第690話 先輩なんですけ~ど~! その4

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber

津軽りんご  DStars特待生 きまぐれ僕っ娘

羽曳野あひる DStars2期生 雑談配信が得意

石清水しのぎ DStars3期生 おっぱい侍太郎

高円寺ラム  DStars4期生 悪くない陽キャ

たたたたた  ばにらのリスナー らいおんらーめんの店員


【シチュエーション】

かりんちゃんとの突発コラボ終了。

あひる先輩の胸を借りて、今後の教育方針について語るのだが……。


◇ ◇ ◇ ◇



ずんだ『とにかく! ばにらはかりんちゃんのことを』


   『どうこう言う資格はない……!』


   『それだけは間違いない、ということでいいわね?』


全 員「異議なし!!!!」


ばにら「なしじゃねえバニなんですよ!」


   「あんなのと一緒にされたくないバニ!」


   「ばに~らだってもうちょっと! ほんのちょっと!」



   「……いや、たしかに言えるほどじゃないや」



全 員「でしょ~?」



ずんだ『だから社長とBちゃんも、アンタにあの娘を任せたの』


   『そういうところを、もうちょっとちゃんと理解しなさい』


ばにら「はいッ!!!!(返事だけはいい)」



   「けど、そうは言われても、どうやって心を開かせたらいいのか」


   「なんか慕ってくれてるのは間違いないんですけど」


   「妙な距離感があるんですよね……?」


あひる「わかるわ~! それ、絶妙にわかるわ~!」



全 員「わかるのか⁉ あひる・ド・ダック⁉」



あひる「舐めてんのか!!!!」


   「まあ、あれよ」


   「偉大すぎる先輩を相手に尻込みしてるというか」


   「距離が近すぎて逆にどうしていいか分からないみたいな」


   「好きすぎて好きすぎて動けないみたいな」



全 員「ぜんぜんわかってないじゃないか!!!!」



あひる「なんでだよ! そういうことだろ!」


ずんだ『まぁ、つまり、あひるちゃんの話を総合すると』


   『ばにらのことが好きすぎて、好き避けしてる……ってことね?』


ばにら「避けなくてもいいのにバニ」


   「ばに~らはいつだって受け入れる体勢できてるバニよ」


   「ぴょいと飛び込んできてくれれば、捕まえてみせるバニ」


ずんだ『いや、好き避けはそんな簡単なものじゃないわよ、ばにら』


ばにら「ずんさん⁉」


ずんだ『好きだからこそ、ファンだからこそ、大切にしたい』


   『踏み込むことができない領域がある』


   『気軽に自分なんかが声をかけちゃいけない』


   『こっちから親しげに接しちゃダメだ』


   『そうやって、一線を引いちゃう部分が人間にはあるの』


ばにら「…………ずんさん」


   「やけに解像度の高い意見が出てきましたけど」


   「なにか心当たりでもあるバニか?」



全 員(自分のことを言っているんだろうなぁ、この氷の女王)



ずんだ「えぇ、身近にそういう先輩がいるからね」


   「よくその気持ちは分かるのよ……!」



   「ほんと、もっと素直になればいいのに!(たるとちゃんのこと)」



全 員(なんで自分のことなのに、他人事みたいに言うんだ?)


   (そういうところだぞ、氷の女王)



あひる「そうそう好き避け! それが言いたかったんよ!」


   「好きだから近づけない! そういうのが世の中にはあんの!」


   「そういう繊細な感情を、ばにらはもっとよく理解しろ!」


ばにら「そんなこと言われてもなぁ……」


あひる「ちなみに……ずんだはばにらとどうやって仲良くなったの?」



   「最初の頃は絶妙にツンツンしてたじゃんか?」


   「なのに今はデレッデレだろ?」


   「どういう心境の変化があったのさ?」



たたた(こ、このあひる! 大胆すぎる!)


しのぎ(躊躇がない! 流石はあひるちゃん!)


ラ ム(ぺえ! ぺえぺえぺえ! ぺえッ!(困惑))



ずんだ「どういう心境の変化って……」



   「私とばにらは、最初からこんな感じだったわよ?(まがお)」


   「ねぇ、そうよねばにら?(まがお)」



ばにら「そうバニですね?(まがお)」


   「ずんさんとばに~らは、前世からこうだったというか(まがお)」


   「ぶっちゃけ質問の意図がわからないというか(まがお)」



全 員「そんなわけねーだろ!」


   「最初の頃、めっちゃよそよそしかったじゃねーか!」


   「なになかったことのようにしてるんだ!」



   「ずんばにてえてえいい加減にしろ!」



ずんだ「本当なのにねぇ?」


ばにら「みんないったい、なんで怒ってるんでしょう」


   「よくわかんないですね、ずんさん?」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



記憶が存在しないことにされておる……!!!!

初期のばにらとずんだの、よそよそしさとかしっくりこなさとか、そういうのがないなったことになっとる……!!!!

お前ら、探り探り百合っていったから、今のてえてえがあるんだろうが……!!!!


もうちょっと百合の文化を大事にせんかい!

僕が何年、この小説(今はセリフ系)を続けてると思っているんだ!


まぁけど、記憶をねつ造するくらいの方が、百合としては濃くていいですよね。(急な掌返し) そして、そんな感じじゃ頼りにならない、参考にならないずんさん&ばにらなのであった。どうしようこの二人重傷だ――と、あらためて思った方は、ぜひぜひ評価・フォロー・応援などよろしくお願いいたします。m(__)m

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