第533話 ははのひ その5
【登場人物】
八丈島うみ DStars3期生 センシティブ委員長
渋谷いく DStars2期生 陰キャオタ女系VTuber
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
【シチュエーション】
ははのひ(独特のイントネーション)配信。
◇ ◇ ◇ ◇
い く「あー、捕まっちゃったなぁ~」
「もうゲームオーバーかぁ~」
「もうちょっとやりたかったなぁ~」
う み「なに終わった気になってるの、いくたん!」
「まだ、ゲームは続いてますよ!」
い く「え⁉ 捕まったらゲームオーバーじゃないの⁉」
う み「それじゃすぐに終わっちゃうでしょ!」
「何度も何度も、お母さんに捕まって」
「ヒス構文で罵られながらも」
「必死になって出口を求め彷徨う……!」
「これはそういうゲームなんだワ!(真顔)」
い く「ねぇ~! 悪意を感じるよぉ~!」
「勘弁してよぉ~!」
―――――――
コメント
―――――――
:ほんと生々しいゲームだw
:親からは逃げたくても逃げられない……ってな!
:笑い事じゃないけど、笑うしかないんよw
:しかし、うみのボイスがまさにおかん
:フルボイスにしなくてもw
:声と技術の無駄遣いw
:さぁ、いくたんは逃げ切れるのかな?
:一本道で、速度決まってる時点で、先は読めたよね
:アクション要素関係ないw
:実質ノベルゲーやんけ
:ほな、最初からノベルゲーで作っておけやw
―――――――
う み「ほら! いくちゃん今よ!」
「ヒスってお母さんの溜飲が下がっている内に」
「はやく出口を目指して進むのよ!」
い く「どういう展開だよ!」
「子供に当たってストレス発散するな!」
う み「仕方ないでしょ!」
「委員長の毒親についての解像度が」
「こうなんだから……!」
い く「あぁっ! また捕まった!」
ゲーム『ははのひ(特徴的なイントネーション)』
は は『いくたん?』
『毎日毎日、夜中までなにやってるのかな?』
『お勉強も大事だけれど』
『睡眠も育ちざかりのいくたんには』
『大事なのよ……?(にっこり)』
い く「…………はひ」
「これ、夜中にゲームしてるのバレてる奴じゃん」
「もう怒られるの確定の演出じゃん」
―――――――
コメント
―――――――
:これはバレてるw
:こっちは知っているんだぞ感が半端ないw
:こんなん親に言われたら泣くわw
:というか、これはまだ序章
:ここからが地獄だ……!
:うみの毒親への解像度の高さよ!
:もしかして、うみちゃん……!
―――――――
う み「あ、うみの母親ですか?」
「普通にいい母親でしたよ?」
「うみが夜中までゲームしてても」
『あらあらうみちゃん、こんな時間まで遊んで』
『本当にしょうがない子ねぇ』
『じゃあ、ママも遊んじゃおうかしら』
「って、逆に混ざってくるような人です」
い く「いい親じゃん!」
「理想のお母さんじゃん!」
「そんな環境で育っておいて」
「出てくるのがコレ⁉」
う み「まぁ、レディコミとかWEBTOONとかで」
「世間の毒親について研究した成果ですね」
「それよりほら!」
「いくたん、そろそろ母親が」
「本題に切り込んできますよ……!」
は は『ほら、なんだっけ』
『配信者っていうんだっけ?』
『今、若い子の間で流行っているのよね?』
『お母さん心配だわ』
『不特定多数の人間の前でなにかやるなんて』
『いや、自分でやる分にはいいけれど』
『誰かにやらされることになったら……!』
『そのうち、リスナーのみなさんに』
『BBAだの、行き遅れだの、年増だの』
『声から加齢臭がするだの言われるようになって……』
『あぁ、どうしてもっとチヤホヤしてくれないの!』
『やっぱり、中身も若い子の方が』
『みんないいのね……!』
い く「やってるじゃん!!!!」
「このお母さん、配信者やってるじゃん!!!!」
「というか中身とか言ってるし!!!!」
「VTuberでしょこれ!!!!」
―――――――
コメント
―――――――
:草w
:ママ、配信者だったのかw
:年齢は関係ないんよ、トーク技術なんよw
:あとゲームのプレイスキルなw
:いくちゃんをたしなめるのかと思ったら違った
:ただの愚痴じゃねーかw
―――――――
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「だから、ネタの方向性が……!」
ずんだ「生々しいんよ……!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
VTuberになれば、まわりにちやほやしてもらえる。
そう思った時期が僕にもありました。(AA)
あれは中身が面白いからちやほやされるのであって、VTuberだからちやほやされるわけではない。発想がまったく逆なんですよね。本人のマメさだったりだとか、気配りだったりだとか、そういうのが見えてこないと難しい。
いや、見えていても難しいから、なかなか大変だと思います……!
いい大人が夢を見てVになった末路。そんな悲哀をははの姿から感じてくれたならば――ぜひぜひ評価・フォロー・応援よろしくお願いいたします!m(__)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます