第665話 闘将 その4

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber


ばにらママ  川崎ばにらの母 謎多き古のテキストサイトの者

Mr.天狗  川崎ばにらの母の友人 天狗の能面を被っている

不動産屋   ずんだが紹介してくれた不動産屋さん



【シチュエーション】

ばにら、引っ越し中。

ようやく引っ越し先の建物に到着したばにらだが……?



◇ ◇ ◇ ◇



ばに母「あら、あらあら、あらあらあら~!」


   「素敵な2LDKじゃないのォ~!」


   「しかも高層階! 都会の喧噪が少しも聞こえてこないわ!」



   「いい物件を見つけたわねばにらちゃん!」


   「これなら台パンしても、奇声を上げても、大丈夫だわ!」



ばにら「大丈夫の方向性が、だいぶ大丈夫じゃない件について」



天 狗「うむっ! オートロックOK! 管理人による見回りもOK!」


   「廊下の監視カメラも動作良好! コンセントに細工された様子もなし!」


   「文句なしのクリーンな引っ越し先だ! いい仕事してるね!」



ばにら「ほんで、天狗さんはなんでそんなことをチェックしてるバニか?」


   「逆に怖いバニなんですけど?(困惑)」


不動産「こちらの物件は、主な入居者が芸能人となっておりまして」


   「セカンドハウスとしてDIYや演劇の練習などに」


   「利用されていますね」



   「誰が入居しているかなどは、個人情報なので申せませんが」


   「オーナーが有名な俳優さんですから、それはもう安心ですよ」



ばにら「はぇ~! 俳優さんの持ち家ならぬ、持ちマンションバニか!」


   「やっぱり都会はすごいところバニなぁ」


ばに母「あら、オーナーが俳優さんなんですね」


   「それはそれは、ぜひお会いしてサインしていただきたいわ」


   「ねぇ、Mr.天狗?」


天 狗「いや! 俳優というのも所詮は水商売!」


   「どういう素性の者かわかったものではない!」


   「テレビで見るからと安心してはいけない!」


   「人間の本性とは見た目では分からぬものなのだ……!」


ばにら「めっちゃ語るバニですやん、Mr.天狗さん」


   「なにか昔、ひどい目にでも遭ったバニですか?」


天 狗「天狗にもいろいろあるのさ」


   「若いお嬢ちゃんには語れない、辛い過去の一つや二つくらい」


ばに母「本当に、苦労していたものね、Mr.天狗は……」


   「そのストレスから【聖十字護竜騎士団】なんて立ち上げて」


   「あまつさえ、どっぷりネットゲームにはまりこんで」


   「一時期、社会的地位まで失いそうになって(ほろり)」



ばにら「やっぱりお母さんのネトゲ仲間じゃねか!」


   「ていうか【聖十字護竜騎士団】の団長さんバニか⁉」



天 狗「そうだ! 私が【聖十字護竜騎士団】の団長! Mr.天狗だ!」


   「ばにらちゃん! このことはくれぐれもみんなには内緒だぞ!」


   「天狗とばにらちゃんの約束だ!」


ばにら「スーパーヒーローショーじゃねえんだから!」


   「言われなくても誰にも話したりしないバニよ!」



天 狗「本当かな? うっかり、親しい人に話したりしないかな?」



ばにら「うっ⁉ そ、それは……⁉」



天 狗「会社の上司、先輩、同僚に」


   「ぽろっと言っちゃわないかな?」



   「【聖十字護竜騎士団】の団長は、あのMr.天狗だって……!」



ばにら「いや、そもそも社長と先輩と同期が、アンタの部下なんだわ!」


   「精鋭十二竜将なんだわ! 言ったら即バレなんだわ!」


ばに母「そしたら、ばにらちゃんのチャンネルにバスターコールね!」


   「いいじゃないPUB○でギルドバトルしましょう」


   「古のゲーマーの底地からを見せてあげるわ……!」


ばにら「なにお母さんもその気になっちゃってるバニか!」


   「しないバニ! そんな親子コラボ絶対お断りバニ!」


二 人「えぇ、楽しみにしてたのになぁ……」



不動産「こほん!」



   「えぇ、ということですので、ばにらさん安心してください」


   「このマンションは限りなく安心です」


   「いざとなったら私もですが、オーナーも力になってくださいます」


天 狗「そうだ! 遠慮せず大人の人を頼るんだぞ!」


   「都会ではそれくらい図太くないとやっていけないからな!」


ばに母「ばにらちゃんてば、ただでさえ抱え込み気味だから」


   「私もそれは心配だわ……」



   「そうだ、お母さんも一緒にここに住もうかしら?」


   「親子コラボの需要もあることだし!」


   「最近は同棲しているVTuberも多いって聞くしね!」



ばにら「それは同棲じゃなくて! 同居っていうバニよ!」


   「心配はありがたいけれど、そういうのはもう間に合ってるバニ!」



   「お母さんと住むくらいなら、ずんさんの家に転がり込んでるバニよ!」



二 人「ずんばにてぇてぇなぁ~(ほんわか)」


ばにら「しばくぞ!!!!(ガチギレ)」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



親にまで百合営業で萌えられるばにらさん。

これはもう、部屋借りたけれど同棲まったなしなのでは?


ずんさんの部屋――まだまだ空いてますよ!


実際、ここはずんだと同棲した方がおいしいのでは? 後輩たちが粛々と同棲をしようとしているのに、メインキャラの二人がそれを渋ってるってどうなのよ? はたして、ずんばにが一つ屋根の下で暮らすという展開はあるのか――気になる方はぜひぜひ、評価・フォロー・応援などよろしくお願いいたします。m(__)m

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