第655話 助けてばにらちゃん! その6

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber

種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV


石清水しのぎ DStars3期生 おっぱい侍太郎

鳥羽レーヌ  DStars4期生 お姫様系VTuber


Bちゃん   DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当


【シチュエーション】

かりんちゃんに一通りレッスンを終えたばにら。

ずんだ宅にお邪魔して愚痴るのだが……?


◇ ◇ ◇ ◇



ばにら「ということで、今日はたいへんだったバニですよ」


   「後輩の指導って、なかなか思うようにいかないバニですね」


ずんだ「そうよ! 当たり前じゃない! 特に陰キャの後輩!」


   「うじうじうじうじうじうじと! 言いたいことがあるのに言わない!」


   「そういうのに心を開かせるのがどんなに苦労することか……!」



ばにら「それ、もしかして私のこと言ってます?」


ずんだ「アンタ以外に、私が絡む後輩って、誰がいるのよ?(圧)」



ばにら「…………すみません」


   「まさか、美月さんにそこまで気を遣わせていただなんて」


ずんだ「まぁけど、アンタは心を開いてからは楽だったわよ」


   「素直に私の言うこと聞いてくれるし」


   「変に壁を作ることもないし」



   「まぁ、あと、純粋にいいVTuberってのもあるけど……(///)」



ばにら「え? なにか言いました、美月さん?」


ずんだ「…………けど! その時々、絶妙に間が悪いのだけは!」


   「まだまだ改善の余地があるわね!」


   「先輩の話は心して聞きなさい!」


ばにら「はい、すみません……(ぐびぐび)」


ずんだ「全然聞いてないでしょ! ぐいぐいお酒飲んで!」


   「まったくもう……!」


ばにら「いやけど、本当に不思議な感覚ですよ」


   「まさか私が先輩になるだなんて」


ずんだ「社会人やってたら、一年経ったら後輩はできるでしょ?」


   「まぁ、職種によっては採用数絞っていて」


   「そういう機会に恵まれないこともあるけれど……」



ばにら「いやぁ、私の勤め先はは、本当に小さな会社でしたから」



   「後輩なんて…………?」



ずんだ「なによ、その間?」


ばにら「そういえば、辞める数ヶ月前に」


   「後輩がいたような、いなかったような?」


ずんだ「なによそれ?」


   「まぁ、辞める数ヶ月前なんて、気もそぞろだから」


   「覚えてないってのも分からないでもないけれど……」


ばにら「いやぁ、ブラックでしたからね、前の職場は」


   「その点DStarsは……」


ずんだ「Bちゃんが死んだ目をして働いてる時点でお察しよ」



ばにら「転職先、間違えちゃったかなぁ……?」



ずんだ「まぁ、私も人のこと言えないけれどね」


   「芸能界にいた頃の人間関係なんて」


   「とっくの昔に記憶の彼方よ」



   「後輩だって、席の奪い合いで、ろくに可愛がった覚えもない」


   「因果な商売してたなって、あらためて思うわ……」



ばにら「お互い、前職は大変でしたものね」


   「けど、今はこうして毎日幸せだから……オッケーです!」


ずんだ「な~にがオッケーですよ!」


   「まぁけど、アンタとする晩酌は、嫌いじゃないわよ!」


ばにら「…………ふふっ」


ずんだ「あによ」


ばにら「なんでもありませんバニ!」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



久しぶりにかっこいいずんさんだ!

後輩への愛に振り回されて奇行に走っていないずんさんだ!

いや、本当にずんさんなのか! これはこれでまた違う奇行なのでは!


奇行種青葉ずんだと、クールな先輩青葉ずんだは、本当に同一人物なのか⁉

いったいどっちが本当のずんさんなんだ……!


とまぁ、久しぶりに氷の女帝っぽいムーブをかまずずんださん。ようやく本編らしくなって参りましたね。こちらでは、基本的に頼れる先輩の側面を強調していくつもりでございますが……この数年間で拗らせたずんさんイメージを戻せるかどうか? 筆者の筆力が心配な方は――安定するので、ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしくお願いします!m(__)m

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