第656話 川崎ばにらとお引っ越し その1
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV
石清水しのぎ DStars3期生 おっぱい侍太郎
鳥羽レーヌ DStars4期生 お姫様系VTuber
Bちゃん DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当
【シチュエーション】
ずんだ宅にていつもの晩酌中。
◇ ◇ ◇ ◇
ずんだ「ところで、引っ越しの準備は進んでるの?」
「後輩を世話してるみたいに言ってたけど」
「自分の世話もちゃんとしないとダメよ?」
ばにら「…………ぎくり」
ずんだ「やっぱり進んでないのね?」
「せっかく私が不動産屋を紹介してあげたっていうのに」
「ていうか、いつまであんなぼろ屋に住むつもりなの?」
ばにら「あれはあれで思い入れがあるんですよ」
「まぁ、お金がなくって、保証人もいなくって」
「仕方なく住み始めたアパートではありますけれども……!」
ずんだ「そんなものに思い入れを見出すな!w」
ばにら「大丈夫です! もう引っ越し先は決めましたから!」
「あとは部屋を片付けて、配信を休む段取りを決めて」
「スケジュール通りに移動するだけ……!」
ずんだ「本当にぃ~~~~?」
「アンタのことだからどうせ、転居手続きを忘れたとか」
「郵便局への連絡を忘れたとか、ガス・電気の開設を忘れたとか」
「そういうやらかしをしてるんじゃないのぉ~~~~?」
ばにら「え?」
「ガス・電気の開設ってなんですか?」
「そういうのって、引っ越したら大家さんがやってくれるんじゃ?」
ずんだ「うそバニでしょ……?(絶句)」
ばにら「えっ、えっ、えっ⁉」
「もしかして、なにかやらかしちゃいました⁉」
ずんだ「とりあえず、私も引っ越しの作業手伝うわ」
「…………やっぱり、無理にでも一緒に住むべきだったかしら?」
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「それじゃ、美月さん」
「今日も話を聞いてくれてありがとうございました」
ずんだ「はーい。それより、はやく引っ越しの情報送ってよね?」
「アンタに任せてたら話は進まないし、ポカはやらかすし」
「こっちも気が気じゃないわ…………!」
ばにら「それだけ、今の住居がいい所ってことバニですよ!」
「やっぱりばに~らハウスは、私にとって安住の地!」
「今からでも引っ越すのをやめて……」
ずんだ「いいから! ちゃんとしたセキュリティの物件に引っ越しなさい!」
ばにら「ひゃい」
ずんだ「まぁ、毎日配信していて、忙しいのもわかるけれどれも」
「自分の人生の基盤を整えるのも大事なことなんだから」
「不幸になるために、貴女、生きてるわけじゃないでしょ?」
ばにら「まぁ、それはそうですけど」
「ばに~らハウスでの生活は」
「あれはあれで楽しかったバニなんですよ」
「本当に…………(ちょっと涙ぐむ)」
ずんだ「……そう」
「けどね、人間は成長していくものだから」
「今の貴女にとって、もうあのばに~らハウスは」
「狭すぎるのよ」
「貴女がもっと配信者として活躍できる場所が」
「きっとあるハズだから……」
「だから、ばに~らハウスのことは思い出にして」
「新しい部屋で、心機一転頑張りなさい」
ばにら「……はい! 美月さん!」
「よっしゃ! それじゃ、次は目指せ200万人!」
「VTuberのトップを、このままひた走るバニよ!」
ずんだ(……まぁ、誰でも住み慣れた場所を離れるのは寂しいものよね)
(私も、東京に出てくるときは、本当に寂しかったものなぁ)
(おばあちゃんに、行きたくないってワンワン泣いてさぁ……)
(けど、これが最良よね)
(どこかできっと、こうする必要があったんだわ……!)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
たかが引っ越し、されど引っ越し。
住み慣れた場所を離れるのって勇気が要りますよね。
ようやく勇気を出して、引っ越しを決意したばに~ら。
いろいろと準備不足な面はありますが、これでようやく話が進みます。
え、ずんだとの同居はどうなるのかって⁉
まぁ、そうだよね、同居してもいいよね……?
けど今のずんさんと一緒にするの、不安じゃないバニです?
次回、引っ越し前の配信回。一日で、家具も配信環境も、すんなり移動できるはずもない。しばらくの引っ越し休暇を申請するために、ばにらもちょっと大きな企画を考えます。いったいなにをやるのか。誰とやるのか。気になる方は――ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしくお願いします!m(__)m
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