第7話

プレゼンを一方的に終らせた僕は会議室を出た。


そこで、司頭委員長に引き止められる。




「待ちなさい」




「もう、話すことは、無いのですが」




「私には、あるんだ」




「何ですか?」




「別の部屋で話そう」




 そう言われて、僕は司頭委員長と共に、とある部屋に向かった。




 案内された部屋に入った。




「ここは?」




「過去アニメの倉庫だ」




確かに言われたようにそこには、アニメのタイトルが付けられたディスクが陳列されていた。にしては、多い気が。




! ?




「シュガーハイスクールっ! !」


それだけじゃない、自分が選出した二作も。


さらに、過去の選ばれなかったアニメがある。




「驚いた用だね」




「当たり前です!選ばれなかった作品もアニメ化されている。どうして?」




「何故放映しないのか?する気が無いからさ」




「では、何故アニメ化されているのですか?」




「これは委員用だよ」




「は?」




「私は興味が無い。というか見たくも無い。だがね、彼らは、ああは言っているが、アレが好きみたいだ。」




「貴方の言いなりになるように、洗脳したんですか?」




「ちょっと違うね。命令に従うが、感情は残している。彼らも自身の求めるものの為に、ここにいる。だからがここにいる事が嫌だと言うことはなかった。嫌だと言えば、組織を止めさせるだけだ」




「そんな事があっていいわけが無い! !」




「実はね。シュガーハイスクールの監督も操っていた」




「! ?」




「まさかあんな三問芝居で仲間になった気でいたとはね。物事はそんなに単純じゃないよ。いやはや、君のお人好し加減にはとても楽しませてもらった。楽しんだ後に悪いが、昔話を聞いてもらおう。昔は、異世界アニメというのが流行っていた。異世界転生して、何の因果関係もなく、強くなったり、モテ囃はやされる。そんなファンタジーが。もし、私がそんな時代にいたら地獄だっただろうね。先祖も同じ志しだった。出来映えを考えれば、もっと他のアニメがあるのに。それなのに、数字上の人気は、異世界アニメが上。こんな事があっていいわけが無い。そう思っても、行動で示さないと意味がない。そう、行動した結果今がある。私の家系は代々、人を命令に遵守出来る術を持った。命令と感情を同居させたり、させなかったりもできる。そしたら、後は簡単だ。あるべき、評価の再生に努めた。そこで、思ったんだ。命令と感情を同居した状態にしたくなった。すると奴らは、まるで地獄みたいな形相で拒みながら、操られている。清々したよ。やっと、物の価値をまとも見定められない者へ制裁が出来たのだから。しかし、ずっとそうする事も不都合だからその歴史は、抹消した。しかし、もっと制裁したいと私は思った。不等に考え無しに、荒唐無稽こうとうむけいな物を評価する罪が、一時の罰では収まらない。一時的なものではなく、持続的に。それで作られたのが、アニメ制作委員会。私個人としては、アニメ 制裁 委員会と呼んでいる。表向きは、選ばれたものが、アニメ制作に関わる。その実は、選ばれなかった過去のアニメを見るという特権得るためのもの。その資格を得るための機関。それで見るのが異世界アニメ。過去の名作を捨て置いてだ。確信があったよ。その無様な状況を見れるという。これを罰とした。長話に付き合ってくれてありがとう。それで本題の話は短めに行こう。君のプレゼンの件は、認める。ただし、特定の異世界アニメは除かれる。特定については、今までの話でわかるだろう。さぁ、これを認めるて欲しい」




「認められる訳無いじゃないですか! アニメは全て自由に放映されるべきです」




「そう言うと思ったよ。最初から期待はしていなかったよ」




「一年の任期でも、構いません。僕が変えてみせる。では、…っ! ?」


身動きが取れない。




「君も委員の一員ということを忘れないことだ」




「命…令」




「そうだよ」




「こんながあっていいわけが」


動けない。




「命令に背く意志がなければ、動けるよ」




「い…やだ」




「仕方ない。ただ従うようにしよう」











「あ、司頭委員長お疲れ様です。」




アニメ制裁委員の責務をまっとうしよう。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る