第651話 助けてばにらちゃん! その2

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV

石清水しのぎ DStars3期生 おっぱい侍太郎

鳥羽レーヌ  DStars4期生 お姫様系VTuber

海老名紫   だいさんじ所属 平安時代からやってきた武者系V


Bちゃん   DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当


【シチュエーション】

Bちゃんに事務所に呼び出されたばにらとしのぎ。

そこで待っていたのは、指導担当の四期生で……?



◇ ◇ ◇ ◇



ばにら(うーん、かりんちゃんなんかよくわかんないんだよなぁ?)


   (VTuberになりたくて、DStarsに入ったんじゃないの?)


   (なのに、なんでこういう一歩引いた発言をするバニなんだろ?)


Bちゃ「……ばにらさん? ちょっとよろしいですか?」


ばにら「あ、はい。なにバニですか?」


Bちゃ「ここではなんなので、別室で……!」



~~ 別室移動 ~~



Bちゃ「実はかりんさんなんですが」


   「採用に特殊な経緯がございまして」


ばにら「特殊な経緯?」


Bちゃ「ずんださんと百合営業している、ばにらさんもご存じかと思いますが」


   「うちは特待生のような、ゲームが強いストリーマーを積極的に採用して」


   「ゲーム大会などへの企業としての参加を目指しています」



ばにら「あぁ、はい。それはずんさんからも聞いてます」


   「たしか、かりんちゃんもAPEXめちゃうまなんですよね?」



Bちゃ「めちゃうまなんてものじゃありません」


   「女性APEXプレイヤーで、上位10名の名前を挙げろと言われたら」


   「彼女はそこにランクインする実力を持ってます」



ばにら「そんなにバニですか⁉」



Bちゃ「状況把握能力が高く、チーム全体をコントロールが上手い」


   「司令官タイプ――特待生のぽめらさんと同じタイプですね」



   「ただし、APEXの中だけ」



ばにら「APEXの中だけ?」



Bちゃ「実際に、彼女のゲーム配信動画があるので」


   「ちょっと見てみましょう」



かりん『敵、後ろから来てるよ! 撤退、撤退!』


   『崖の上にパップー(チームメンバー)がスタンバってるから』


   『そこまで誘導して反転攻勢に出るよ!』


ばにら「あれ、普通にしゃべれてる?」


Bちゃ「でしょ」


かりん『パップー! ヘッドショットナイスゥ~!』


   『よし、これで残るは4チーム!』


   『たぶん他のチームは、混戦狙って中央に集まってくるから』


   『その前に、待ち伏せして叩いちゃうよ……』


Bちゃ「ちなみに、このゲームはかりんさんのチームの圧勝でした」


ばにら「ばに。APEXわからんけど、なんかそんな感じがしたバニな」


Bちゃ「そして……」


   「こちらがだいさんじの紫さんとの対談の動画です」



 紫 『いやぁ! KMTさんのおかげで、優勝できましたよ!』


   『いつも本当にありがとうございます……』


かりん『…………別に』


 紫 『あれ? どうしましたKMTさん、なんかテンション低いですけど?』


かりん『…………低くないけど』


 紫 『いやいやいや! テンション三割ダウンじゃないですか!』


   『どうしたんですかいったい! なにか嫌なことでもありました!』



ばにら「うわぁ……これはひどい陰キャバニ」


Bちゃ「でしょう?」


   「トークになると途端に、なにを喋っていいかわからなくなる」


   「典型的なばに~ら症候群の罹患者なんですよ」


ばにら「おい、Bちゃん? なに、人の名前を勝手に病名にしてるバニか?」


Bちゃ「けど、ばにらさんはトークではそれなりに空気を読める」


   「ばにらさん並のトーク力さえ獲得できれば、VTuberとしていける」


   「そう判断して、上層部は彼女を四期生として採用した……という次第です」


ばにら「なるほどバニなぁ……」



   「で、ばに~らが、かりんちゃんをもうちょっと喋れるようにする」


   「そういうことが求められているわけバニな?」



Bちゃ「そういうことバニ~~~~!w」



ばにら「なにふざけとるんじゃオラ! また面倒なこと押しつけて!」



Bちゃ「ファッファッファッファw」


   「DStarsという企業に所属している時点で」


   「ばに~らさんは、会社の意向から逆らえないバニですよ~!」


   「観念して、後輩の教育を頑張るバニ~!」



ばにら「気が重いバニなぁ……」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



ゲーム実況ができているんだからVTuber実況もできるやろ!w

トークがダメダメやけどかめへんかめへん!

陰キャ筆頭ばに~らに教えてもらい!


そんな軽いノリで四期生に採用されたかりんちゃん。

まぁ、世の中そういうところってありますよね。

特に新入社員の採用とか。


そして本人にとっての不幸がはじまる……!


いや、不幸かどうかは本人が後にどう思うか次第。彼女も、VTuberにちょびっとくらいなりたいから門を叩いたはず。かりんちゃんは消極的なだけで、VTuberになりたいはずなんだ。ということで、ここからは彼女の憧れの、ばにらさんが頑張るターン。はたして彼女の指導は、かりんちゃんを救うことができるのか? ということこで、二人の行方が気になる方は、ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしくお願いします!m(__)m

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