第17話 これが男の夢というやつだろうか?
俺はこの後1週間程色々な検査を受けた。
その度に美女が面倒を見てくれるんだが、顔面偏差値高すぎる!
「岩ヶ谷様どうされましたか?」
目の前で俺に色々してくれているのは20代半ば程の看護師さん?だ。
さっきも触れたが、俺の近くには彼女のような女性が10人程いるようだ。
24時間常に誰かがいる。
それも全員美人ぞろいだ。
俺も男だ。色々見てしまう。
言える事は何故か全員俺好みのスタイルという事だ。
今までそんな機会もなかったが、好みぐらいはいいだろう?
何というか細身でスラっとした、脚は細いのがいい。
胸はでかすぎるのは駄目だ。小さ目ぐらいがちょうどいい。
だが何故だ?
俺はこうした好みを一度も口にした事はない。
なのに、だ。
目の前で仕事をしている女性達はどう見ても俺好みを揃えたとしか言いようが無い。
一応言っておく。国立スキル学校には様々なスキルホルダーが学んでいる。
そんなホルダー達には矢張り沢山の女性が付き従っているが、好みの差なのだろう、とあるスキルホルダーの少年、周囲にいるのは全員ふくよかな女性だったりする。
俺的には申し訳ないが生理的に受け付けないような・・・・そんな贅沢言ってんじゃねとか言われそうだが・・・・そんな女性達に囲まれて幸せそうな表情で接しているのを目撃したりする。
世の中色々な好みがあるのだと感じた。
それとは別に明らかに童顔、しかも身長が平均より遥かに低い女性達に囲まれご満悦の少年がいたりする。
「あれは問題ないのか?」
俺はたまたま本日担当の女性に聞いてみた事がある。
「そこは全く問題ありません。スキルホルダーのおそばで活動する女性は全員いつでも子を授かる事のできる年齢ですから。」
何か聞きたかった答えではないが、犯罪ではないのであればまあいいだろう。
尤もスキルホルダーは優遇措置が凄すぎて、ぶっちゃけ人を殺しても捕まらなかったりする。
そのなんだ、例えば男性のスキルホルダーが女性とそう言ったあれこれをしている時に、何かのきっかけで豹変、暴力を振るったり怪我をさせても女性が悪くなるんだそうな。
こうなると全く意味不明だ。
女性に暴力を、しかもあんな時にとか信じられないが、世の中特権階級になった途端に豹変する連中がいるからそう言うものなのだろう。
「でも僕はスキルホルダーではありませんよ。」
「そこは問題ありませんわ。私達は帯野様の要請でこうして奉仕させて頂いておりますから。」
「はあ、これも仕事なのですか?」
「仕事と言われると悲しくなりますが、中には仕事と割り切る女性もいますわ。私達にとってスキルホルダーというのは雲の上の存在。それに近づけるのですからこれぐらい・・・・あ、ごめんなさい、岩ヶ谷様に失礼でしたわね。」
こうして美人さんと話すなんて、それだけで幸せと言いたかったが堪えた。
まあこんな感じで1週間程過ぎ、この間ハンターとしての活動を一切していない俺。
その事実に驚いてしまう。
ハンターになってから休んだ日はない。
風邪で熱があろうと対応するカードさえあればあっという間に治るからな。
そして更に1週間、つまり2週間が経過した訳だが、どうした事かこの頃には俺の担当に当たっている女性の顔ぶれは決まっていたが・・・・妙にスキンシップ?が増えているんだよな。
一度そのうちの1人に聞いてみた。
「あ、その、別に迷惑というか嬉しいんですけれど、何だか最近スキンシップと言いますか、その・・・・」
「ああ、それですか?もしかしてご迷惑でした?」
「いえ、嬉しいのですが、こんな経験が無くて。」
「岩ヶ谷さんはハンターでしたね。今後は帯野さん付けの貴重な男性ハンターとなるようですし、皆さんそれぞれの思惑があってより親密になりたいのですよ。」
「はあ、その、皆さんって迷惑なんじゃないですか?俺どう見ても冴えない何処にでもいるハンターですし。」
「そうですね・・・・そこは否定しませんが、しかしもう状況は変わったのですわ。」
冴えないのは否定しないんだ。今更だが・・・・状況は変わったって何の事だ?
まあ少し嬉しかったりするから俺は状況に流された。
だがこの間に俺は帯野さんから借りた本をしっかりと読んだ。
そして全て書き写した。
因みに最初の写しは一旦竹嶌さんに渡してある。
俺は都合2回写す事になった。
どうした事か、そう言った指示があったんだ。もしかしてお願い、若しくは実験の一端なのだろうか。
まあ俺にとっても益になるからやるけれど。
そんな感じで1ヶ月が過ぎ、
「岩ヶ谷さん!やっと準備が整いました!さあ実験開始ですよ!」
帯野さんがやってきてそう告げにきた。
実験って結局何だろう。
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