第454話 とある裏方の一日 その8

【登場人物】

Bちゃん   DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当

トキワいま  DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber


【シチュエーション】

 公式配信でBちゃんのドキュメンタリー。


◇ ◇ ◇ ◇


ナ レ「さてさて、時刻はついに午後六時」


   「事務所に定時の鐘が鳴り響きます」



   「ワーカーホリックでネタにされている Bちゃんですが」


   「はたして、今日は無事に定時で上がることができるのか」



Bちゃ「みなさんおつかれさまでしたー!」



ナ レ「あれ⁉ 普通に帰っちゃうんですか⁉」



Bちゃ「当たり前じゃないですかw」


   「うちはベンチャー企業ですよw」


   「残業しても手当てが出ない……」



   「なら、働く意味ありませんよね?(ド正論)」



◇ ◇ ◇ ◇



ずんだ「Bちゃんが、まともなことを言っている⁉」


ばにら「あの、深夜にいつ連絡を入れても」


   「秒でレスしてくるBちゃんが⁉」


ずんだ「夜中に」


   『まだ事務所にいますか?』


   「って聞くと、高確率で」


   『ぜんぜんいますよ! なにか事務所にご用事ですか?』


   「って返してくる、あのBちゃんが⁉」



二 人「おかしい! 絶対になにかある!」


   「さてはブラック企業と言われたくなくて」


   「はやく帰るように言われたに違いない……!」



◇ ◇ ◇ ◇



ナ レ「なるほど」


   「事務所で残業しているBちゃんはいなかった」


   「みんな心配していましたけれど」


   「これで安心ですね」


Bちゃ「そうですそうです!」


   「誰がお給料ももらえないのに、残業なんてするんですか!」


   「そんな『社畜極まれり~!』なこと、私はしませんよ」



   「さてと」


   「それじゃ、愛しのマイハウスに移動するとしましょうかね」



   「よっこいしょ(隣の席へ)」



ナ レ「…………(困惑)」


   「Bちゃん? 家に帰るんじゃなかったの?」



Bちゃ「帰りましたが何か???」



ナ レ「まだ事務所だけど?(困惑)」



Bちゃ「あ、言ってませんでしたっけ?」


   「私、社長と交渉して、フロアの一部に住まわせてもらってるんです」



   「この机と、色の変わっているタイルの部分が、自宅になりますね!」



ナ レ「…………Oh」



Bちゃ「いやぁ、事務所から一歩で帰宅できるなんて」


   「すばらしい福利厚生ですよね!」


   「しかも、水道代・電気代まで会社が持ってくれるんですよ!」



   「トイレもウォシュレット! 炊事場にはガス給湯器つき!」


   「さらにさらに、インターネット使い放題なんです!」


   「すぐそこに主食のモンエナが売られてる自販機もある!」


   「お風呂と洗濯機がないのは気になりますが……」



   「浮いたお金で、セカンドハウスが借りれるからヨシ!」



   「ベンチャー企業なのに、ここまで会社員を気遣ってくれるなんて」


   「本当にいい会社に就職しましたよ!(ガンギマリ)」



ナ レ「……ソ、ソウダネェ(聞いたことないか細い声)」



◇ ◇ ◇ ◇



二 人「ちがった! もう手遅れだった!」


   「気がついてBちゃん! それは退社とは言わない!」


   「泊まり込みよ!」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



会社に泊まり込んで徹夜で作業をする。

ちょっと昔の社畜にとっては当たり前という感じですよね。(おめめぐるぐる)

けど、ちっとも身体にいいことないから。

搾取されてるだけですから。


定時に帰って、推しの配信見て、趣味をして暮らす。

そういう生活がなんだかんだで大切なんですよ。


なのにBちゃん、君って奴は……!

どうして時代に逆行してしまうのか……!

マンガの読みすぎですよ……!


ずんだとばにらはもちろん、長いつきあいになるいまさえも戦慄させるBちゃんの狂気。さて、ここから楽しい楽しい、終わりなきお仕事のはじまりだ……! はてしない社畜道を駆け上がりはじめたBちゃんに、生温かい気分になってしまった方は、ぜひぜひ応援よろしくお願いします!m(__)m

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