第10章 吹流市/魔術の都市

 千は吹流市ふりゅうしへとやって来た。吹流市は魔術の町として、昔から魔術師が多く存在している。


 魔術師とは、魔法を使う者。常に魔機をアクセサリーとして身につけており、魔機で戦わない。代わりに、魔法を具現化して戦う。

 魔術師ごとに、得意な魔法がある。



 

 千が街を歩いていると、枕の魔機使いを見つける。枕の魔機は枕をモチーフとした投擲物だ。


 枕の魔機使いは人に枕を当て、眠らせる。

 千は止めようとする。すると枕の魔機使いは千に枕を投げてくる。千は避ける。


 千が魔機を構えると、少年が現れる。少年の名は歪空大和わんくうやまと

 大和は魔術師であり、ワープが使える。


 大和は投げてきた枕をワープさせ、枕の魔機使いへと落とす。すると枕の魔機使いは眠る。


 千は枕の魔機使いに接近する。すると枕の魔機使いは寝返りを打つかのように枕を振り回してきた。


 千は離れ、魔波で枕の魔機使いを倒す。倒された枕の魔機使いはその場に座り込む。


 千が生きているか確認すると、枕の魔機使いは人形だった。


 大和によれば、これが魔術だという。何者かが人形を操っていた。


 館は魔術師が魔術を研究しながら、住みかとしている場所。館に行けば、人形使いの魔術師の手がかりがつかめるかもしれないと。


 人形使いの魔術師に会う為、千達は館に向かう。



 

 館は魔術師の住みかのため、一般人や魔機使いは入れない。しかし大和の案内で、特別に入れる。


 千は人形使いの魔術師について聞くが、誰も相手にしてくれない。大和は訳を話す。ほとんどの魔術師は、魔機使いを良く思っていないからだという。


 魔機使いが戦っている時代よりも、魔術師が戦っている時代の方が長い。だから魔術師は魔機使いを見下している。そして、館の魔術師が魔機を持つ事は禁止されていると。



 

 真境名囲まじきなかこいと会う。囲は大和の先輩。

 大和は人形使いの魔術師について聞く。


 人形使いの魔術師は館の魔術師である。しかし、人形使いの魔術師とは連絡が取れないという。


 囲は他の魔術師も、人形使いの魔術師を捜す事を約束する。


 千は王の剣の場所についても聞く。囲は相手にしない。大和が頼み込むと、囲は特別に教えてくれた。


 王の剣は館にあった。しかし何者かに持ち出されて、今は捜索中だという。



 

 館を出ると、おもちゃ箱の魔機使いが現れる。おもちゃ箱の魔機はおもちゃ箱をモチーフとした杖だ。

 おもちゃ箱の魔機使いは力づくでも千を連れて行くと。


 千達はおもちゃ箱の魔機使いと戦う。


 おもちゃ箱の魔機使いは魔機から兵隊やロボットを召喚し、千達に差し向ける。千はおもちゃを倒し、おもちゃ箱の魔機使いも倒す。


 おもちゃ箱の魔機使いもまた、人形だった。



 

 魔術師は魔機使いを見下している。魔機使いと分かっていても、何故大和は千に話しかけたのか。


 大和は魔機使いと魔術師が共存する世界を目指しているからである。だから大和は、魔機使いを認めていると。

 

 大和は過去を語る。

 大和の兄も魔術師。兄は魔機に興味津々で、隠れて魔機を使った。しかしそれが館にばれた。兄は厳しい処罰を受け、魔機は没収された。


 大和は納得できなかった。だから、大和は魔機使いと魔術師が共存する世界を願ったのだ。



 

 芽園と会う。芽園は、千に協力するためにやって来たという。新しい魔機使いに、大和は興奮する。大和は、芽園に魔機を見せてもらうよう頼む。芽園は嫌がりながらも、青薔薇の魔機を具現化し浄化の力を見せる。大和は拍手する。


 芽園は千から一通り、話は聞いているという。芽園も協力する。



 

 人形使いの魔術師を捜索する千達。


 芽園が丘にて人形使いの魔術師を捕らえたと、千に連絡が入る。

 千達は丘へと向かう。



 

 丘にいる芽園と人形使いの魔術師。芽園は鞭で人形使いの魔術師を捕らえていた。


 千は近付く。すると、沢山の人形が現れる。千達は人形から離れる。


 人形は芽園を攻撃し、人形使いの魔術師を解放する。


 人形使いの魔術師は、自分に勝ったら理由を話すと。千達は人形使いの魔術師と、人形と戦う。


 人形は魔機や魔術を使わない。千達は人形を一掃し、人形使いの魔術師に勝つ。


 約束通り、人形使いの魔術師は、全てを話す。人形使いの魔術師は囲に命令されて、事件を起こしたという。しかし、囲の目的は分からない。


 人形使いの魔術師は、教会で囲から命令を受けていた。教会に囲がいるかもしれないと。


 芽園と別れ、千達は教会へ向かう。



 

 教会へ行く途中、少女と会う。少女の名は、真境名絢華まじきなあやかという。


 絢華は天孔隊の1人。なので琳から、千の事を聞いているという。


 絢華は囲の娘。だから囲が何を考えているか、おおよそ予想がつくという。


 絢華は自分の境遇を語る。


 絢華は魔術師となり、真境名家の地位を上げる為に育てられた。しかし、絢華には魔術師の素質が無かった。修行しても、絢華は魔術師にはなれなかった。そんな娘に、囲は愛想が尽きた。


 絢華は風の魔機を見せる。千の魔機なら、この魔機を使えるだろうと。


 囲は結界の魔術を使う。結界はあらゆる攻撃を防ぐ。しかし絢華の魔機は、どんなものも貫通する。これなら囲に対抗できると。


 絢華は、囲を止めてほしいと頼む。

 千達は改めて教会へ向かう。



 

 教会には、囲がいた。

 囲は目的を話す。


 千は囲の息子になってもらう。出来の悪い娘の代わりに。

 そのために千は魔機使いを辞め、魔術師として修行してもらうと。千には魔術師になれる素質がある。


 千は断る。自分は魔機使いとして、全ての王の剣を正しい持ち主の元に渡らせると。


 囲は、ならば魔術師の強さを証明するという。

 千は囲と戦う。


 囲は結界を作り、自分を守る。千は絢華に言われた通り風の魔機を具現化し、投げる。風の魔機は結界を貫通し、囲に当たる。


 囲は仕方なく、王の剣を取り出す。そして、シルフの王になる。


 シルフの王は空中に浮かび、千達に強い向かい風を吹かせる。そして風の魔波を放つ。

 千は何とか魔波をはじく。大和はワープしてかわす。


 千は魔波で、大和は物を落として攻撃する。

 隙ができた瞬間、大和は千をワープさせ、シルフの王にたどり着かせる。そして千は王の剣の石を破壊する。


 千は、娘と対話する事を提案する。そして、何故家にこだわるか深く考えた方がいいと。

 囲は何も言わず、去る。



 

 丘へとやって来ると、王の剣の石は直る。


 大和はこれからも、魔機使いと魔術師が共存する世界を目指すという。千はドラマチック☆ドラーについて教える。ドラマチック☆ドラーは戦うために魔機を作っていないから、魔術師と分かり合えるかもしれないと。


 王の剣は空間を切り開き、近未来な都市へとつなげる。

 千は大和と別れ、近未来な都市へと入っていった。

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