第3話【ダルム視点】邪魔者は消えた

「ソフィアのやつ、あっさりと帰っていったよな。もっと抵抗してくるかと思ったんだけど」


 ソフィアと俺は幼馴染だ。

 当然この3人の中では誰よりもソフィアのことを知っている。

 あいつの性格だったら、納得のいくまで話をしてくると思っていて、かなり喰いついてくると思っていた。

 だからこそ、ダンジョンに入る直前で宣言し、それでも文句をいうようならばダンジョン内で力の差をわからせようと思っていたのだ。


「でも、これでようやく私たち姉妹だけでダルムを独占できるようになったのよね」


 マインが勝ち誇った表情で俺の右腕にしがみついてきた。

 すると、今度は妹のミーンが左腕にしがみついてくる。

 これぞハーレム天国だ!!


「ソフィアのおかげで私の魔力が大幅に上がったことだけは感謝しているけどね~。私がいればこんなダンジョンなんて簡単に攻略出来ちゃうんだから~」

「あぁ、これからのミーンの魔法に期待しているよ。マインもそろそろ手伝ってくれると助かるんだけど」

「え? ……えぇ。少しはね」


 マインは今まで俺が活躍していたから見ているだけでも問題なく突破できた。

 俺の実力は折り紙付きだ。

 なんてったって、今まで無傷で突破してきたのだから!


 これだったらソフィアの身体強化魔法がなくたって突破くらい容易だろう。

 だが、さすがに1人だけで戦っていたら無傷というわけにはいかなくなる。

 そこで、マインの力も借りて今度からは3人で挑もうというわけだ。


「あとは3人でも成果を出せれば俺の両親も納得してくれる。まずはこのダンジョンの奥にある指定された依頼の素材を取ってこよう」

「うんっうん~! 後衛は任せて~!」


 自信満々なミーンがいてくれて本当に助かる。

 ソフィアとは幼馴染として昔からの付き合いがあったし、女として見れない節があった。

 そんな女と結婚しても俺の身体は満足できない。

 悩んでいたところにマインとミーンが現れたんだ。


 最初はマインの剣技も俺以下だしミーンの魔力もソフィアと比べたら微々たるものだった。

 だが、マインは急に強くなったし、ミーンの魔力なんていつの間にか詠唱なしでも発動できる強力な魔術師になってしまったではないか。

 これだけの成長っぷりがあれば、俺の両親も納得させることができる。

 この2人となら一人前の冒険者としてやっていけると思ったし、念願の恋愛結婚ができるんだから何も問題はないはずだ。


 さて、栄光を掴むための第1歩としてダンジョンに入るか。

 なぁに、ここは三流冒険者が数人集まれば中層くらいまでは進めるエリアだ。

 依頼の素材は中層で手に入るが、俺たち3人なら中層どころか深層まで行ってみせるさ。

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