喜び
数週間の時が経った。今日は採用試験の合格発表だ。
しゅんは緊張して一睡もできていなかった。そして合格発表まであと数分。
リビングに降りると母と妹までそわそわしている。父は仕事で家にいなかった。
「しゅん、おはよう。あと少しだね。。」
「おにぃおはよう。さては寝れてないな?」
すぐにばれてしまった。
「おはよう。寝れなかった・・。」
ため息をつきながら時間が経つのが遅く感じた。
そして合格発表の時間が来た。
家族一斉に携帯で自分のしゅんの受験番号を探している。
19864
「19859...19861...19863...19864...19864!!」
しゅんは珍しく叫んでしまった。自分の番号を見つけてほっとした。
その瞬間母と妹はガッツポーズしている。2人とも喜んでくれていた。
「しゅん!!おめでとう!!ほんとによかった!!今日の夜は何にしたい?なんでも言って!!」
「おにぃおめでとう!」
2人の満面な笑みで言ってくれた。
「ありがとう!!」
しゅんは照れ臭そうに微笑んだ。
ピコン
携帯が鳴った。
「しゅんおめでとう!ほんとによかったな。明日からまたゲーム三昧か?今度一緒に飯でも食ってパーっと打ち上げだ!!頑張ったな!!」
なつきからのメッセージに嬉しさがこみ上げた。
(さくらに連絡しよ!!)
「試験合格しました!!病院に行きたいんだけど体調は大丈夫?」
送信したすぐに既読がついた。
「おめでとう!!お母さん居るから厳しいかも、、
だけど会いたい。部屋は203です!!」
しゅんは急いで支度をした。
「母さん、少し出かけてくる!」
しゅんは会える喜びとさくらの母がいる不安を感じながら病院まで走った。
203の部屋の前につきゆっくりノックする。
「どうぞ。」
母の声だ。
「失礼します。」
「あなたがしゅん君だね。さくらから話は聞いてる。帰って。さくらはいま出てるの。あなたにはさくらを会すことができないの。」
冷たい目で見てくる母に対し、
「・・・僕は違います。さくらさんから話は聞きました。傷つけるようなことはしません。言葉では簡単に言えますが僕は行動で示したです。病気のことも教えてもらいました。それでも、僕はさくらさんに会いたい。」
さくらの母も驚いた顔でこちらを見てる。しかし、驚いているのは自分自身だ。あまりにも素直に自分に対し正直なことを言えた。
「さくらには会わせることはできないわ。あの子の体調を知っているでしょう?またいつ倒れるかわからないの」
「ならそうなったときは側にいます。絶対に。」
「・・・さくらはあなたに会いたいと言っていたわ。けど、どんな人かもわからなかったからごめんなさい。けど、さくらのことが心配で。あの子はあなたと過ごしてもらいたい。さくらもそれを望んでいたわ・・」
母は少し寂しそうな顔をして頷いた。
「ありがとうございます。」
「私は帰るわ。さくらも戻ってくるだろうからあとはお願いね。明日退院のはずだからしゅん君にも手伝ってもらおうかな」
そういうと母は部屋から出て行った。
数分後 ガチャ
「!!しゅんくん!来てたんだ!合格おめでとう!!
メッセージみて急いで帰ってきた!お母さんは?」
嬉しそうにするさくらを見て安心した。
「あとはお願いねって言って帰ったよ。」
「そーなんだ。。」
しばらくして無言が続いた。
「さくら、好きです。元気なところも前向きなところも、笑った顔も
全部好きです。付き合ってくれませんか」
まっすぐな目をしてさくらに思いを伝えた。
「私は病気持ってるし、いつまで生きれるかわからない。明日にでも死んじゃうかもしれないし、いつ歩けなくなるかもわからない。たくさん迷惑をかけちゃう」
「それでも、さくらがいい。迷惑なんて関係ない。それを支えていきたい。」
さくらは泣いていた。
「ありがとう。これからは彼女としてお願いします。」
さくらは泣いていたが関係なかった。嬉しさのあまりさくらに引っ付きそのまま
離したくないと思った。
「今日はゆっくり家で寝てほしいな。目の下が大変なことになってるよ?」
笑いながらさくらは布団に座った。
「そうだね・・また明日退院の手伝いをしにくるよ」
そういって部屋を出た。喜びから思わず顔が緩んでしまう。
家に帰るといい匂いがしてきた。
「おかえり!ご飯作ったから今日こそはみんなで食べるよ」
母は前食べれなかったのが悔しかったのだろう。申し訳ないことしたなと思いながら
目の前のご飯を食べて、部屋に入ると安心からまた眠りについてしまった。
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かなめです。
私も母の手料理はついつい食べ過ぎてしまいます・・・
私も最近は料理を練習してます!いつか、、作る相手食べてくれる人ができると信じ
ちなみに得意料理はチャーハンです。チャーハンを極めようと思ってます。
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