豊富な語彙と表現によって紡がれた美しい物語です。また、知性溢れる文章で情景描写を細やかに書いていることもあり、とても流暢にお話が展開している印象を抱きました。この上なく雅な絵巻物を鑑賞しているような気分になりました。
「異聞」と題している通り、作者様の手によって織り成される物語でありますが、あまりにも細やかな点まで心を砕いて考慮されているため、「異聞」であることを忘れてしまうほどのめり込んでしまいました。
只々、意匠を凝らした雅な文章の前に圧倒されるばかりです。全く、この文章を前にしたら降参する他にしようがない――という感想すら抱きました。素晴らしい
文章でした。