第6章サイドストーリー2 火災事件の終結

 木江市にいる千は、渚に勧められて119隊本部跡地へとやって来た。

話通り、119隊本部は確かに焼失していた。千はじっと見つめる。

千は、後ろから声を掛けられる。声を掛けたのは消車洋助しょうしゃようすけだ。洋助の魔機は消防車をモチーフとした銃である。

洋助は119隊の隊長で、渚から通信を受けて跡地へやって来た。

洋助は、沈んだ面持ちで話す。

119隊本部の焼失、そして風呂の暗魔によって、多くの隊員が犠牲になった。隊員の多くは、魔機使いではない一般人だ。火の消化や消防用具の準備、通報の受付など様々な業務を行っていた。

被害は119隊だけでない。暗魔の火災事件を受けて、市外に引っ越す人が増えているという。

千に知ってほしいと、洋助は商店街へ案内する。


洋助に案内されて、千は商店街を訪れる。

商店街は、活気にあふれている。商店街は、一丸となって住民を呼び戻そうとしているのだ。

千はカメラマンやアイドルを見かける。洋助によれば、商店街は色鳥市のアイドルとコラボし、地元の食べ物や伝統工芸品を全国に放送しているという。

千は納得する。そうすれば、全国から木江市に移り住みたいという人が集まってくるかもしれない。

洋助は話す。

洋助は商店街で生まれ、商店街で育った。だから商店街に恩を感じている。

商店街の人の為にも、一刻も早く主を倒さなければならないという。


 街にマグネシウムの暗魔が現れる。マグネシウムの暗魔は燃えているマグネシウムを投げ、火を広げる。

千は村雨の魔機で消火しようとするが、洋助は止める。マグネシウムの火災は金属火災と呼ばれ、水での消火は逆効果になる。消火は乾燥した土で行わなければならないという。

千は心配するが、洋助は心配する必要は無いと励ます。洋助によれば、119隊には、金属火災に対応した土を扱う隊員がいる。

その言葉通り、円匙塁えんぴるいが現れる。塁の魔機は、スコップをモチーフとした武器である。

塁はスコップの魔機を振り、マグネシウムに土をかぶせる。マグネシウムの火は消える。

塁はマグネシウムの暗魔にも土をかぶせ、マグネシウムの暗魔を倒す。


マグネシウムの暗魔の火災は騒ぎとなり、住民が集まる。

住民は長引く火災事件と、火災事件は119隊の研究長が起こしたことで、119隊を厳しく非難する。

塁は、119隊の価値が認められない事に怒る。119隊は、住民の為に戦っているのにと。

洋助はその場を離れ、塁を商店街へ案内する。


千達は商店街を訪れ、商店街の人々と交流する。すると商店街の人々から応援される。119隊が暗魔を倒せば、木江市に人が戻って来るかもしれないと。そして、野菜や肉など食べ物をくれる。

洋助は、塁の怒りに理解を示す。しかし商店街の人々は応援してくれている。1人でも応援してくれる人がいれば、戦えるという。

商店街の応援に触れて、塁は泣く。そして、戦う決意を露わにする。


 千は、七彩から連絡を受ける。木江市で迷惑行為をし、SNSに上げている人が炎上しているという。

千は七彩から教えてもらい、その動画を見る。

動画では、男性がSNSの魔機を使い、SNSの暗魔に変身している。SNSの魔機は、スマホをモチーフとした浮いている杖である。そして、暗魔に変身できるので、SNSの魔機はTカスタムの魔機。

SNSの暗魔は体が燃えている。SNSの魔機使いは、SNSの暗魔が放火する様子を上げている。

千は洋助達にこの事を話し、放火現場へ向かう。


放火現場には、SNSの魔機使いがいた。洋助は怒って問い詰めるが、SNSの魔機使いは注目されたいから放火の様子を上げたと話す。

止める為、千達はSNSの魔機使いと戦う。

SNSの魔機使いは変身し、SNSの暗魔になる。SNSの暗魔は火球を投げてくる。千達は水や土の魔機で対抗する。

次にSNSの魔機使いは、氷の球で凍結させてくる。千は怪獣の魔機で火を吹き、氷を溶かす。そして、千達はSNSの魔機の石を破壊する。

SNSの魔機使いはTカスタムの魔機を使った罪と放火の罪に問われ、逮捕された。


 一滴、渚、波が合流する。渚は洋助と塁に、波を紹介する。

一滴は、焔から聞いた話を千達に話す。

確かに焔は人為的に暗魔を配置していた。しかし、木江市に現れた暗魔の体が全て燃えていたのは、プロメテウスの暗魔の仕業だという。プロメテウスの暗魔は主であり、他の暗魔に火を与えたのだ。

そしてプロメテウスの暗魔は火山にいる。

その話を聞いて、千達は火山へ向かう。


火山へ向かう途中、火山弾や溶岩に襲われる。噴火の予兆が無かった事から、千はプロメテウスの暗魔のキャンバスだと予想する。

千はヤマタノオロチの魔機で階路を作り出し、溶岩の上を進む。落ちてくる火山弾は、千達が斬る、撃つして進む。


千達は、火山の頂上へと着く。

頂上には、プロメテウスの暗魔がいる。千達は、プロメテウスの暗魔と戦う。

プロメテウスの暗魔は千達の魔機に火を付与する。千達の魔機は火をまとい、プロメテウスの暗魔にダメージを与えられない。千が具現化する魔機も、全て火をまとっている。

このままでは、プロメテウスの暗魔を倒せない。

そこに、王の剣が一滴の前に現れる。王の剣は鞘を作り出し、一滴の前に落とす。一滴は拾う。

一滴が村雨の魔機を鞘に納め、抜くと、村雨の魔機は氷をまとっている。

驚いたプロメテウスの暗魔は火を付与しようとするが、火は村雨の魔機によって消える。

一滴はプロメテウスの暗魔を斬る。体の火は消え、プロメテウスの暗魔は消滅する。


 主を倒し、木江市にいた暗魔は撤退する。木江市は平和になった。

119隊は、次は木江市の復興と人を呼び戻す事に取り組むという。

戦いが終わり、波は渚と再会の約束をし、浪包海域に戻った。

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