思い

しゅんは目が覚めたが机に座ることなく布団で動画を見ていた。

ゲームをしようとしたがなつきに預けてしまっている。しかし、バイトも休みを取ってしまった。やることがない。暇だ。勉強もしたくない。


(来年また頑張ろうかな・・また誰かに呆れられるだろうな・・もう、いいや)

などと思っていると、ふとさくらの言葉を思い出す。


呆れたりしませんよ?そもそも今年受かるかもしれないじゃないですか!頑張って挑戦する人のことそんなこと思いませんし、応援します!なので頑張ってきてほしいです!


しゅんはその言葉が支えになった。

よし、勉強しよう。

また会えるかもしれない。

もう一度頑張るってさくらにも言った以上頑張りたい。

もう1度でいいからさくらに会いたい。

採用試験に受かったら伝えよう

・・・・・・・・・・・・・さくらのことが好きだと・・・・・・・・・・・・・

そうして試験当日まではひたすらに勉強した。


さくらには連絡はしなかった。次の連絡はいい報告をしたい。

彼女に会って自分は変わったと自覚がある。初めて誰かのために頑張りたい、応援に本気で答えたいと思った。少し前向きに考えるようになった。さくらのやりたいことに全部付き合いたい。

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試験日が来た。しゅんは緊張したのか早く目が覚めたので朝歩き始めた。

少し肌寒いのを感じながら無意識にさくらと初めて話した場所に着いた。

(懐かしいな・・・)

さくらの泣いている姿、笑った顔、少し怒った顔、1回しか会ってないのに思い出してしまう。しゅんは拳に力を入れ今日の試験に気合を入れながら自宅に帰った。


「母さん、行ってきます」


「しゅん、頑張ってね。あなたなら大丈夫。あなたのことは心配してないわ。受かるって信じてるから。安心して気を付けていってらっしゃい。」


「ありがとう。」

安心する言葉がきて思わず微笑んだ。


ピコン

珍しく携帯が光った。

「しゅん、今日が試験だったよな。頑張れよ。ゲーム機来年もまた預かりたくはないからな!ちなみに俺はデート中です!!」

最後の言葉がいらないな、と思うが応援してくれる人がいる。それだけで頑張る理由になった。

しばらくして試験会場に着いた。不思議と緊張はしなった。

もう一度気合を入れ試験にむかうのであった。


試験が終わりすぐに携帯を開いた。しゅんは自分の目を疑った。


「試験お疲れ様です!!しゅん頑張れましたか?私は病気と闘ってようやく歩けるようになって少し回復しました。お母さんから話聞いたよ。ごめんね。私いま田村病院ってところにいるんだ。まだ入院はしないといけない。けど、まだ生きれるって言われたよ!!また連絡できるときお母さんにばれないようにこっそりとします(^▽^)/

てっきり私のこと忘れているかと思ってたけど、お母さんから話聞いたときは嬉しかったです!!まだ会えないけど、もう少ししたら、またわがまま付き合ってもらうからね!待っててね!!」


さくらからのメッセージに思わず涙が止まらなかった。

安心した。さくらとまた会える。自分の気持ちを正直に伝えれる。元気な声だった。

今すぐ会いたいけど、待つことにした。

そして、走って家に帰ると疲労たまっていた。

しゅんはゆっくりと眠りについた。




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かなめです。

さくらとの出会によってしゅんの気持ちを書くのが楽しかったです!!

私は主人公がつよくなるタイプの漫画や小説が好きで自分の主人公に

対する思いが強くなりました・・・

次回も楽しみな人がいたら嬉しいです。




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