第2話 ヤンデレは怖いよ

 教室に入ると、幼馴染のあかねが寄ってくる。勿論、幼女化したお姉ちゃんを問いただす為である。


「誰、その幼女は?」


 えーあー。


 わたしは困っていた、あかねはいわゆる、ヤンデレである。そう、お姉ちゃん以外の女子はダボハゼである。あかねもお姉ちゃんには敵わないのであった。


 うむ、ここは素直にお姉ちゃんが幼女化したと言う。


「は?からかっているの?ざっくし刺したろうか?」


 ひー怖い、あかねの見た目は可愛いいので、このヤンデレの性格が治れば……。


「あかねちゃん、慶太には手を出さない約束でしょ」

「この喋りかたは弥生お姉ちゃん?」

「そうよ」


 ポポポ!あかねは頬を赤らめる。なんだ?この反応はまるで運命の人に会ったような反応は?


「慶太ちゃんも可愛いけど、この弥生お姉ちゃんも好物です」


 完全にデレモードのあかねは三角形ポッキーゲームをしようと提案してくる。あかねはポッキーを取り出して二本くわえる。


「ささ、お二方、ポッキーを食べるのだ」


 あかねの機嫌を損ねると本当に刺されそうなので。渋々、ポッキーを食べ始める。


……。


 今、気づいたのだか、この三角形ポッキーゲームはお姉ちゃんとの距離も縮まる事になる。そう、お姉ちゃんの顔が直ぐ側にあるのだ。


 わたしは耐えられなくなりポッキーゲームから離脱する。


「えー慶太ちゃんが止めるなら、わたしも止めるわ」


 そう言うとお姉ちゃんもあかねの口から離れる。


「えええ、そんなにシスコンなのか?」


 あかねの問にわたしは『シスコンは大好物です』と言い切る。


「やれやれだ、飢餓の時代が来てもポッキーは分けてあげないよ」


 不機嫌そうにその場から立ち去るあかねであった。

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