第17話 物部日陰編 下
二階から葵さんの泣き声が聞こえてくる。
僕は慌てて二階に上がった。そこで見たのは、葵さんが日陰さんに抱きついて泣いている姿だった。
どゆこと?仲直りできたようではあるけど、状況がいまいちのみ込めない。
「そこの朱神さん、葵さんを落ち着かせてほしいっス!」
言われた通り、葵さんに駆け寄り抱き寄せる。
効果はあったようで、葵さんは少しずつ落ち着きを取り戻した。
「日陰ちゃん……また学校に来てくれる?」
葵さんが来た時と同じ事を再び尋ねた。
「また泣かれたらアレだし、とりあえず試してはみる、とだけ言っておくっス。結果としてまた不登校になっても恨みっこなしっスよ……」
渋々といった様子で日陰さんは答えた。
それから数日後、
「我がボードゲーム部に新たに部員を連れてきたという話は本当か?朱神コウ」
御影さんが僕に尋ねる。
「はい。葵さんの友達で、少し前まで不登校だったからあまり怖がらせないようにおねがいしますよ」
僕はそう言って新しい入部希望者を部室に招き入れる。
「物部日陰。趣味はスパロボとガ○プラっス。よろしくおねがいしますっス」
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