第3章サイドストーリー 未知の病

 千は架想市へとやって来た。架想市では行方不明になった人も見つかっており、騒ぎが収まっている様子。

白愛に連絡を取ると、白愛は今架想隊本部にいるらしい。千は架想隊本部へと向かう。


架想隊本部へと向かう途中、通りにオタマジャクシの暗魔がいる。戦う為、千は本の魔機を具現化する。すると、千は魔機を盗まれる。

魔機を盗んだのは少女、金剛麗宝こんごうれいほう。麗宝の魔機はダイヤをモチーフとした銃だ。

麗宝は暗魔を倒す。そして、千の魔機を人質に取る。返して欲しければ、お金を渡せと。千はお金を渡す。千が素直に渡した事に驚く麗宝。更に千は聞く。何故、麗宝がお金を欲しがるのか。麗宝は、妹の手術費を稼ぐ為だという。妹は暗魔病という未知の病に冒されている。

千は自分も魔機使いであるから、何か手伝う事はないか聞く。麗宝は、特に無いと言い去る。


 架想隊本部で、千は白愛と会う。そこには想もいた。

想は執行猶予中。首には首輪が付けられている。この首輪で、マギアに24時間監視されている。もし想が更に罪を犯したら、エネルギーが反転して魔機の石が壊れるという。想は、今は万年筆をモチーフとした槍の魔機を使っている。

架想隊は、今は架想市に現れるオタマジャクシの暗魔を調査しているという。

麗宝について聞く千。

想は麗宝について話す。

麗宝は架想隊の1人。白愛や天音と共に、架想市を守る為戦った。

麗宝の妹は、金剛雅こんごうみやびという。雅は暗魔病という未知の病にかかっており入院している。想はマギアから治療費を提供する代わりに、麗宝が架想隊となるよう持ちかけた。

千は暗魔病について聞く。

暗魔病とは、まれに暗魔から感染する病気。身体中に黒いアザが出来て、そのアザが身体中を覆うと暗魔になる。今のところ治療法は、暗魔になるのを待つか魔機使いになるしかない。ちなみに魔機使いはエネルギーで体を健康に保つ以上、暗魔病にはならない。

麗宝は、雅を戦いに巻き込みたくない。だから雅が魔機使いになる事に反対しているという。

白愛も想も、雅の事を心配している。

千は、暗魔病を治す方法も探す事にする。見つかったら麗宝に連絡するのがいいと、白愛から麗宝の連絡先を渡される。


 千は暗魔病を治せる医者を募集する。すると、ある医者のメールが千に届く。その医者によれば、自分は暗魔病を治せるという。

千が医者について調べると、暗魔病を治した実績がある事が判明する。

千は、その医者と会う事にする。


千は廃病院へとやって来た。そこで医者と会う。

医者は、一般に暗魔病を治す方法は無いという。しかし、治す方法はある。それが認められてないという話。自分は医者免許を剥奪されて持っていない。いわゆる闇医者である。だから、違法な手術をする事が出来る。

手術をすれば、妹は治る可能性がある。

麗宝に相談するために、千は後にする。


麗宝に連絡する千。

麗宝は医者の話は胡散臭い。しかし妹が良くなるならその可能性にかけたいという。

医者に手術をしてもらうには、雅を病院から連れ出して廃病院へと運ばなければならない。千はある策を思い付き、麗宝に話す。白愛の持つ王の剣は、幻惑の力が使える。幻惑の力を周囲の人間にかけ、雅が変わらず寝ているように見せかける。その隙に雅を連れ出すのだ。

千は白愛に連絡し、作戦を実行に移す。


雅を連れ出し、廃病院へ案内する。

麗宝は治療法を聞く。医者は魔機の力で、暗魔病を治せるという。

高額な治療費を請求する医者。麗宝は、そのお金をあっさり払う。この日の為に稼いだと。

医者は金額に納得し、手術が行われる事となった。

雅は、良くなったら色々な所に行きたいと話す。

雅は手術室へ運ばれる。


手術の結果を待つ千達。すると、手術室で大きな音がする。

麗宝が手術室の扉を無理矢理開け、駆け付ける。手術は失敗し、雅は暗魔になってしまった。しかし自我はあり、誰も襲わない。

落胆する麗宝。医者は言う。雅の力が強すぎて、魔機が効かなかったという。

そして暗魔病になってしまえば、魔機使いか自我を失い暗魔になるしかない。自我を保ったまま暗魔になれて幸せだと。

雅は人間の姿になる。それは変わらない雅の姿だった。暗魔病のあざも無い。もう暗魔病に怯える必要は無くなったと麗宝を慰める雅。

千達は、廃病院を去る。


 魔機使いの敵、暗魔。暗魔になってしまったことに、深く落胆する麗宝と雅。

麗宝は、架想隊として自分は雅を倒さなければならないのか。

雅は、千に剣を出すよう頼む。千は剣を渡す。

雅は、剣で自分を斬り自ら命を絶とうとする。

麗宝は必死で止める。その時麗宝は気付いた。どんな存在になっても、雅が存在しているだけでいいのだと。

そこに、魔機使いが現れる。魔機使いは医者の元にいた看護師。

医者は逃がしたが、雅は暗魔である。そして、人を襲わないという保証は無い。雅は暗魔なのだから、倒そうとする。

看護師は、薬の魔機を使う。薬の魔機は、注射器と薬をモチーフとした銃だ。

千と麗宝は、看護師と戦う。

看護師は錠剤、カプセル、粉の弾を使い分ける。千は虹の魔機で弾を防ぐ。麗宝は薬の魔機の石を破壊する。

麗宝は宣言する。例え雅が人を襲ったら、自分が倒すという。

更に、オタマジャクシの暗魔らが現れる。千と麗宝は、魔機を構える。

すると雅が暗魔の姿になる。雅は、如月の暗魔。

辺り一面に梅を咲かせる。梅に触れたオタマジャクシの暗魔は燃える。またウグイスを飛ばして攻撃する。そうして、雅はオタマジャクシの暗魔らを倒した。

医者の言う通り、雅の力が強い事に驚く千と麗宝。


 麗宝は、妹と共にどこかへ逃げるという。雅が暗魔だと知られない為、そして追ってくる人から逃げるため。

千には、雅が暗魔だという事は黙っててほしいという。

麗宝と雅は、旅立っていった。

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