8話 『そんな彼女とは別れるべきか』
保健体育と生活指導を受け持っている。
大柄な体格もかつては隆起した筋肉によるものだったが、四十代後半になった今ではすっかり衰え、腹にでっぷりとした脂肪を蓄えてしまっていた。
これは同じくぽっちゃりとした則夫の妻が作る料理が油ものばかりだったり、そんな妻とも永いこと冷えた関係が続いていることが原因だろうと責任転嫁していたが、日々の運動不足は則夫も自覚するところだった。
最近では薄くなってきた頭皮も気になりだして、いよいよ自分にも避けられない加齢の波が襲い掛かってきたと沈鬱な気持ちで日々を過ごしていた。
放課後になり、夕暮れに照らされる廊下を歩く則夫。
両手には一つずつ大きな手提げ鞄を持っている。どちらも明日の授業で使う資料や教材が入っており、それを職員室まで運んでいるところだ。
「センセー! さようならー」
不意に後ろから声をかけられる。
一気に廊下が明るくなるような女子高生の声に、則夫は微かに心を弾ませながら振り返り、
「おう、さよう――」
だが声をかけられていたのは自分ではなく、別の男性教員だった。
爽やかな容姿で女子から人気があるなどと言われているが、則夫に言わせればまだまだ青い若造だ。
「君達、ちゃんと寄り道せずに帰るんだぞ」
「はーい!」
二人の女子高生はきゃっきゃと笑いながら男性教員に手を振り、そのまま則夫の方へ歩いてきた。
その様子を眺めていた則夫と二人とも目が合ったが……どちらの女子生徒からも挨拶はなく、二人は則夫の脇を素通りしていった。
「……お前達、もう遅いから早く帰れよ?」
無性に悔しくなった則夫がそう声をかけると、「え? あ……はーい」と気のない返事が投げられ、やがて二人の姿が廊下の角に消える直前に、「キモ」「ブス谷」「最悪」といった断片的なワードがかすかに聞こえてきた。
「ちっ……クソガキどもが」
若い教員と中年の教員で露骨に態度を変えやがる。
あの歳であいつらはもう男への媚の売り方を熟知しているメスなのだ。
特に最近の女子高生ときたら発育もよく、近くを通る度にメスの匂いを振りまいているではないか。
さっきの男性教員のように、あんな女子高生達に好意的に接してもらえたらどれだけ日常が色鮮やかになることか。
それだけで則夫の鬱屈した日々も見違えるというもの。
だが則夫は学生時代からああいう女子とは縁遠かった。
女性と初めて付き合ったのも大学を卒業する間近。
もう学生時代に彼女を作って一緒に過ごすラストチャンスだ、と死に物狂いで大学中の女子に片っ端から声をかけて、ようやく引っかけたのが今の妻だ。
教師として高校に舞い戻った後も、女子高生達の則夫への態度は変わらなかった。
そしてどんどんと歳をとり、老けていき、自分から男性としての魅力が抜け落ちていく中……学校には毎年溢れんばかりの若さを持った子供たちが入学してくる。
自分には当然ながらもう手の届かない存在である彼女達に、挨拶をしてもらえただけのさっきの男性教員にすら、則夫は日々憤懣やるかたない思いをしているのだ。
だというのに、あまつさえそんな彼女らと不純異性交遊している男子生徒を何人も見せつけられ、則夫のストレスは年々積もるばかりだった。
……あーあ。やってらんねえ。
そう独りごちて則夫が歩き出すと、
「先生、さようなら」
再び背後から声がかけられる。今度は男子生徒の声だ。
また人違いかもと期待せず振り返ると、二人の男女が並んで立っていた。
「袖上……と、乾か」
「おつで~す」
学内で最も有名なバカップルの二人だった。
「……さいなら。気をつけてな」
則夫にちゃんと挨拶をしてくれる数少ない生徒達だが、則夫の気分は急落していた。
則夫はこの二人……特に袖上
横に並んだ二人の男女を改めて眺めてみると、なんて正反対な二人だろう。
片や見るからに生真面目な優等生。
制服をきっかりと着こなし、黒縁眼鏡が更に理知的な印象を際立たせている。
そしてもう片方は……ごくり、と則夫の喉が鳴る。
乾亜久里。何度見ても高校生離れした凄い身体をしている。
特に胸の辺りなんて規格外だ。
健康的な褐色肌に目の覚めるような金髪。制服もオシャレに着こなす今風ギャル。
こういった女子生徒は今まで何人も見てきたが、亜久里ほど恵まれた容姿の生徒は則夫も滅多にお目にかかれない。
(なんでこんな女子と付き合えたんだこいつ?)
ただ真面目で成績優秀なだけで、これといった魅力のある男には見えない。
多少顔やスタイルは良いが、亜久里ならもっとレベルの高い男子といくらでも付き合えたはずだ。
ただのマグレか、亜久里が物好きだっただけか……そう内心で悪態づいた則夫に、
「先生、よかったら手伝いますよ」
丞が優しい笑みと共に手を差し伸べてきた。
両手に手提げ鞄を持っている則夫への気遣いのようだ。
「……そうか? それじゃあ、頼もうかな」
不機嫌そうに重い方の鞄を手渡す則夫。
丞に頼るのは癪だが、面倒な雑用を押し付けると思えば少し気が晴れた。
「やだ丞やさしーい! さっすがうちの彼ピ!」
亜久里が丞の腕に抱き着く。
大きな胸がぐにゅりと押し付けられているのを見て、則夫は死ぬほど悔しくなった。
――どう、私の彼? 『これといった魅力がない』どころか、かっこよくてスタイルもよくて頭もよくて、しかも優しいでしょ? あんたとは大違いなの。
まるでそう詰られているような気分になって、せっかく向けられた丞からの好意も惨めなだけだった。
「センセー、うちもなんか持つよ?」
「いや、鞄は二個しかないから」
「そう? じゃあとりま付いてくわー」
そうして三人で廊下を歩く。
丞が真ん中で、両脇に則夫と亜久里が並ぶ。
……その間も、則夫の傍で二人はイチャイチャベタベタと歯の浮くような言葉で互いを褒め合っていた。
「丞ってほんと困ってる人見るとほっとけないよねー。そういうとこがマジエモいんだけど!」
「まあ、子供の頃から意識的に心掛けてるからね」
「ねえセンセ! 丞の名前の意味知ってる?」
「……いいや」
知るわけねえだろ、と聞こえないように吐き捨てる。
「丞はね、『人を助ける』って意味なんだってー。いやぁ、親の愛が詰まってるエモい名前だよねー」
「はは、よく言うよ。英語のTASKと間違えたろ」
「ちょ、それ言う~? 昔のミスなんだからもう忘れてよ」
「忘れないよ。だって――あれがあったから、今の俺達があるんだから。今は改めて、自分の名前が『たすく』でよかったと心から思ってるよ」
「ウソ……丞…………しゅき♡」
「俺もだよ、亜久里」
――死んでくんねえかなこいつら。
割と真剣に願う則夫。
何の罰でこんな馬鹿なやり取りを傍で見せつけられなければいけないのか?
噂通り周囲の空気を読まず乳繰り合っている迷惑なバカップルらしい。
青春を謳歌しているこの二人……とりわけ丞への個人的な嫉妬が抑えられずイライラが加速していく。
「……ここまででいい。ご苦労だった」
職員室近くまで到着すると二人にそう伝えた。もういい加減こいつらに付き合うのも限界だった。
「じゃあ俺達はこれで」
「センセーおつ~」
丞は持っていた荷物を則夫に差出し、亜久里と一緒にその場から去ろうとする。
「――袖上、ちょっといいか」
その背中を呼び止める。
「いい機会だから、お前に話しておきたいことがある」
「ええ、もちろん。亜久里、悪いけどちょっと待っててくれるか?」
「オッケー。じゃあ購買で飲み物でも買って待っとくねー」
手を振って去っていく亜久里を見送り、則夫はひとまず職員室に荷物を置いた。
それから適当に廊下を歩きながら、タイミングを見計らって切り出した。
「あー……風紀委員の仕事、頑張ってるようだな」
「……? ありがとうございます」
「夏には模試もあるが、勉強は順調か?」
「まあ……日々の授業を予習復習しているくらいですね。まだ受験生ではないので」
「他の先生も、お前には期待してるみたいだぞ。成績も優秀で、素行も申し分なし。三年の音姫に続いて、次の昴ヶ咲高校の模倣生徒はお前だ、とな」
「恐縮です」
「だからこそ……まあ、なんだ。それ以外の部分で失点を稼いじまうのは勿体ない、そうだな?」
「……? と言いますと?」
話が見えない様子で丞が則夫を見つめる。
「ハッキリ言うと、乾と付き合ってるのはお前にとってマイナス評価になるかもしれないぞ」
「……」
並んで歩いていた丞の足が止まる。
先程までとは打って変わった真剣な眼差しで則夫をまっすぐ見つめていた。
「どういう意味でしょう」
「お前は風紀委員として、生徒の不純異性交遊を取り締まる側の立場だろう? そのお前自身が乾と付き合ってるっていうのはよくないだろ常識的に考えて」
「乾さんとは不純な交際など一切していません。ご心配頂きありがとうございます」
――ふん、どうだか。
則夫が鼻を鳴らす。表面上は真面目を装っているが、丞も年頃の男子生徒。
あんなルックスの女子と毎日ベタベタしていれば何が起こってもおかしくない。
いや、もうとっくにそんなことは済んでいて当然。則夫なら三日と我慢できないだろう。
「そうは言ってもだな、俺は生活指導員として、そういうのを見過ごせないんだよ」
無論、則夫にそんな殊勝な気持ちはない。
単に気に入らない丞に難癖をつけて、あわよくば二人が破局でもしてくれれば最高だという歪んだ感情からこの会話は始まっていた。
「他の先生方も皆言ってるぞ? 『袖上は乾と付き合ってさえいなければ完璧な模範生徒なのに』って。やっぱり印象、悪いみたいだぞ? 内申点に響く可能性もあるって話だ」
「……そうですか」
実際はそんなことを話している教員など則夫は知らない。
そもそも仲良く世間話をするような友人関係にある教員も少ない。
内申点がどうこうという話も今適当に考えた出任せだ。
「実際よく喧嘩してるんだろ? そもそも乾と合ってないんじゃないのか? お前達って人間性が真逆だし。無理に交際を続ける必要なんてないと思うぞ?」
「……ご忠告ありがとうございます。お話は以上でしょうか」
そっけない返答で話を終わらせようとする丞にカチンとくる則夫。
「おい袖上。俺はお前のためを思って言ってるんだぞ。お前なら一流大学に推薦文だって書いてもらえるかもしれない。それを女一人のために棒に振るなんてもったいないだろ」
「…………」
丞が表情を硬く曇らせ俯く。
彼の長い沈黙を見て、則夫は自分の言葉が丞に効いていると確信した。
則夫の言葉が図星だから、丞は何も反論できないのだ。
その理解が則夫をゾクゾクと昂らせる。
「いいか袖上。俺はお前の倍以上生きてる。つまり人生経験も倍だ。だからお前よりも何倍も正しいことを知ってる。お前はまだ子供だから、本当に大切なことが分かってないんだ」
「……」
「袖上、乾なんかとはすっぱり別れちまえ。それが結果的にお前達の幸せに繋がるんだ。今はとにかく勉強。そんでいい大学に行って、いい会社に就職する。そしたら、乾くらいの女なんて向こうからいくらでも寄ってくる。女と遊ぶのなんてそれからでも遅くないだろ。いいか袖上、もう一度言うぞ? 俺はお前のためを思って言ってるんだ。分かるな?」
無言で則夫の言葉を聞き続ける丞。その様子に、則夫はえも言われぬ興奮を覚えた。
以前から目障りだった若造に上から言葉を浴びせかける快感に酔いしれる。
生活指導員という立場も好都合に作用し、いかにも自分の言葉が立場上の真摯な気持ちから発せられたものだという体裁を取れるのも最高だった。
「だいたい乾だってお前……陰で何やってるか分かったもんじゃないぞ? ああいう見た目の女は他にも一人や二人、別の男を作ってるもんだ。いや、乾くらいの女ならもっといたって不思議じゃない。だろ?」
長年こびりついた日々の鬱積が、優越感や全能感という濁流に洗い流されるような感覚。
その快楽のままに、則夫の舌はどんどんと回っていった。
「ああいう女の相手は、同じようにチャラい男達がしてくれるさ。だからお前はそういう悪いものに惑わされずに真面目に勉強を、」
「黙れよ」
――シン、と放課後の廊下に静寂が流れる。
あれほど饒舌に回っていた則夫の舌がピタリと止まる。
そろりと丞の顔を確認すると、彼の顔には今まで見たこともないような冷たい表情が張り付いていた。
「……な、なんだと?」
「黙れって言ったんだ。それ以上俺の大切な人を侮辱するな」
別人のような丞の声。
明確な怒気と敵意を込めて発せられたその声音を聞いて、則夫はようやく理解した。
今まで丞は、則夫の言葉に図星を突かれたわけでも、納得していたわけでも、まして論破されていたわけでもない。
あくまで生徒と教師という立場を慮り、理不尽な暴論をじっと我慢していただけなのだと。
だがその我慢も、亜久里の人格を嘲笑されたことでついに限界を迎えた。
「きょ、教師に向かってなんだその口の利き方は!」
「教師だろうがなんだろうが、亜久里への暴言を撤回するまでは俺はあんたを敬う気はない」
「な、何が暴言だ! ああ!? ガキが偉そうな口をきくな! 俺はお前の倍以上生きてるって言っただろうが!」
「だからなんだ。それだけ長いこと生きてきて、勝手に増える年齢しか誇るものがないのか?」
「なっ!? き、貴様……!」
怒りと羞恥で則夫の顔が紅潮する。
「あんた、確か結婚してたよな。若い頃に別の道を選べば、今の奥さんよりもいい人と結婚できたのに、とか言われて、はいそうですねって言えるのか?」
「当たり前だ! 教師になんてならずに、どっかの……IT企業とか、商社とか、国家資格が必要な仕事にでも就いてれば、あんな俺を馬鹿にするようなデブよりずっといい女と……!」
そこまで言って則夫の言葉が止まる。
彼を見つめる丞の表情が、見る見る引きつっていくのが見えたからだ。
まるで汚物でも見るような視線に射抜かれて、則夫はたじろいだ。
「……自分で生涯の伴侶に選んで……二十年近く一緒に生きてきた相手に言うことがそれか。あんたはどんな道を選ぼうが、きっと一生誰かに責任転嫁して、一生誰かを妬んでるよ」
二回りも歳の離れた学生から向けられる、心の底からの軽蔑。
それは今まで出会った女性達が則夫に向けてきたどんな蔑みの念よりも、激しく彼のプライドを傷つけた。
「亜久里みたいな女は後でいくらでも寄ってくる? ――亜久里は一人しかいない。他の誰も代わりになんてなれないし、彼女と一緒にいられる『今日』は今日しかないんだ。だから俺は亜久里との『今日』を、これからもずっと積み重ねていく。――結婚っていうのは、そう思える相手とするものだとばかり思ってたが……あんたは違ったようだな」
「ぐっ……くっ……何を……生意気な……!」
「内申? 推薦? 知るか。下げたいならいくらでも下げろ。そんなものより俺は亜久里の方が大切だ。……失礼します」
言葉だけの挨拶で、丞は会釈もせずに踵を返してその場から離れていった。
先程まで向けられていた丞の敵意の視線が見えなくなって、そこでようやく則夫は勢いを取り戻した。
「こ、後悔するぞ! 生活指導員の俺にそんな口を叩いて! お前の素行、態度に問題ありと報告するからな!」
上ずった則夫の怒声にも丞は立ち止まらず、僅かも顔を向けることすらしなかった。
「逃げるのか! ああ!? 言い返せないんだろ。なら俺の勝ちだ! お前の内申点をズタボロにしてやる! 覚悟しておけ!」
虚しく廊下に木霊する勝利宣言。
誰にも称えられない勝利をせめてもの慰めに、則夫は大股歩きで廊下を進むと、手近な階段を下りてその場から消えた。
そうして人気の失せた放課後の廊下……その曲がり角の奥から、
「――うひ。……うへへへ……」
亡霊のような不気味な笑い声。
そこには、恍惚の表情を浮かべた貝田節子が、録画モードにしたスマホを構えていた。
「図書室に本を返しに行った帰りに……うひひ……いいもん撮れちゃったぁ……」
まさか丞と教師のレスバが見れるとは思っていなかった。
しかもただのレスバじゃない。亜久里のことを貶された丞の、本気の怒りが込められたレスバだ。
丞の凄まじい剣幕に一刀両断され、普段の威厳を木っ端みじんにされた則夫の無様な姿……ああいうのを見るのが節子にとって至福の時間だった。
「あっ……あの、よかったら……この、動画……いり、ます?」
節子はそこで、彼女の背後で同じく丞達のやり取りを見守っていた人物に声をかけた。
「――うん。もらおっかな」
それは、乾亜久里その人だった。
購買で飲み物を買った亜久里はそこで丞を待つこともできたが、どうせなら丞や則夫にも飲み物を買ってあげようと、コーヒーを追加で二つ買った。
それを渡そうと廊下を移動していると、なにやら見知った顔が一つ。
尾行中の探偵のように物陰に隠れながら移動していた節子に声をかけたところ、ちょうど則夫が亜久里の悪口を言い出したあたりだった。
「これ、脅迫……の、証拠、になる……と思、ます。これであいつ、脅し、たら……うひひっ……た、楽し、かも、です」
「別にそれはどうでもいいんだけど、でもその動画はちょうだい」
「……? 使わない、なら……要り、ます……? だって……」
今までも、節子が録画した動画を、記念に亜久里が欲しがるというのはあった。
だがそれはあくまで、丞と亜久里がレスバをしているときのもの。
それを二人の思い出としてコレクションするという話だったが、今回は則夫などというどうでもいい奴とのレスバだ。
亜久里が欲しがるような思い出になるとは思えないが……。
「ううん。いいの。だって……丞がうちのために本気で怒ってくれたの、嬉しいじゃん」
そうぽつりとこぼす亜久里の顔は、夕暮れの光を浴びてより一層赤く見えた。
「てか恥ずぅー! もう、丞うちのこと好きすぎ! 人前でうちのこと大切とか結婚とかマジ照れるっつーの!」
そんなの今更では? とつい漏れそうになる言葉を節子は呑みこんだ。
「先生、に……あんなに、ハッキリ、言うの……すごい、です。私……絶対、無理……」
「丞はああなんだよね。自分が正しいと思ったら、相手が誰だろうがお構いなしでレスバしちゃうの。――ああ、そういえば……」
窓から夕暮れを眺めながら、亜久里はかつての記憶に思いをはせる。
ちょうど一年前のこの時期。
まだ亜久里が丞と交際などしておらず、それどころか互いに嫌い合い、顔を合わせればレスバばかり繰り返していたような頃。
そんな二人の関係が急変する出来事があった。
そう、あのときも……丞は今みたいに、自分のことを庇ってくれたのだ。
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