第3話 why!?why!?why!?
あ……ありのまま今起こった事を話すよ……
面識すらない女子からいきなり告白された……
何これ?罰ゲーム??意味がわからない。
「えっ……と、何かの罰ゲームですか?」
混乱した僕は思った事をそのまま言ってしまったらしい。しかしそれがまずかったようだ。
泣きそうな表情になる村雨さん。そしてクラスメイトから猛烈な非難を受ける僕。どうやら僕は対応を間違えたようだ。
「ごめんなさいマジで心当たりありません……」
僕は全力で頭を下げて謝る。もしかしたら土下座も必要になるかもしれない。
「本当に覚えてないんですか?」
村雨さんが僕にそう尋ねる。覚えてないも何も初対面のはずだけど……
クラスメイトの殺気を背中に感じる……主に男子。
その時僕にできるのは頭を下げ続ける事だけだった。
その後、ホームルームが始まりひとまずその場は収まったが、休み時間に僕はクラスメイトに詰め寄られた。
「朱神!!どういう事だテメェ!」
屈強な体育会系男子達が僕の周りを取囲み、その後ろでは女子が睨みをきかせていた。
まさに四面楚歌、修羅場だ。
コナァバナナッ!!(訳 これは罠だ!!)
昔流行った動画サイトのMADのネタが頭をよぎる。本当にその通り、これは何かの間違いだ。
「そんな事言われても僕にもわからないんだよ……」
弁解する僕の声も自然と弱々しくなる。だって自分でも理解が追いついていないのだから。そもそも面識あったっけ?
「村雨さんもどうして朱神が好きなの?こんなに煮え切らないのに」
僕を遠巻きに見ていた女子の一人が心底不思議そうに尋ねた。
「コウ君を好きな理由ですか?コウ君は小学生の頃、いじめられていた私を助けてくれました」
村雨さんはとても愛おしそうな表情で当時の事を詳細に語る。
クラスメイト達から殺気が消えた。
「なんだ……そういう事なら仕方ないな」
「朱神も意外とかっこいいところあるじゃん」
クラスメイトはそれで納得したようだ。
多少、というかかなり美化されていたが確かにそれは僕も覚えている。だけど同時にそれは僕にとって、最大のトラウマだった。
そうか、君はあの時の女の子だったのか……
身体が震えだし、忌まわしい記憶がフラッシュバックする。気付けば僕は床に這いつくばり嘔吐していた。そこから先は覚えていない。
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