これからの目標
第5話 突きつけられる現実と向き合う勇気
新作「超人気俳優が女子高校生を好きになるのはダメなことですか?」の方も始めました!
よろしくお願いします。
今回から再び、龍星視点に戻ります。
それと共に、今回の話は少し重い内容になりますので、ご注意ください。
では本編をどうぞ!
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俺は、命を救った女の子と付き合うことになった。
それから...
面会時間が終わり、家族と水希は帰っていった。
妹の紗理奈は、「私は泊まる!!」と暴れていたが、看護師さんと母に説得され、渋々病室をあとにした。
さっきまで賑やかだった病室を不気味なほどの静寂が埋めつくした。
俺は、体をベッドから起こし、自分の身体を確認して、
「………………やっぱりないんだよな。」
さっきまで、みんなと話している時はできるだけ考えまいとしていたが、1人になれば、どうしても考えてしまう。
もちろん、水希が助かったことに心底安心したこと、自分の腕と足を対価が安いと言ったことは嘘じゃない。
だけど.........
「…………もう、普通の生活は……できないん...だよな。」
ずっと我慢していた涙がここで溢れ出す。
1度流れた涙は自分の意思に関係なく、俺の視界を埋め尽くす。
「やっぱり......怖いよ。」
それは、目が覚めてから、心にずっと思っていた言葉だった。
「俺は...これからどうすればいいんだよ。腕も足もない。
俺は無駄に3年過ごしちまった。
みんなが、先に行っちまった...。
おれはどうすれば.......。」
そんな、絶望が薄暗い病室の中、俺を覆っていた。
そんな俺を一筋の光が照らすように、、
「心配しないで。」
とさっきまで聞いていた声が病室に響く。
そこには、
先程帰ったはずの水希が立っていた。
ーーーーーーーー
〜水希と龍星の家族が病院を出る頃〜
(水希視点)
私たちは、龍星さんの病室を出て、エントランスを出た直後の事だ。
由里子さんが、
「あれは、結構まずいかもね...。」
突然そう言った。
すると、それに続くように、健さんも
「俺もそう思うな。」
最初は何を意味しているのか、分からなかったが、紗理奈さんが、
「うん、やっぱりにぃに無理してた。
ずっとずっと何かを我慢するみたいに。」
そう言われて、ハッとした。
「私、ちょっと龍星さんの病室に行ってきます!!」
由里子さんと健さんはお互いに顔を合わせて、「私たちが行くよりもいいかもね。」
「では、頼むよ。何かあれば直ぐに言いに来なさい。俺達もここで待っているから。」
と言うと、紗理奈ちゃんもしぶしぶ
「私が行っても、にぃにに何もしてあげれない...から、今回だけはお願いするよ。」
それを聞き私は「分かりました!」と言い走り出した。
受付の看護師さんには渋い顔をされたが、事情を話すと、今回だけ特別ね、と言い通してもらうことが出来た。
病室に向かいながら......
はじめからおかしかったんだ。
普通なら、自分の現状を知らされて、何も思わないはずがない。なのに、彼はずっと冷静だった。いや、冷静に見えるように繕っていたんだ。ご家族に心配をかけないように...もしかしたら私に対しても......
そんなことを考えながら、彼の病室の目の前までやってきた。
扉を開けようとした時...
小さな声で、まるで、心の内を晒すかのように、、、
「ーーーーーーーーーーーーーー。...俺はどうすれば」
と、聞いていてもわかるほど涙声でそう言ってた。
それを聞き、私は目から涙が流れるのを必死に止めて……
扉を開けた。
「心配しないで。」
ーーーーーーーーー
(龍星視点)
「...どうして。」
俺は必死にさっきまで流していた涙を隠して...そう言う。
だが、彼女は何も言わず、俺のベッドに近づいてきて...
「ごめんね。でももう大丈夫。」
そう言いながら俺をいっぱいに広げた腕で包み込む。
俺はただ、嗚咽をころしながら目から溢れる涙を彼女の腕の中で感じるしかなかった。
「あなたの今思ってることを話してみて。
全部私は聞くから。」
「.........いや、でも...。」
「言ったでしょ?あなたがこれから背負うものを私にも背負わせてって。
あなたは私を救ってくれたんだよ?
今度は私にあなたを救わせて。」
「.........ありがとう。
俺は、ずっと怖かった。」
それから俺は今まで家族に言えなかった自分の抱えてきたものを水希に話し始めた。
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いかがでしたか?
今回は、龍星が抱えている気持ちをメインに書いてみました。
次回、彼が今まで抱えてきた恐怖が判明します!!
面白い!続きが気になる!と思ってくれた方は応援、フォロー、☆☆☆をくださると、作者の励みになるので、とてもありがたいです。
コメントも、、、、、いただけるのであれば
率直に思った感想を教えて下さるとこれからの執筆に役立つので、そちらの方もご協力よろしくお願いします!!
では次回をお楽しみに!!
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