第24話 side Nico
今日1日、家のリビングのソファで何にもせず呆けていた。
朝の出来事が何百回と反芻していた。
碧生くんの体温、至近距離で見た肌感、やっぱりわたしのこと好きってこと!?とか、碧生くんのキス良かった♡なんて考えたり。
バカみたいにずーっと頭をグルグル。
もう明日からどうしたらいいのよ。
せっかく抑えてたのにわたしの中で好きが噴火しちゃったよ。
会いたい。
待っていてもしょうがない。今から会おうって連絡しよう。
もう仕事終わったころかな。
と思ってたら宇佐美と店長から「今から隣県のホテルで装花して」と連絡が入る。
もうすぐ夜の8時だけど。
でも仕事と言われたら行くしかない。
宇佐美がウチまで迎えにくると言ったが、仕事道具とかあるから職場まで車で行き合流した。
そして、宇佐美の車の中。
「あと30分くらいで着く。」
「うん。」
「ちょっとごめん、電話。」
といい、路肩に車を停めて外に出ていった。最新のこんないい車なのに今どきBluetoothでスマホを繋げてないのか。
22時か。碧生くんどうしてるかなぁ。今日のこと、どう思ってるんだろう。あんなイケメンだからよくあることだったりして。
メッセージ送りたいけど、キスしただけでなんて送っていいのか。
でもさ、実花ちゃんと付き合ってないと聞いて期待しちゃうじゃん。
否定したときにちょっとムキになってた感じもした。
握りしめたスマホで碧生くんとの写真を開いて眺める。
外で電話してた宇佐美が助手席の窓をコンコンと叩くから窓を開けると
「ごめん、キャンセルになった。」
「はぁ?いやいや、こんな夜中に移動してあと30分まで着くとこまできて「キャンセル」ってあり得なくない?」
休みのところ出てきて、碧生くんにも会えずイライラしてつい言葉をぶつけた。
今から帰ると12時くらいか。そこからシャワー浴びてって、寝ると1時すぎる。
朝のことを考えるとゲンナリして宇佐美に
「早く帰ろうよ。」と促すと、
「あのさ、ちょっと飯付き合ってくんない?夕飯食いっぱぐれた。」
早く帰りたいけど、今からまた2時間弱運転するだろうから仕方ない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます