【ダイジェスト】十二剣戦記

第6章 木江市/火災の都市

　千は、木江市（もくえし）へとやって来た。木江市は木造建築物が多く、昔ながらの街並みが残っている。

　木江市は昔から火災が多く、それに伴い火をまとう暗魔が現れる。なので木江市の魔機使いは119隊と呼ばれる。119隊という名前の通り、119隊は水を扱う魔機使いが多い。

　千は119隊本部を目指す。すると虎の暗魔が現れる。

　虎の暗魔は火をまとっており、口から火を吐く。

　千は木を扱う魔機で戦う。確かに、木を扱う魔機は通用しない。

　千が水を扱う魔機を本から探していると、乾一滴（いぬいいってき）が現れる。

　一滴の魔機は村雨をモチーフとした刀だ。村雨は、南総里見八犬伝に登場する水が滴る刀である。

　一滴は虎の暗魔を倒す。そして、魔機で周りに広がった火を消火する。

　一滴は119隊の隊員である。

　千は同じ魔機使いとして、木江市の暗魔を倒すのを手伝うという。

　一滴によれば、水、氷、土を扱う魔機なら暗魔を倒せるという。

　千は119隊本部へ向かっている事を話す。すると一滴は、沈痛な面持ちで話す。

　119隊本部は、火災によって焼失した。一滴はたまたま消火活動の為外に出ていたから、被害を免れたという。

　千は、119隊仮本部へ案内される。

　仮本部にいた千達に、通報が入る。通りに、ランタンの暗魔が現れたと。

　千達は、通りへ向かう。

　通りには、ランタンの暗魔がいる。ランタンの暗魔は持っているランタンを振り回し、火災を広げる。

　千は水を扱う魔機でランタンの暗魔を攻撃する。すると、ランタンの暗魔がまとっている火が強くなる。

　一滴によれば、油を原因とした火災はただの水では消火できないと。つまり一滴の魔機でも倒すことはできない。

　すると魔機に乗り、風露（ふうろ）もこがやって来る。もこの魔機はバスタブをモチーフとした魔機だ。

　もこは魔機から沢山の泡を出し、ランタンの暗魔を包む。するとランタンの暗魔がまとっている火が消える。

　これを好機と捉え、千はランタンの暗魔を倒す。

　火災にあった住民を助ける。住民は噂についての話をする。連続火災事件の犯人は、119隊だと。

　しかし119隊に助けられた事で、その噂はデマだと確信したと。そして住民は去る。

　火災を消火し終えたもこ。もこは119隊の隊員で、油を原因とする火災と暗魔を担当しているという。

　千達はもこに感謝し、もこと別れる。

　しかしもこは背後から近付き、一滴に魔機をふるう。とっさに一滴は避ける。

　もこは一滴が死ななかった事を残念がる。そして、もこは風呂の暗魔になる。風呂の暗魔は、体に火をまとっている。

　風呂の暗魔は周りに火をまき散らす。そして、大きなバスタブを召喚し、乗って逃げる。

　もこが風呂の暗魔になるのを見ていた住民は、119隊こそが連続火災事件の犯人だと非難する。

　一滴は消火を終えると、その場から逃げる。千は後を追う。

　住民から非難され、落ち込む一滴。

　そこに、勇也が通りかかる。千は勇也に、今の自分と一滴の状況を話す。

　勇也は一滴に明かす。勇也は勇者であるが、勇者であることを非難する人がいる。何故自分が勇者ではないのか。何で勇也が勇者なのか。

　それでも、勇也は住民の代わりに、自分が戦う事を望んだ。

　勇也は一滴に、一滴の望みについて問う。一滴は家族を火災で亡くした子供を見て決めた。もう誰も、火災によって悲しませないと。

　一滴は望みを思い出し、再び戦う決意をする。勇也も、連続火災事件の解決に協力するという。

　一滴は風呂の暗魔がどこにいるのか調べる。目撃情報によると、風呂の暗魔は銭湯にいる。

　千達は、銭湯へ向かう。

　銭湯で風呂の暗魔と対峙する。

　119隊が現れた事を知り、住民が集まる。そして一滴を非難する。

　しかし風呂の暗魔が火の粉を飛ばすと、住民は怯えて逃げる。

　風呂の暗魔は一滴からも生き血を採って、他の隊員と同じように風呂にすると。他の隊員が犠牲になった事を知り、怒る一滴。

　風呂の暗魔は生き血の風呂に恍惚とした表情を浮かべる。

　千達は、風呂の暗魔と戦う。

　風呂の暗魔はバスタブを召喚し、バスタブで攻撃を防ぐ。そしてバスタブで殴り掛かる。

　千達は風呂の暗魔を倒す。

　風呂の暗魔は、もこの姿に戻る。一滴は、もこを抱きかかえる。

　もこは連続火災事件の犯人は乾焔（いぬいほむら）だという。焔を倒してと言い残し、もこは消滅した。後に風呂の魔機が残された。

　乾焔は、119隊の研究所の所長。そして一滴の父。しかし一滴からすれば、焔がそんなことをするとは考えられない。それに、119隊本部の焼失で、焔は死んだとされていたという。

　他の隊員から一滴に通信が入る。通信の内容は、焔が記者会見を開いているというもの。

　千はスマホで焔の記者会見を見る。一滴はのぞき見る。

　焔は自己紹介をする。そして、木江市の住民全てを暗魔に変えると。

　記者達は非難する。しかし焔は火の鳥の暗魔を繰り出して、記者達を暗魔に変えてしまう。

　一滴は慌てて焔の元へ向かおうとする。

　一滴は火の鳥の暗魔の目撃情報を調べる。目撃情報が多いのは、木江市の和風の城。更に城は未だに焼失していない。

　城に焔がいると睨んで、千達は城へと向かう。

　城の前には火の鳥の暗魔が待ち構えていた。火の鳥の暗魔は飛び回り、千達に火を吐いてくる。千達は火の鳥の暗魔に攻撃するも、火の鳥の暗魔は飛んでいて攻撃が当たらない。

　千は近くに商店街があるのを見つける。そして、火の鳥の暗魔を商店街へと誘い込む。商店街には屋根がある。火の鳥は高く飛びあがれない。

　千達は火の鳥の暗魔を倒す。

　そして、千達は再び城へと向かう。

　城の中にも暗魔がいる。城はキャンバスの力がかかっているのか、暗魔の火で燃えない。

　城の中の暗魔を倒しながら、千達は天守閣を目指す。

　天守閣には、焔がいた。

　焔はいつまで経っても火災が無くならない事に絶望した。だから焔は王の剣を使って暗魔の王になる。そして木江市の住民全てを火災によって暗魔に変え、支配する。そうすれば、火災によって悲しむ人はいなくなると。

　一滴は人間として生きているとは言えないと反論する。

　焔はワンドの王となり、勝負を挑む。千達は戦う。

　ワンドの王は天井に立ち、火の雨を降らせる。

　千達はよけ、魔波を放つ。

　千達は、王の剣の石を破壊する。そしてワンドの王に勝つ。

　一滴は諫める。火災はすぐには無くならない。しかし自分達だけではなく、何代もかけて火災を無くしていけばいいと。

　焔は、再起を決意する。

　火山の前まで来ると、王の剣の石は再生する。

　一滴は、王の剣をどこかに封印するという。しかし千は、王の剣は世界を脅かす強大な敵が現れるまで持っていてほしいと頼む。

　王の剣は空間を切り開き、大都会へとつなげる。

　千は一滴と別れ、大都会へと入っていった。