07


今日も診療所は大盛況。

私も調合のお手伝いで大忙し。

お昼になる頃にはソファにぐでーんと転がるくらいに疲れていた。


「ローサ」


「んー?ごはんー?」


お師匠様が私を呼ぶ声で瞑っていた目を開ける。

上から覗き込んでくるお師匠様の表情は憂いに満ちていて色気があり、ドキンと心臓が揺れた。


「何がごはんだ、食い気かよ」


お師匠様の手がこちらへ伸びてきて何だろうと思っていると、すっとおでこに当てられる。


「熱っぽいな」


「うーん、お師匠様の手気持ちい〜」


すり寄ろうとしたらぺいっと跳ねられ、思わず舌打ちしそうになった。

まったく、冷たいんだからお師匠様は。


「昨日あんな格好で寝たからだろう」


「あんな格好?」


「あんな足元がスースーする寝間着はいけすかん」


「ネグリジェだよ。可愛かったでしょ」


「だから熱が出るんだ」


「む――」


そんな否定しなくたっていいじゃない。

それにあのネグリジェ、フリフリヒラヒラで可愛いと思うんだけどなぁ。


「今日はもういいから、部屋で休め」


「うーん、うぎゃっ」


ゴロンと寝返りを打つと思いのほか転がってしまいソファーから落っこちてしまった。

しかも可愛くない悲鳴を上げて。

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