第34話告白する私の思い ①(水希と紗理奈)

大分長いこと、重いというかシリアスといいますか、そんな流れが続いていたのですが、ここからいい方向に変化していきますので、作者の自己満足にお付き合い下さりありがとうございます!!


では、本編をどうぞ!


───────────────────


(紗理奈視点)


現在、私は水希ちゃんの家の前にいてインターホンを鳴らしていた。


私はどうして、ここに居るのか、どうしてインターホンを鳴らしたのか自分でもあまりよくわかっていない。


にぃにの部屋を勢いよく出てきたまでは、まあ仕方ないことだと割り切るんだけど、そこから、自分の部屋に戻ろうとした時にふと、頭の中ににぃにと水希ちゃんの悲しそうで、苦しそうな表情が浮かんだ。


そしたら、いてもたってもられなくなって、気づけば家の前に立っていた。


(はぁ……、いつから私は水希ちゃんとにぃにのことを応援しようと思ったんだろう。最初はあんな人、嫌いなはずだったのに……)


そんなことを考えていると、玄関扉がゆっくりと静かに開き、恐る恐るといった感じに中から水希ちゃんが顔をのぞかせた。


「あ、えっと…………、私今日はあまり体調が良くなくて…………。」


最初に口を開いたのは水希だった。

彼女の目はどこか赤くなって、頬には僅かに涙が流れていた痕が残る。


それを見た紗理奈は、先程まで考えていたことなどとうに忘れ、目の前の弱く震えている彼女に優しい表情を浮かべながら


「少しだけの間で構わないから、にぃに抜きで私と2人でお話してもいいかな?」


そう言うと、彼女の表情は恐れから困惑に変わったような感じだった。


「えっと…………、少しだけなら……」

この時、水希は丁重に断ろうと思っていた。

だが、紗理奈の日頃の雰囲気とは全く別のなにか揺るがない意志のようなものを感じた。


それが水希の心の中に僅かに残っていた誰かの助けを、誰かの救いを求める感情を無意識に刺激したのかもしれない。


「ありがとう。」


紗理奈もあまり、多くを言わなかった。

それが、たとえ偶然だとしてもその好機を逃してはならないと思ったからだ。



(水希ちゃんの部屋って、なんというか殺風景というか…………)


私は水希ちゃんの部屋に通してもらい、お茶などを準備すると、水希ちゃんはキッチンに向かった。


そんな中、私が水希ちゃんの部屋に入った時にまず思ったのがその感想だった。


本当に必要最低限のものしか部屋には置かれておらず、年頃の女の子の部屋とは到底思えないものだった。


そんなことを考えていると…………


「お待たせしました……」

お茶を持った水希がどこか気まずそうな雰囲気を纏いつつそう言って入る。


「体調が優れないのに……ごめんね……」


「…………いえ、少し安静にしていれば治ると思いますので……」


その後、2人ともぎこちない会話が続く。


それから30分ほど経った頃だろうか、最初に動いたのは紗理奈だった。


「あのね、水希ちゃん。」


紗理奈がそう言うと、水希はビクッと身体を震わして恐る恐る紗理奈の方を向き


「…………はい」


「そんなに怯えなくていいんだけどな……


まあ、それは今は別にいいよ。それより、昨日のお客さんの事だけど……」


「…………はい」


「私は、何も聞かないよ。



…………それでも、水希ちゃんが私に少しでも話してもいいと思った時が来たら、私は全部受け止めるから。」


「ーーー」


「ちょっ、水希ちゃん!?」


気がついた時には、水希は紗理奈の懐に飛び込み、必死に縋るように紗理奈にしがみつき、部屋内は必死に抑えようとして漏れてくる彼女の嗚咽が埋め尽くすのだった。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いかがでしたか?


作者はようやく、ここの展開を作れたことにちょっと一安心してしまいました。


ここからどのように水希の気持ちが変化していくのか、どうぞお楽しみにしてください!



続きが気になる!面白い!っと思ってくれた方はフォロー、応援、☆☆☆、コメントなどなどよろしくお願いします!




















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