないため距離を詰めて攻撃を封じる。 基本的なことだが補足としてもう一つある。
詰められた際の対策の一つや二つあると思え。
突っ込んでくるゴブリンに自分は腰から物を取り出し投擲する。
投げナイフだ。 ナイフが飛んでくるとは思わなかったゴブリンは避けることもできず額に刺さる。
持ってて良かった投げナイフ。
「『ファイアボルト』!」
『――――!』
そうこうしているうちにヒースは屋根で狙撃してくるゴブリンに魔法を撃ち2つの爆発音を鳴らして倒していた。
そのまま素早い動きでエースゴブリンの斬撃をかわしながら着実に攻撃を当てそして最後に――
「ふんっ!」
『――――ッ!』
エースゴブリンの首を切り落としヒースは戦いに勝利した。
「グットゲームだ」
一対多数とか特に傷もなく勝利してるとかほぼヒースが蹂躙する戦いだったのだがヒースがそういうのであればそうだろうだなと思いヒースに駆け寄る。
もう全部お前一人でいいんじゃないか?(ヒース、怪我はないか?)
「えっ、急にどうした!?」
あっやべ、つい本音が出てしまった。 まあいいや、怪我はしてないか?
「まあいいやで終わらすなよ。 まあ特に怪我はないぞ、全部避けたし」
ボスは強いって聞いたけど……こんな簡単に完全勝利ができるものなのか?
「いやーボスは強敵でしたね……」
(ヒースから見て)雑魚の間違いじゃないのか?
▲
……ん、なんだこれ?
戦闘も終わり死体処理をするため換金できそうな部分を集めているときだった。
エースゴブリンが首に掛けていたであろうアクセサリーぽいものが転がっていた。
それは微かに光を放っていたため自分は拾い上げる。
手のひらに納まるぐらいの大きさで黒一色の四角い箱は未だに放ち続けている光以外何もわからない。
ヒースが何か知っているんじゃないかと呼ぼうとした瞬間。
うわ!?
急に箱から光の玉が空に向かって飛んで行った。
光の玉はある程度の高さに行くと四つに分かれそれぞれの方向に散っていった。
そして四つの飛んで行った先で紋章の形となって空に浮かび続けた。
……え、なにあれ? まじでなにが起きているんだ?
「おーいリーフどうしたんだってああ、拾ったんだなそれ」
一人で混乱している中、様子を伺いにヒースが来て自分の持つアクセサリーを見るとそれを知っているかのような口ぶりで言った。
知っているのか、ヒース?
「うむ、じゃなくて知ってる知ってる。 こいつはある場所に行くための鍵なんだよ、まあまだそれには鍵としての資格がないから使えないけどな」
資格?
「ああ、空に大きな紋章が浮かび上がっているだろそれ鍵を持っているお前だけしか見えてないからそいつに向かって『マップ表示』って言ってみろ」
……『マップ表示』
箱に向けて言うとまた箱が光だし今度は水色の地図のようなものが目の前で展開された。
な、なんだこれ!?
突然目の前に地図が出現したため驚きのあまり投げてしまうがヒースはそれをキャッチし閉じてしまった地図を再び出す。
「最初はびっくりすると思うがいずれ慣れるさ」
驚く自分にヒースはそう言い地図を使って説明する。
「お前の持つ『パンドラ』に必要な資格は全部で4つ、資格はそれぞれ四大国家にある。 『イオクニ』 『アヴァロン』 『アグト』 『イージス』、その国から与えられる試練をクリアすれば資格をゲットできる。 そして4つ全て集まればぁ―――」
集まれば?
「―――願いが叶う楽園へと導かれる。 ま、こんな感じだな」
そういいヒースは地図を消して箱を、『パンドラ』をポケットにしまった。
……なあヒース、お前は一体―――「おーい、お前ら無事かあ!」
ずっと聞こうと思っていたことを聞こうとするがタイミング悪く遠くの方から先生たちが来てるのが見えたため聞くのをやめる。
▲
あれから先生たちと合流しリンさんの娘も特に怪我もなく無事村に戻ることができ満足な結果に収めることができた。
リンさんや村の人たちから感謝され、その礼として村で宴が開催された。
飲んだり食ったり誰も笑いあい楽しんでる中主役である自分たちはというと。
「さて、君たち二人が無事で帰ってきたことはいいことだが……どうして僕たちを呼ばずに勝手に行ってしまったか聞かせてもらおうか?」
絶賛先生の家で正座して怒られております。
子供のころ自分たちだけじゃ効率が悪いとヒースが考えた結果師事としてヒースがお願いした人がケインという村に移住してきた人だ。
「え、えっとですねえ。 たまたま先生たちが行ってない方へ行ったらたまたま見つけて先生たちを呼びに行こうとしたら運悪く接敵したので仕方なく戦ったんですよ。 そしたらたまたま今日がよかったのか殲滅しちゃってしかも娘さんを救出という一石二鳥を起こしちゃったんですよいやほんとたまたま、たまたまな出来事だったんですよ」
……苦しすぎでは、その言い訳?
隣で一緒に正座しているヒースの言い訳に心の声で言う。
「ふーん……」
あ、やっべ。 あれ完全に怒ってるよ。
「ふーーーーん」
「先生待ってアイアンクローは、アイアンクローだけはゆる――― ギャアァぁぁ!? 頭われる、まじで力強すぎて頭壊れるうぅぅ!」
ケイン先生が正座しているヒースの顔面を片手で鷲掴みしそのまま締め付けていった。
ちなみにケイン先生の握力は前リンゴジュースを作ろうとリンゴを握りつぶして作っていたためそれぐらいの力が今ヒースの顔面に行っているのだろう。
「まあ君のことだからそうなるとはわかっていたけど流石に何回もやられるといつの日か胃が壊れそうになるよ」
「それはほんと……申し訳ないと思ってます」
……今度から気を付けます。
「ほんと頼むよ二人共。 とりあえずお説教はここまでにして宴に行ってきなさい、今回は君たち二人がメインなんだから」
ヒースを解放して椅子に座って一息を突くケイン先生。
自分たちは礼を言った後、家を出て宴に参加する。
酒を飲んで酔っ払っている連中に見つかるや否やもみくちゃにされるがその後は特に何事もなく自分は食事を楽しんだ。
ヒースは気分が乗ってきたのか村人たちにゴブリンとの戦いを自慢げに話していた。
さて明日はどうしようかな、今回の戦闘の反省点も沢山あるし明日は一人で練習でもしてるか。
ある程度食べた後自分は明日のことについて考えていた。
今日の反省点を改善するため明日は練習をしようと決めた後喉を潤すため水を一杯飲もうと口に入れた瞬間。
「決めた! 俺ヒースは強くなるために旅に出ます!!」
ッ!?
ヒースの宣言に自分はむせた。
この後、なんやかんやあって荒れたのは言うまでもなかった。
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