第9章 染毒市/汚染された都市
千は、
染毒市は、昔は綺麗な水や植物を生かした庭園がおしゃれな都市だった。しかし今の染毒市は水や空気が汚く、空は暗い。
その汚染のせいで、染毒市には人が全くいない。千が辺りを見渡しても、人は発見できない。
千はデバイスの地図を頼りに、染毒隊本部へとやって来る。染毒隊本部は石造りの建物だ。
本部内のメインルームには、女性がいた。女性はゴシックなドレスを着ている。
女性の名は、
染毒市を再生させるために、たった1人染毒隊として活動している芽園。
芽園によれば、染毒市が汚染されたのは暗魔の仕業だという。
千は、芽園に協力する事を決める。
芽園は、沼の浄化から始めるという。千達は沼へとやって来た。
毒沼と化した沼地。中央には、ザリガニの暗魔がいる。ザリガニの暗魔は毒液を吐き出し、沼を汚染している。
汚染を食い止めるため、千と芽園はザリガニの暗魔と戦う。
千は魔法使いの魔機を、芽園は青バラの魔機を具現化する。青バラの魔機は、青バラをモチーフとした鞭である。
ザリガニの暗魔は毒液を飛ばすが、千達は毒液をよける。
千達は魔波を飛ばして、ザリガニの暗魔を倒す。ザリガニの暗魔は消滅する。
芽園は青バラを具現化し、沼に刺す。すると毒沼は浄化され、元の沼に戻った。
次は、廃墟一帯の空気を浄化する。その為千達は廃墟へとやって来た。
廃墟の周りの空気は黒く汚染されていて、前が見にくくなっている。おまけに、普通の人にとっては毒ガスに等しい。
芽園によれば、汚染された空気は廃墟から出ているらしい。
千達は、廃墟へ入る。
廃墟の中はところどころ汚れや壊れた部分があり、まるでお化け屋敷である。その上、食器やいすなど物が勝手に動く。部屋に入ると、扉が勝手に閉まる。更に、床がきしむ音が聞こえる。
千達は震えながらも、染毒市のため探索する。
最上階への階段を上る途中、食器や本が襲い掛かる。千は魔機で切り落とし、芽園は魔機ではたき落とす。最上階が怪しいとにらむ千達。
千達は最上階へと上る。
最上階には、クモの暗魔と魔機使いがいる。クモの暗魔は息を吐き、空気を汚染している。
魔機使いは自分の名をクイーンと名乗る。最近、染毒市の暗魔が倒されている。自分は暗魔を守る為に、ここにいるのだと。
クイーンの魔機は蝶がモチーフのレイピア。
クモの暗魔は糸で物を吊る。千達は、不可思議現象はこの暗魔の仕業だと理解する。
千達は、クモの暗魔とクイーンと戦う。
クモの暗魔は物を吊り、ぶつけてくる。千は糸を切ってかわす。
クイーンとは互角だが、クモの暗魔は倒すことができた。
クイーンは蝶となり、去る。
芽園は魔機の力を使い、空気を綺麗にする。
染毒隊本部にいる千達。芽園は、汚染源を調べている。
何故染毒隊は芽園1人なのかと、千は芽園に問う。芽園は、他の隊員は流れ星に買収されたからと答える。
そして、芽園は説明する。流れ星は魔機のメーカーの1つである。
クイーンも人間だった頃は染毒隊の1人だったのだ。しかし今は、暗魔になっている。
芽園は潔癖症の為、汚職は嫌いだ。お金も好きではない。潔癖症だから染毒市を綺麗にしているという。
次は、土壌汚染を食い止める。土壌汚染の発生源は、植物園。
千達は、植物園へ向かう。
植物園には、クイーンがいる。クイーンは植物園を中心として、土壌汚染をしている。
クイーンは明かす。クイーンは暗魔と共に染毒市を汚染していた。しかし、染毒市の汚染は、王の剣の意思だという。
全ての王の剣は土地のエネルギーから出来ている。
流れ星の強引な都市開発によって染毒市のエネルギーが暴走。王の剣は自らの意思で染毒市を人が住めない土地に変えてしまった。
王の剣は誰も制御できていない。もちろん流れ星も。しかし流れ星は、これこそ選ばれた者だけを残す剣に相応しいと目をつけたのだ。具体的には、王の剣の力を利用する事にした。
人が住んでいない事をいい事に、流れ星は染毒市にアジトを建てたのだ。
クイーンは汚染を邪魔する千達を倒そうとする。
クイーンは蝶の魔機と蜂の魔機を具現化する。蜂の魔機は、蜂をモチーフとしたレイピアだ。
魔機を2本使う事に驚く千。クイーンによれば、自分は暗魔だからこそこのような芸当ができるという。
そして、クイーンはアリの暗魔を数体召喚する。
千はクイーンを相手し、芽園はアリの暗魔を相手する。
クイーンは蝶の魔機で斬り、蜂の魔機で刺してくる。千は苦戦しながらも、クイーンに勝つ。
千は蝶の魔機と蜂の魔機の石を破壊する。芽園は魔機の力で、土壌を元に戻す。
クイーンは逃げる。後を追う千達。
クイーンが逃げた先には、王の剣があった。王の剣は浮いていて、禍々しい瘴気を放っている。
クイーンは王の剣にすがる。もう一度力を手に入れるため。そして、自分の美貌を保つため。
するとクイーンの足元に黒い影ができ、クイーンは呑み込まれていった。
王の剣の後ろから、
優人によれば、今染毒市に隕石が迫ってきているらしい。隕石が衝突すれば、世界は闇に包まれる。
流れ星の望みは選ばれた人間のみを残し、選ばれなかった人間を消すこと。そのためにキャンバスの力で隕石を呼んだのだ。
覚史が駆け付ける。覚史によれば、染毒市へと向かっている隕石が観測されたと。そして、流れ星と決着を着ける為、染毒市へ来たと。
覚史は琳に会う為に、流れ星に賛同していた。今は流れ星に反対している。
優人は始末する為、王の剣を3人へと向かわせる。
3人は、王の剣と戦う。
王の剣はアリの暗魔を召喚する。アリの暗魔らは、禍々しい気をまとっている。
禍々しいアリの暗魔らは、通常よりも力が強い。その為、千達は劣勢を強いられる。
芽園はアリの暗魔らに青バラを刺す。アリの暗魔らは浄化され、元のアリの暗魔になる。
千達は、アリの暗魔を倒す。
王の剣はあらゆる方向に魔波を飛ばす。千達はかわすのに精一杯で、王の剣に近付けない。
覚史は冠の力を使い、色々な方向に階路を伸ばす。
千はその上を走り、魔波をかわす。芽園は千の真似をする。
覚史はティラノサウルスの化石を召喚し、王の剣に向けて突進させる。王の剣はひるみ、その隙に千が王の剣の石を破壊する。瘴気は消え、王の剣は落ちる。
覚史に通信が入る。通信の内容は、隕石はキャンバスだったので、石の破壊と共に消えたということ。
芽園は、王の剣を手にする。
流れ星の元に王の剣が無いため、これ以上流れ星として計画を進めるのは無理だと優人は判断。優人は流れ星の解散を宣言する。
覚史は流れ星の後始末を引き受ける。
夜になると、王の剣の石は再生した。
王の剣が芽園の物になった事で、染毒市はもう汚染されない。後は、浄化を続けるだけ。
芽園は、染毒市を元の美しい都市に戻すため、復興に取り組むという。そして人が戻ってくるようにすると。
王の剣は空間を切り開き、風が吹く丘へとつなげる。
千は芽園と別れ、風が吹く丘へと向かった。
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