第653話 助けてばにらちゃん! その4

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV

石清水しのぎ DStars3期生 おっぱい侍太郎

鳥羽レーヌ  DStars4期生 お姫様系VTuber

海老名紫   だいさんじ所属 平安時代からやってきた武者系V


Bちゃん   DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当


【シチュエーション】

Bちゃんに事務所に呼び出されたばにらとしのぎ。

そこで待っていたのは、指導担当の四期生で……?



◇ ◇ ◇ ◇



ばにら「それじゃ、あらためてこんにちは」


   「DStars三期生の川崎ばにらバニ」


かりん「…………(ガン見)」


ばにら「ど、どうしたバニか? かりんちゃん?」


かりん「その挨拶、リアルでもやるんですね」


   「てっきり配信の中だけかと思ってました」


ばにら「そりゃ普段はやらないバニよ!」


   「顔合わせだからやっただけバニ!」


   「というかVTuberだから、正体ばれたらダメバニよ!」


かりん「めちゃツッコむじゃんw」


   「ばにらちゃん、ウケるぅ~~~~w」



ばにら「ギャル煽りやめろや! こちとら先輩やぞ!」


かりん「あぁん⁉ こちとら後輩やぞ⁉」



ばにら(あれ? 意外にしっかりしゃべれるバニな?)


   (前ぶりで、陰キャと聞いていたから)


   (全然コミュニケーションできないかと思ってたバニ)



   (これ、別にばにらが指導しなくても大丈夫では?)



かりん「…………(はっとした顔)」


   「ご、ごめんなさい、先輩にひどいことを!」


   「嘘です! 全部、忘れてください!」


ばにら「いや、いいバニよ、いいバニよ」


   「そんなの気にしなくって大丈夫バニ」


   「むしろ、ばに~らにそこまで砕けて話してくれて」



   「サンキューな♥」



かりん「…………んぅッ♥♥♥」


   「ばにらちゃんの生サンキューな♥♥♥」


   「ガチで効くぅ♥♥♥」



ばにら「……かりんちゃん?(困惑)」



かりん「……はっ! ごめんなさい! 私ったら、また自分の世界に!」


ばにら「大丈夫バニよ、気にしてないバニ」


   「それより、せっかくだからかりんちゃんのことを」


   「いろいろ聞かせてもらいたいな……?」



   「とりあえず……何歳バニか?」



かりん「え~! ばにらちゃんてば、歳とかそういうの気にするタイプ~?」


   「ちょっとおじさん臭くな~い?」


ばにら「てめぇ! 陰キャなのか、陽キャなのかどっちかにしろバニ!」


かりん「歳はピチピチの21歳で~す! 華の大学生と同い年だよ~!」


ばにら「若いバニなぁ。まぁ、たしかにそんな感じがするバニ」


   「それじゃ、うーちゃんと同じで、今も大学に通ってるバニか?」



かりん「あ、いや、大学はその……通ってないんスよね」



ばにら「じゃあ、どこかで働いてた? もしくは今も働いてるバニか?」



かりん「いや、働いてもいないんスよね」


   「そもそも職歴がないっていうか……」



ばにら「かりんちゃん、もしかしてだけど」


   「ひきこもりって奴バニですか……?」


かりん「そういう言い方やめて! その呼び方好きじゃない!」


   「自宅警備委員! ひきもこもりでもニートでもないから!(迫真)」



ばにら(……バニ! なるほど納得バニよ!)


   (陰キャにもいろいろな種類があるけれど!)


   (これは一番厄介なタイプの陰キャ……)



   (ネット弁慶陰キャバニね!)



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



かりんちゃん、ひきこもりをカミングアウトする。


なかなかこういうことって、冗談でも切り出すのは勇気が要りますよね。

僕も、うつ病や自身の気質で普通の仕事からは遠ざかっており、折りにつけてそれをオープンにするようにはしておりますが、割と信頼できる人以外にはそういうことを言うのは、やっぱり抵抗があるように感じます。


それだけ、信頼されているってことだぞ――ばにら!!!!


ばにらにちょっぴり気持ちを開きつつあるかりんちゃん。しかし、その好意にいまいいち気がつけていないばにら。絶妙なすれ違いを見せる二人が、この先どうなっていくのか気になる方は――ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしくお願いします!m(__)m

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