第450話 とある裏方の一日 その4

【登場人物】

Bちゃん   DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当

トキワいま  DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber

羽曳野あひる Dstars2期生 雑談配信が得意


【シチュエーション】

 公式配信でBちゃんのドキュメンタリー。


◇ ◇ ◇ ◇



ナ レ「再びデスクに戻ったBちゃん」


   「なんだか難しい顔をして、モニタとにらみ合ってますね?」



   「これは――メールでしょうか?」



Bちゃ「事務所に届いた取引先からのメールをチェックしてます」


   「もちろん一人じゃ担当しきれないので」


   「複数のスタッフで回していますが」


   「スタッフの中でも、業務歴は長い方なんじゃないかな……?」


ナ レ「なるほど!」


   「DStarsの企業コラボは」


   「ぜんぶBちゃんのチェックを受けて」


   「みんなに割り振られていたんですね!」


Bちゃ「まぁ、もちろん最終的な判断をするのは社長ですけど」


   「ある程度は私の権限で、弾いたり採択したりできますね」



   「だからって賄賂はやめてくださいよ~?」


   「ドリップコーヒー1年分とか送られても」


   「便宜を図ったりしませんからね~?」



ナ レ「不正は許さない」


   「強い意志で、Bちゃんはコラボ企画をチェックしてるんですね!」



◇ ◇ ◇ ◇



ばにら「…………(あんぐり)」


   「企業案件の採択の権限とかあったんですね」



   「これはBちゃんに優しくしなくては!」


   「ばに~らにはできない、重たい仕事は蹴ってもらわないと!」



ずんだ「不正は許さないって、いまちゃんが締めたとこでしょうが」


   「それに……」



   「さんざんこれまで、無理矢理あれこれやらされてきたのよ?」


   「いまさらいいように便宜を図ってくれると思ってるの?」



ばにら「……バニ」


   「百合営業もけっきょく、押し切られちゃいましたもんね」



ずんだ(まぁ、それはそれでよかったんだけれど)


ばにら(まぁ、いまとなってはよかったんだけれど)



◇ ◇ ◇ ◇



ナ レ「おや? なにやら電話がかかってきましたよ?」


B ちゃ「はい、もしもし」


   「DStars事務所のBちゃんです」


ナ レ「電話もBちゃんで出るんですねw」


Bちゃ「なにぃ⁉ あひるさんにフライドチキンを食べさせながら」


   「華麗なダンスを踊らせたい――ですって!」



   「あひるさんに共食いさせるつもりですか!」


   「そんなことはこの私が許しませんよ!」



   「じゃあ、うさぎの肉にしますから、ばにらさんを使いたい?」


   「貴様! 断られるのを分かっていて、あひるさんをだしに使ったな!」



   「この世で最も許せない邪悪!」


   「それは、自分の都合のためだけに、他人の尊厳を踏みにじること!」



   「けど、ばにらさんなら喜んでやると思うので、お受けいたしますね」



ナ レ「このようにBちゃんの目によって」


   「厳しい案件のチェックが、日夜行われているのだ……!」



◇ ◇ ◇ ◇



ばにら「喜ばないバニ! 喜ばないバニよ!」


   「うさぎさんが、かわいそうバニ!」


ずんだ「まぁ、うさぎの肉は部位にはよっては高級だから」


   「きっと悪気があって受けたわけじゃないわよ……」



   「たぶん(小声)」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



ばにら、共食い企画がBちゃんの鶴の一声で決まってしまう。

ずんだの言う通り、ゲテモノかと言われると微妙ですが、こういう普段食べないお肉や食材に挑戦するのも、VTuberのお仕事ですよね。

それが裏方の気分ひとつで握られている――。


おそろしいこっちゃで。(白目)


DStarsを裏で牛耳っているのは実はBちゃんなのではないか? おそろしい疑惑が浮かんできたところで、そろそろ午前の仕事は終了。次はお昼のお話になります。Bちゃんのお昼ってどんなだろうと思った方は、ぜひぜひレビュー・評価・応援・フォロー、よろしくお願いします……!m(__)m

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