三、『終わる世界に続く世界』その3

「・・・・・・で、結局エアガン売っているお店に二人で行ったんだけど、喜んでいるのはアイツだけで、興味のないわたしは終始蚊帳の外だった訳で――」


 放課後。部活前の璃子に捕縛されて、来良は昨日のあらましを手短に伝えた。

「意外、ナイフは好きなのに銃は好きじゃないんだ」

 璃子は来良の左腕に視線を向ける。今週から夏服に切り替わり、長袖のブラウスにスカートという簡素な服装。以前から来良が真夏でも長袖を貫いていた事に疑問を感じていたが、それは左腕の剃り跡を隠す為だという事実を先日の一件から理解した。

「ナイフは色々な使い道があるけど、銃は殺す一択しかないからね。ときめかないんだよ、全然。一本で何でも出来る、という浪漫が足りないんだ」

「何、その男子中学生みたいな発想は」

 踏ん反り返る来良をげんなりとした表情で璃子は見やる。


「しかし一時はどうなるかと思ったけれど、何とか上手くやれそうね。アンタらお互い物騒だし、お似合いでしょ」

「何の話ですかい?」

「だってデートじゃん。行った所が裏スマホの店とエアガン売ってる店ってのがアレだけれど、トラブったり喧嘩せずに廻れたんだから初デートとしては上出来でしょ」

「は、初ゥ――――――ッ!?」

 璃子の不意打ちにより、〝デート〟という最後の言葉は虚空へ溶けた。

「・・・・・・その顔、全然気付かなかったみたいね」

「いや、アングラな店ってのに興味あったから着いて行っただけだし・・・・・・」

「それが照れ隠しじゃあない所が、アンタの駄目な所だわ」

 嘆息し髪を掻き毟ってから、まじまじと璃子は来良を見る。


「で、実際どうな訳よ? 今度こそ、好きになったんじゃあないの?」

「何でそうなる。そもそも、そこまでアイツと親しくなってないし」

「恋愛経験皆無なナードでギークの東風瑞 来良さんに言っておくけどね、親密度が規定値に達したら恋愛感情に至るというのは幻想です。動物的なんだよ、そういうのは。良い匂いがしたとか触ってみたいとか、下世話なモノなの。間違っても雨に濡れた子犬に傘を差した優しさなんかで、人は誰かを好きにならない訳」

「色々な人々の幻想を砕く発言、どうもありがとう」肩を竦めて来良は言った。「でもわたしは、違うから。そんなんじゃあないし」

 語りながら、来良は黙考する。気の迷いで柄野久 午兎に触れてみたいと思った事は黙っておこう。君子危うきに近寄らず、だ。


「確かに恋愛したいとは言ったけど、アイツは絶対やだ。あの漲るイケメンオーラが腹立つ。前にも言ったけど〝お前俺に惚れてるんだろ?〟みたいな自意識過剰な雰囲気が癪に障る程厭なの。なんか自分がチョロくなる気がするし」

「まったく、盲目ってのは恐ろしいモノだね」

 訥々とつとつと語る来良に、やれやれと璃子は嘆息した。

「いつの間にか、呼び方が〝柄野久君〟から〝アイツ〟に変わってるっていうのに」

「はアァァァァぁッ!?」

 来良は引きつった顔を斜めに傾けて絶叫する。

「お、そろそろ部活だ。じゃあね!」

 言うや素早く、沓掛 璃子は鞄を担いで廊下を滑るように去って行く。

「クソ、逃げられた・・・・・・」

 あの野郎、とんでもない爆弾を投下して去って行きやがった。テロだ、アレは。今度アイツに会った時、厭でも意識してしまうではないか。


「帰るか、わたしも」

 来良は嘆息すると、ガタリと椅子を鳴らして席を立つ。そのまま鞄を引っつかみ、教室を出る前に一つの席へ視線を向けた。

 柄野久 午兎の席。今日もまた、彼は淡々と授業を受けていた。いつもと変わらず、澄ました顔で。やはり彼にとって国語は難解なようで、教師に注意されながら辿々しく朗読していた。

 自分達は大人になれない、と彼は言った。だからそれがどういう事であるか、分からないと。今まで大人になる事は自動的だと思っていた来良にとって、その言葉は焼き印のように彼女の脳裏を焦がした。


 残り、数年。それだけの月日が経てば、法律上は大人の仲間入りをする。それが当たり前だと、思っていた。大人になれば車に乗れて選挙権が手に入り、気に入ったナイフを財布の許す限り購入する事が出来るのだと。

 けれども彼の言葉が、その自動的なシステムを阻害する。大人になるってどういう事なのだろうと、否が応でも思考させる。それはノイズでありスクラッチ、違和感という名のウィルスだ。普通に木訥と平々凡々レールを歩くプログラムが、青い画面で白くエラーを吐き出し動作を停める。

 大人になるってどういう事? そんな下らない問いウィルスで停止するほど自分の世界が陳腐であるという事実が、東風瑞 来良は溜まらなく厭であった。


「・・・・・・こんな事考えさせるなんて、やっぱりテロだ」

 呟き、教室を後にする。人気のない廊下は、何とも言えぬ凄味があった。階段が見えず延々と続いていくようで、それが彼女の思考へ影を落とす。

 来良は何気なく、取り出したスマートフォンを操作してLINEを呼び出した。ログに表示されているのは、柄野久 午兎との遣り取り。大体がスマートフォンの操作方法についての質問である。それぐらい検索ググれよと思いながら、彼女は律儀に操作方法を彼に教えていた。

 戯れに、〝今どこに居る?〟と打ち込んでみる。しかし午兎から返信は来ず、また既読にもならなかった。いつもならば、直ぐに既読になって律儀に返信してくるのに。

 こういう時は、つい下らない事を考えてしまう。

 自分が死んだらどうなるか、とか――


「――ねぇ、東風瑞さん、だったよね? 東風瑞 来良さん」

 やっと見えた階段の踊り場で、一人の女子生徒がわざとらしく声を掛けてきた。

「ちょっとさ、付き合ってくれないかな? 暇でしょ?」

 同学年だが、クラスが違うので名前は分からない。ファッションのつもりか、白いブラウスから黒い下着が透けて見えている。正直、かなりダサい。吊り上がった目は憤怒を押さえているようで、とても友好的な態度とは思えなかった。

「うん、良いよ。どうせ帰るところだったし」

 間違いなく碌な事にはならない。確信できる。これでも勘は鋭い方だ。普段なら適当に誤魔化してとっとと逃げるところだが、今日の彼女は様子が違った。あくまでも愚鈍を装い、女子生徒に促されるまま屋上まで着いていく。


「・・・・・・呼ばれた意味、分かる?」

 屋上に着いた途端、四人の女子生徒が待ち構えていた。彼女を合わせて総勢五人。やはり皆敵意を剥き出しに、値踏みをするような視線を来良へ向けていた。

「さあ・・・・・・分かんないな」

 完全に填められたね、これは。内心嘆息しながらも、全身が高揚していくのが自分でもよく分かる。

 血が滾る。こういう暗澹とした日は、絶好の暴力日和だ。


「アンタ、最近調子乗ってない? 沓掛 璃子にくっつく金魚のフンのくせに、柄野久 午兎と親しかったりして」

 糞とは下品な奴らめ。せめてレタスにくっついたナメクジにして欲しかった。

「親しくないよ、別に。向こうから話し掛けられただけだから」

「嘘吐くなよ、テメェ。日曜、アンタが一緒に居るところを見たんだよ」

 フェンスを蹴飛ばし、威嚇する。

「お前、陰キャでオタクのくせに舐めてんじゃねぇぞ」

「日曜にアキバで見掛けた奴がそれをいうのか」

「口答えすんじぇねぇよ、殺すぞ」

「ぶっ殺すぞ、テメェ」

「死にてぇのか、オラ」

 最早、誰が言っているのか分からない。どれもこれも見た事はあるが、話した事のない女子生徒達。しかも出会いがこのようにバイオレンスだと、いちいち覚える気にもならなかった。


「・・・・・・で、わたしにどうして欲しいの? わざわざ屋上まで呼び出してさ」

「はァッ!?」

 女子生徒の威嚇には、怒気の中に驚愕が含まれていた。取り敢えず屋上に呼び出して大多数で囲めば、怯えて土下座でも何でもすると思っていたのだろう。

 愚かな奴らめ、来良は内心ほくそ笑む。こちとらカツアゲも暴行も小学校の頃から慣れている。苛められていた年期が違うのだ。

「柄野久君と一緒に居たのは本当。でも別に付き合ったりしている訳じゃあないから、告白したかったらすればいいよ」

 動揺を隠そうと硬直する女子生徒達に対し、来良は語る。

「じゃあ、警告はしっかり受け取ったから。わたしはなるべく柄野久君に近付かない。まあ、同じ学校で同じクラスだから不可抗力はあるかもしれないけれど、能動的には彼と会わないよう努力する」

 言い終えると、来良は踵を返した。これ以上留まっていても、悪口の応酬になるだけだ。意味がない。暴力の伴わない喧嘩は、ただ精神を磨り減らすだけだから。


「待てよッ!」

 右足を踏み締めた途端、来良の身体が鞄と共に宙を舞う。ああ今わたし殴られたんだな、と気付いた瞬間背中と腹部に強烈な痛みが走り、続いて右頬が熱くなった。

 地面に数滴の血が滴り、衝撃を受けた奥歯がジンと痛む。

「何スカしてんだよ、殺すぞ」

 地面に伏した来良の頭上、長髪の女子生徒は殴った拳を開きポケットからカチカチと音を立ててカッターナイフを取り出した。

「もういいわ、マジで殺す」

「ちょ、それはヤバいって。脅すだけって言ったじゃん!」

「東風瑞さん、謝りなよ! この子、ブチ切れると訳分かんなくなってヤバいから!!」

 口々に〝ヤバい〟を連呼し、来良に謝罪を要求してくる女子生徒達。殴られた方が謝るとか、謝罪とは一体何だ。いや、それよりもカッターナイフって――


「いや、有り得ないでしょ」

 思わず失笑する。カッターナイフで脅すって、お前かなり馬鹿じゃあないか。あんなに刃を長く出して、バイトで培った自慢の段ボール梱包作業でも此所で披露してくれるというのだろうか。

「念の為に言っておくと、カッターナイフで襲ったりしたら傷害通り越して殺人だからね。一線越えるよ」

「だからどうしたっつんだよ? それでビビって、引いてくれるとでも思ってんのか? おめでてぇな」

「違うよ」

 切った唇から滲む血を拭い、来良は立ち上がる。


 今どんな貌しているんだろう、わたし。お前ら、そんなに怯えた貌でこっちを見るな。これでも一応、自分じゃ愛嬌のある貌だと思っているんだ。化け物見るみたいな目をされたら、流石のわたしでもヘコむじゃあないか。


「・・・・・・は、何言ってんの?」

「コイツ、マジで頭やべぇわ」

「ね、もう行こう? わたし、今日予備校だし」

「白けたわ、つまんね」

 口々に上擦った声で捲し立て、女子生徒達は足早に屋上を後にする。最後にカッターナイフを握った女子生徒だけが残されたが、無言で舌打ちするとやがて彼女らの後を追って消えていった。


「・・・・・・殴られ損じゃん、わたし」

 誰も居なくなった屋上で、来良は嘆息する。

「やっぱ、今日はツイていないのかもしれないな」

「――終わった?」

 鞄を掴んで来良も屋上を立ち去ろうとした瞬間、声が上から降ってきた。

「何で貴方が屋上に居るわけ? ひょっとして、わたしに気付いて着いて来ていた?」

「偶然だよ。静かだったから独りで屋上で本を読んでいたのに、騒がしい君達が来たんだ」

 昇降口の上で寝そべりながら、午兎はオレンジ色の本を掲げる。

「君が薦めたんだぜ、コレ。『モモ』だっけ。でもやっぱり、物語って分かんないな。活字を読んで想像しろって言うけれど、書いてある事を追うだけで精一杯だよ」

 薦めた本と、語る午兎の声。昨日の記憶が蘇る。僕は大人になれない――――午兎の言葉が、脳裏でリフレインした。


「ナイフ使えば一発だったのに、何で使わなかったの?」

「お前、わたしを停学にさせる気か」

 人の気も知らないで。そもそも、誰のせいでこうなったと思っていやがる。返信さえあったら、こんな事にはならなかったのに。来良は午兎を睨み付けると、フェンスに自分の身体を押し付けた。

「そういうつもりで言ったんじゃあないさ。何で抵抗しなかったのか、気になったんだよ。だって君、僕に平気で刃物向けたのに彼女らには拳の一つも振り上げなかったじゃあないか」

 言うと、欠伸を噛み殺し午兎は固まった身体を解しながら立ち上がる。その仕草に、来良は猫を連想した。


「やっぱり、停学とか警察が怖い?」

「違う。確かに、初めからナイフは使う気なかった。けれども最初はさ、喧嘩する気だったんだよね。ちょっとムシャクシャしていて、それの発散の為に暴力をって」

 フェンスは古く、体重を掛けると緑色の塗料がポロポロと崩れ落ちる。

「でもさ、あのカッターナイフを見て思っちゃったんだよ。馬鹿じゃあないかって、で人を殺すって本気で言っていて阿呆らしくなった。それで、急に萎えたんだよね」

 こちらを見下ろす午兎を見上げながら、来良は言葉を続けた。


「重なったんだよ、あの子とわたしが。貴方に飛び掛かった時、わたしは確かに大真面目に貴方を殺そうとした。でも貴方はそれをせせら嗤った。その時は腹が立ったけれど、あの子と重なった今なら分かる。あんなモノなんかで、人を殺せるわけないんだよね。所詮、玩具みたいなモノなんだから」

 来良が右手で顔を覆うとフェンスがギシギシ音を立て、粉を撒き散らす。

「結局、子供なんだよ。わたしも、あの子達も。玩具振り回してイキがってさ。一応、後数年で大人になるけれど、多分その時もまだ子供なんだと思う」

 午兎は来良の言葉を黙って聞いていた。茶化す事もなく、ただ淡々と。彼の細い髪が風に靡き、夕陽を帯びて淡く光る。


「貴方は大人になるって分かんないって言ったけれど、実はわたしもよく分からないんだ。それどころか、子供のままで居たいとさえ思う事もある。貴方と違って大人になれるのに、変な話だよね」

 来良は自嘲気味に笑った。

「ひょっとしたら、大人になるって案外自動的なものじゃあないのかもしれない。時間とか、経験とか、人それぞれ。下手をすると死ぬまで大人になれない人だって居るかも。だからさ、初めから大人になれないなんて思わないで、自分なりに大人になる方法を考えるのもアリなんじゃあないかなって――」

「大人になる方法を考える・・・・・・?」

「そ。成長するのは、子供の特権だから。そうして大人になっていくんだ。まあ、未来の事情を詳しく知らないわたしが言ったところで、何言っているんだって話なんだけれど・・・・・・」

 来良の声のトーンが、自己嫌悪にひずんで次第に下がっていく。


 何を言っているんだ、わたしは。

 幾ら何でも、痛すぎるんじゃあないだろうか。

 けれども何故か、どうしても今ここで柄野久 午兎へ言わなければいけないような気がした。自信満々のカッターナイフを見て、自分の幼さを再確認した今だからこそ、彼に伝えなければならない衝動に駆られた。


「成長って、この本を読む事も含まれるのかい?」

「え・・・・・・」

 予想外の回答であった。しかし、改めて考えるとそれも成長である。物語を知らなかった少年が物語を知るのだから、間違いなく成長であった。

「うん、そう。出来なかった事が出来るようになるのも、成長だからね。合ってるよ」

「成る程な。つまり、出来なかった事や理解出来なかった事、それが可能になる事を成長というわけか。大人になるって、僕が思ったよりも簡単なのかもしれない」

 しげしげと本を眺め、午兎は言う。

「君が言った通りなら、僕らは滅びが訪れる前に大人になれるかもしれない。もっとも僕には分からない事が多過ぎるから、どうなるかは分からないけれどね」

 けどまあ、と午兎は自分の髪を掻き上げた。


「この本をきちんと読めるようには、なりたいな」

「あ――――」

 夕陽に照らされ、柄野久 午兎の姿が白む。儚く今にも消えてしまいそうで、追い掛けるように来良は口を動かす。しかし言葉よりも先に、頬にズキリという痛みが走った。

「痛むの?」

「・・・・・・他はそんなでもないけど、顔がね。殴られた時に口の中切っちゃったみたい。参ったな、当分頬は腫れたままだし口内炎になりそう。一週間は痛いんだよね、アレ」

「じゃあ、これ使いなよ」

 昇降口から飛び降りると、午兎は懐から白いカードを取り出して来良へ差し出す。

「湿布? 絆創膏?」

「どっちも外れ。騙されたと思って、頬に貼ってみな」

 言われたとおり、来良は頬に白いカードを貼る。思ったよりも薄く滑らかな感触。粘着面もないのに頬にピタリと吸い付き、赤くなった頬から痛みと腫れが嘘のように引いていった。


「え、何これ魔法!?」

「医療用ナノパッチ。カードの塗面にナノマシンが封入してあってね、それが体内の治癒能力を強制的に引き出すんだよ――――って、何で君、僕の顔を凝視しているんだ?」

 顔を近づけてまじまじと自分を見つめる来良に対し、午兎は気圧されながら問う。

「いや、なんていうかナノマシンとか本当に未来チックなガジェットが出てきたから、本当に未来人なんだなーって・・・・・・」

「君、本当に疑い深いよな・・・・・・トーチだって見ただろうに」

 午兎は肩を竦めるとポケットからトーチを取り出し、ペンを廻すように指で弾いた。


「ところでこれ、副作用とかないの? 貼った後に言うもアレだけれど」

 カードの貼られた頬をなぞりながら、来良は午兎に尋ねる。

「ナノマシンにはアレルギーがあるけれど、一回貼ったぐらいじゃ平気だよ。殺菌作用もあるから、今日一日貼っていれば口内炎の心配もないだろう」

「口内炎のない未来・・・・・・良いな、本当に良いな・・・・・・」

「その代わり、滅び掛けているけれどね」

 恍惚とした表情で未来へ思いを馳せる来良に対し、肩を竦めて午兎は苦笑した。


「――僕は、良かったと思うよ」

「何が?」

「君が喧嘩に乗っかって、彼女達に暴力を振るわなかった事さ」

「どういう意味さ?」

 怪訝な貌を浮かべる来良に対し、午兎は己の顔を近づける。

「君はとても良い匂いがするけれど、怒った時はそれがしないから」



 ――動物的なんだよ、そういうのは。



「は――――――」

 来良の中でふつふつと様々な感情が沸き上がり、紡がれた言葉は泡沫のように割れて消えていく。呼吸の仕方を忘れたのか、脳に酸素が行き渡らず顔と耳が熱を帯びた。


 畜生、卑怯者。これもテロだ。奴は極悪非道のテロリストだ。

 今日はやはり、ツイていない。

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