第666話 闘将 その5

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber


ばにらママ  川崎ばにらの母 謎多き古のテキストサイトの者

Mr.天狗  川崎ばにらの母の友人 天狗の能面を被っている

不動産屋   ずんだが紹介してくれた不動産屋さん



【シチュエーション】

ばにら、引っ越し中。

紆余曲折あるも、引っ越し完了。



◇ ◇ ◇ ◇



引 越「それでは、これで家具の運び入れは完了しました」


   「最後に大型家電の通電確認をお願いします」


   「何かございましたらすぐに弊社のサービスセンターにご連絡を!」



   「ありがとうございました!!!!」



バイト「「「ありがとうございました!!!!」」」



ばにら「こ、こちらこそ、ありがとうバニですよ……(陰キャ発動)」



ばに母「あらあら、ばにらちゃんてばw」


   「引越業者相手にまで陰キャ発動することないじゃないw」



   「さてはそれが嫌で、引越を渋ってたのねぇ~?w」



天 狗「引越あるあるだな! 天狗はなんでもお見通しだ!」


不動産「はい、これで引越の作業は完了ですね」


   「ガス、電気の引き込みは終わっておりますから」


   「今日から生活できますよ」


ばにら「ありがとうございますバニ」


不動産「あとは通信業者ですが……」


   「ご自分でご契約先を探すとのことでしたが、大丈夫ですか?」


   「うちの馴染みの業者であれば、ご紹介できますけれど?」


ばにら「そこはばにーらも配信者としてこだわりたいバニ!」


   「自分で『これが一番!』っていう、文句のない業者を」


   「探してやるバニよ!」



   「ここまでお世話になったのに」


   「回線の不調を不動産屋さんのせいには、できないバニだし!」



ばに母「ばにらちゃん、人を気遣えるようになったのね……!w」


天 狗「よがっだ! よがっだよ゛ぉ゛ぉ゛!」


ばにら「なんでお前らが泣いてるバニか! とくに天狗! 他人だろ!」


不動産「……承知しました」


   「では、あとはもうばにらさまにお任せするということで」


   「けれどもこれもなにかのご縁です」


   「お困りのことがあったら、どうか気軽にご相談くださいね」


ばにら「はい!(いい返事)」


天 狗「天狗も! 第二のばにらちゃんの父として、相談待ってるぞ!」


ばにら「オメーはとっとと高尾さんに帰れ!(ブチギレ)」



【母、天狗、不動産屋帰宅……】



ばにら(はぁ、やっと一人になれたバニよ)


   (お母さんくらい、家に泊めてあげればよかったバニな)


   (しかし、最近の引越業者さんはすごいバニな)


   (引っ越してすぐ、住めるようにしてくれるバニなんだから)


T V「宅配サービスは『食べたイーツ』で決まり!」


ばにら「あ……そういえば、お昼からなにも食べてないや」


   「引越した日の最初のごはんくらい、ちょっといいもの食べようかな」


   「なんかこの辺りで、美味しそうなお店で宅配してるところ」



スマホ『名代らいおんらーめん』



ばにら「らーめん屋か~! おっ、出前もやってる!」


   「ここしかないやろ!」


???「は~い! こちららいおんらーめんです!」


   「ご予約ですか? 出前ですか?」


ばにら「出前です! 住所はえっと……(引越書類確認中)」


???「はーいかしこまりました!」


   「今から調理しますので、お時間三十分ほどお待ちくださいね」



ばにら「はいバニ!」



???「バニ?」



ばにら(しまった! つい、お母さんたちと話してた癖で!)



???「ははぁ~ん? お客さん、さては川崎ばにらのファンだなテメー?」


ばにら「あ、あははは! そうそう、そうバニなんですよ!」


   「ばにらちゃんの配信にハマっちゃって、つい口癖が!」


???「あれ? なんか声もちょっと似てません?」


ばにら「声真似もしていて……ご、ごほごほ」


   「あれ、声の調子が……!」


???「それなら安心してくだせえ」


   「うちのらーめんは喉に優しいあっさり醤油味仕立て!」


   「家系や二郎系と違って、スープまで飲み干せやすぜ!」



ばにら「いや、差別化するところそこバニですか⁉」


   「もっとちゃうとこあるやろ⁉」


???「あはははw ツッコミまでばにらちゃんそっくりだw」


   「アタシもファンでよく見てるんですよ」


ばにら「そ、そうバニなんですね」


???「同じばにらファンと聞いちゃこうしちゃいられねえ」



   「とーちゃん! 五分で支度しな!(大声)」



ばにら「そんな急がなくても大丈夫バニですから!!!!」


???「それじゃ、急いで参りますので、少々お待ちを……!」


ばにら(なんか、濃いらーめん屋さんに当たっちまったバニな)


   (うーん。味も濃いめだと嬉しいバニなんだけれどな……)



ベル音「ピンポーン♪」



ばにら「えっ⁉ もう来た⁉ はやすぎないバニか⁉」


   「は~い! 今、行きますバニ~!」


作業員「サーセン、プロバイダーから依頼を受けてきました」


   「通信工事の者なんですけれど?」


ばにら「…………はえ?」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



名代らいおんらーめん!

東京で古くからやってる、中華そば屋さん!

店主は頑固一徹、先代(父)の味を守り続ける職人だ!

そして、店主の娘(末っ子)はなんかノリがいいぞ!


東京に行ったら、みんなも食べよう!

Mr.天狗との約束だ!(なお、もう出番はない模様)


引越が無事に終わったと思いきや、いきなり暗雲がたちこめるばにら。はたして、突然あらわれた作業員とは。そして、らいおんラーメンは本当に美味しいのか。気になる方はぜひぜひ、評価・フォロー・応援などよろしくお願いいたします。m(__)m

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