第31話噛み合わない歯車(龍星と紗理奈)
更新遅くなってすみません!!!
今日からまた連載再開します!
1ヶ月間待っていてくださり本当にありがとうございます!!
では、本編どうぞ!!
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(龍星視点)
朝、カーテンの隙間からまるで昨日の出来事が嘘のように感じるほど暖かく優しい日差しが部屋をさす。
結局、あの後、水希を後を追うことなく俺と紗理奈は自宅に戻ったのだった……。
「……はぁ」
俺は、突然様子が変わった水希に何もしてやれなかったことに重たく、冷たい空気が背中にのしかかるように息を吐いた。
枕元に置いてある携帯を手に取り、来た連絡を確認する。
スマホに表示されたのは、海周と星奈からの状況を聞くものだけだった。
暗い気持ちのまま、いつものようにベッドから身体を起こし車椅子に移る。
幸いなことに今日は、大学が休みなので義足をつけることはせずにいた。
そうしていると、静かに部屋のドアが開いて紗理奈が顔を覗かせてくる。
その表情はどこか昨日よりも深刻そうな雰囲気をはらんでいた。
「…………にぃに、水希ちゃんから連絡あった?」
「……いや、こっちには何も。そっちはどうだった?」
「こっちも同じ。
やっぱり、昨日のお客さんが原因……だよね?」
「……おそらくな。口ぶりからして知り合いぽい感じだったけど。」
「ねぇ、にぃに、今日のお昼に一度水希ちゃんの家に行ってみない?」
「ーーー」
龍星は、紗理奈の言葉に返事をしない。
「にぃに、聞いてる?」
「あぁ。」
「なら、なんで何も言ってくれないの。」
「あれは、結局水希自身の問題だろ。
俺たちがそれにどうこうすることじゃない」
「…………なにそれ。自分の彼女があんなに苦しそうに、辛そうにしているのに何もしないなんて……そんなの…………ひどいよ」
紗理奈の目にはこぼれ落ちるほどの雫が溜められており、必死に唇が震えるのも耐えながら龍星に言い放つ。
「………………仕方ないだろ。
昨日の帰りでも、俺たちは何もできなかったんだから。」
「……もう知らないっ!!このわからず屋のバカにぃに!!」
紗理奈はそう叫ぶと勢いよく扉を開けて部屋の外へと出ていく。
それを見て、いつもなら他人事のように、まるでテレビ画面で見るような、自分とは無関係だと思って、興味もなくすのに、今回の紗理奈の発言は、何故かそんな冷たく冷えきる俺の心の真ん中に突き刺さるのだった。
「…………くそっ。」
俺は、静まり返った部屋でそう静かにつぶやく。
ーーーはじめてだ。こんなにも人に対して、心配する気持ちを持つのは。こんなに泣いて欲しくないと思うのは。
この感情は一体なんなんだよ……ーーー
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いかがでしたか?
ここからは少し短めのお話を続けつつ、水希の過去編をしていくつもりです!
最初にも言いましたが、本当に更新するのが遅くなってしまってすみません!!
仕事と他にやることをしていたら、中々時間が作れずで…………。
ここからはちゃんと更新していきますのでご安心を!
これからもよろしくお願いします!!
次回は、水希登場回です!
お楽しみに!!
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