入交与
正直、彼女に会う前は天才発明家なんてフィクションの中にしかいないもので、ある程度文明が発達した今、一人の天才が道を切り開くことはない。
浅はかな僕はそう思っていた。
入交与はフィクションの中から飛び出してきたと言わんばかりの、限りなくテンプレートに沿った天才発明家だ。
僕の元へ謎の発明品を届けては、ギャグマンガも凌ぐ混沌を生み出す。
僕の人権が失われるのは当たり前で、時には命すらも奪われる。僕がループ下で難なく自殺を試せたのは、与の発明品によって何度か事故死しているのが大きい。
しかも、理由は覚えていないのだが妙に懐かれていて、人類の存続を脅かすことは多々あれど、その中心には十中八九、僕がいる。
まさに天災である。
天才と天災は頻繁にかけられるが、僕は彼女以上にこの言葉遊びが似合う子はいないと思う。
さて、降旗先輩のときは邂逅の後、このような紹介を挟んだのに、どうして今回は邂逅前にしているのか。
それは嫌な予感がしているからだ。
災害は待ってくれない。
モノローグすらも、許さない。
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