第453話 とある裏方の一日 その7

【登場人物】

Bちゃん   DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当

トキワいま  DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber


【シチュエーション】

 公式配信でBちゃんのドキュメンタリー。


◇ ◇ ◇ ◇


ナ レ「時はすぎて午後三時」


   「Bちゃんがエナドリを手にして席を立ちました」


   「いったいどこに行くんでしょうか?」


Bちゃ「これから、スタッフで運営チャンネルの企画会議なんですよ」


   「どういう配信をするか、誰をお呼びするか」


   「ここでみんなで協議して決めてるんです」


ナ レ「なるほど」


   「割と民主的な方法で出演者を決めていたんですね」



   「その割りには、出演者が偏っているような?」



Bちゃ「あははは、まぁそうは言っても呼びやすい方とかありますよね」


   「あと、この人とこの人はシナジーあるからとかで」


   「けっきょくいつメンになっちゃったりするんですよ」



   「こればっかりは仕方ないですよね」



◇ ◇ ◇ ◇



ずんだ「仕方なくない!(圧)」


   「そういう偏りが起こらないように」


   「調整するのが運営の役目でしょ!」



   「メンバー全員に、平等に機会が与えられるように」


   「もうちょっとそこは考えなさいよね!」



ばにら(美月さん、めちゃくちゃ怒ってる)


   (まぁ、そりゃそうか。芸能界で理不尽に干されたもんね)


   (そういうの許せないんだろうなぁ……)



ずんだ「だいたい、運営企画であからさまに私と花楓を呼びすぎなのよ!」


   「コラボできるのは嬉しいわよ! けど、自分のチャンネルでやらせて」


ばにら「そっちか~~~~!」



◇ ◇ ◇ ◇



ナ レ「それではさっそく会議を見ていきたいと思います」


   「おぉ、強面のおじさんたちがいっぱいいますね」


   「みなさん、いかにもサラリーマンって感じです」



社員1「やっぱりうちの絶対的エースはいくたんだお!」


   「あのきゃわわボイスに、おくゆかしい性格が最高なんだお!」


   「もっと彼女のコンテンツを増やすんだお!」


社員2「たしかにいくちゃんのかわいさは認めよう」


   「しかし、あえて言おう! かわいさだけが全てではない、と!」


   「VTuberにおいてもっとも大事なのは清楚さ!」



   「俺は全力で祇園ちまきを推すぜ!」



社員3「最近、ひじりどのが配信サボり気味なので」


   「運営チャンネルに呼んで、無理矢理活動させようかなと」


社員4「バカヤロウ!」


   「ひじりどのはたまに配信するレアキャラ感がいいんだろ!」


   「知った風な口を利くな!」


社員5「ちくわ大明神」


社員6「やっぱり安心して運営チャンネルに出せるのは」


   「生駒フォックスしかいないんだよネ」


社員7「私には分かる。数年後、八丈島うみが地上波に出ることを!」


   「具体的には○NS歌謡祭にVTuberとして初出演する姿が!」


   「やはり委員長しか勝たん!」



ナ レ「…………うわぁ(どん引き)」



Bちゃ「みんな、自分の推しを運営チャンネルに呼びたくて仕方ない」


   「いい歳してみっともない大人ばっかりで困っちゃいますね」


ナ レ「こんな感じで出演者が決まってると思うと」


   「なんだかちょっと、所属VTuberとして複雑な気分ですね」


Bちゃ「まぁ、こんなおっさんたちの好きなようにはさせませんよ」


   「見てて、いま! 私がビシッと言ってあげるから!」



   「シャラップ! ガッデム、ファッ○ンブラザー!」


   「ごちゃごちゃうるさいんだよ!」



   「次の企画に呼ぶタレントは――ばにらさんとずんださんで決まり!」


   「ずんばにてえてえ特需に、全力で乗っかるんだよぉ!」



◇ ◇ ◇ ◇



ばにら「…………Bちゃん(真っ白)」


ずんだ「Bちゃん、お前だったのか(真っ白)」




☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



運営のずんばに推し。その正体がついに分かる。

犯人はBちゃん。彼女が過激派ずんばに推しとして暗躍していたのだ。


いや、単に一番視聴率を取れるユニットってだけなんですけどね。

いつだって会社にとって最良の選択をする。それがBちゃんなのだ。

そこに忖度も贔屓も存在しない。あるのは純然たる利益だけ。


そう、ずんばには儲かるのだ……。(やらし過ぎる)


Bちゃんがいる限り、ずんばには止まらない。これからももっと過激に、もっと頻繁に絡んでいくのだ。とはいえ、後輩も増えてそろそろ人間関係も変化しそうだぞ。どうなるずんばに――と心配された方は、ぜひぜひ二人を応援よろしくお願いします!m(__)m



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る