第717話 かりんちゃんは今日も部屋の中 その1
【登場人物】
種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
横須賀らむね DStars4期生 アメリカンネイビーガール
東山ごりら DStars4期生 幸薄そうな清楚少女
高円寺ラム DStars4期生 悪くない陽キャ
鳥羽レーヌ DStars4期生 お姫様系VTuber
【シチュエーション】
視点変わってかりんちゃん。
ばにらとのコラボ配信から逃走して一晩が明けた。
少し落ち着いた彼女は、何を思うのか……!
◇ ◇ ◇ ◇
かりん「ばにらちゃんに嫌われちゃった」
「もう無理、生きていけない……!」
【ばにらグッズに囲まれた部屋&ばにらのぬいぐるみを抱きながら】
かりん「あぁあぁあぁ……ッ! なんであそこで逃げちゃうかな!」
「切断癖はすぐに直せって、Bちゃんや社長からも言われたのに!」
「かりんのばかばかばか……!」
「こんなの絶対にばにらちゃん、怒ってるよぉ……!」
スマホ「ピロン♪」
かりん「ひぅッ! だ、誰からだろ!」
「まさかBちゃん⁉ 昨日の配信、見られてた⁉」
「かりんまさか、DStarsクビになっちゃうの⁉」
「まだデビューもしてないのに⁉」
ごりら『かりんちゃん、昨日の配信見てたよ』
『逃げちゃった件だけど、気にしちゃダメだよ』
『ちょっといろいろあって、ばにら先輩とお話したけど』
『怒ってなかったから。むしろ心配してる感じだったから』
かりん「ごりら……! なんだこいつ、マジで天使か!」
スマホ「ピロン♪」
かりん「あ、またメッセージが……!」
ラ ム『かりんちゃん、大丈夫だった?』
『実はラムね、たたたたたさんと友達で』
『あの配信も、昨日横で見てたんだけれど』
『かりんちゃん、最後テンパってたから』
『ちょっと心配してるカナ』
『よかったら、あとで通話しようよ』
『ラムでよければなんでも話して!』
かりん「ラム、めっちゃいい奴やん」
「うぅっ、他の同期はみんないい人ばっかりなのに……」
「なのにかりんはダメダメの陰キャで……」
「なんでVTuberなんかに、なろうと思ったんだろう……」
スマホ「ピロン♪」
らむね『おうおうおうおう! やっちまったなぁ、かりんよぉ~!』
『先輩相手に恐れを知らぬ回線切断! アメリカじゃ切腹もんだね!』
『ゲーマーとしていっちゃんやっちゃいけねー奴だろうが!』
『中途半端な気持ちでVTuberやってんじゃねえぞ!』
『F○CK!』
かりん「らむね……!」
「シンプル口悪ぃ……! 怖ぃ……!(ぷるぷる)」
スマホ『プルルル♪』
かりん「うぇっ⁉ で、電話⁉ しかも、このアドレスって……⁉」
レーヌ「んなぁ~~~~~~(寝起き)」
「もしもしぃ~、かりんちゃ~?」
「おきてゆぅ~~~~?」
かりん「レーヌ! どうしたの、急に連絡してきて!」
「ていうか、こんな時間に起きられたんだ!」
レーヌ「おきれゆよぉ……ふぁあぁ」
かりん(めっちゃ眠そう)
(顔合わせした時に、めっちゃ夜型って言ってたのに)
(もしかして、かりんのことを心配して、無理に起きてくれたの?)
レーヌ「それよりぃ~! 聞いてよ、かりんちゃあ~!」
「しのしのせんぱいがひどいのらねぇ~!」
「なんかデビュー即コラボとか、無茶言ってくるのらよぉ~!」
「レーヌにはレーヌのペースがあるのにぃ~~~~!」
かりん「あ、うん、なんだ愚痴か……」
レーヌ「かりんちゃもレーヌと同じで」
「Bちゃんから怒られてたのらよ」
「それで愚痴るなら『かりんちゃしかいねえ~!』って」
「電話したのらねぇ~~~~~!」
「レーヌたちにもレーヌたちの、スタイルがあるんだから」
「あんまりうるさくあれこれ言わないで欲しいのらよ~!」
かりん「スタイルって」
「まだ、ウチらデビューしてないじゃんw」
「けどそうだよね。自分のペースでやらして欲しいよね」
レーヌ「でしょ~~~~!」
「DStarsってば勝手すぎるのらよ~~~~!」
「こんなだって知ってたら、レーヌ入らなかったのら~~~~!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同期のピンチに示し合わせたわけでもなく勝手に集まる四期生たち。
あったけえ奴らだ……。
それぞれがそれぞれに自分の判断で動いているのが、他の期生にはない自立心というか個性を感じさせますね。コンセプトがなくてもいいんだ。バラバラでも心は繋がっているという、そういう感じの娘たちなのでした。
とはいえらむねちゃん。
その煽りは陰キャには効くぞ?
ちょっとトラブルメイカーの香りがしますネェ……!
そして、それは同じくレーヌちゃんも……!
次回、同じ注意組として、愚痴りに愚痴るレーヌとかりんちゃん。オーディションを受けてDStarsになったはずなのに、念願叶ってその場所にいるはずなのに、どうしてそんな風に不満を口にするのか。それは贅沢というやつではないのか。いや、望んでたどり着いた場所だからこそ、思うところがあるのかもしれない。二人の本音が気になる方は――ぜひぜひ評価・応援・コメントよろしくお願いいたします。m(__)m
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