第62話 エピローグ

062 エピローグ


「おい、そこな女はなんじゃ?」

「ティア様」

ごにょごにょとフェン様がティアに囁く。


「フェンよ、儂の嗅覚もそれをとらえておるぞ」

彼らの人間ならざる嗅覚は、アレの臭いを正確にかぎ取っていたのである。


「ジンよ!このありさまは一体何事じゃ」

「ご主人様!」と銀髪少女。


「ギギギ、アニキナニヤッタ」サージェント。

「獣ニ天誅ヲ、神モ許サレルデショウ」プリンシパリティ。


俺は、里から帰ってきた幼女と少女にこっぴどく叱られる。

そして、天誅の雷が連続で俺を襲う。


「誤解なんです」

「誤解!」今度はベッドのアンジェラが怒り始める。

「いや、誤解ではないです、何も誤解はありません」

「では、なんじゃ。いうてみよ」


こうして、俺は、数時間の正座を強要され、事情を説明させられることになった。

その後、女たちの三巨頭会議が別室で行われる。

その間、俺はプリンシパリティに説教され、サージェントにからかわれた。

「パパ」ミノタウロス。

「閣下、オ大事ニ」オーガジェネラル。

オーガジェネラルは我関せず、テーブルでワインを飲み始める。さすが歴戦の将軍である。


おい!助けろよ!

彼は、40階層で撃破後、ゲットしたモンスターだ。なぜか、またエクストラドローさせられた。


三巨頭会議終了後、

「今回の事は、大変な事態じゃ、ジンがこのような浮気者であることが証明されたのじゃ」と黒髪の幼女。

「ご主人様」と泣き顔の銀髪美少女フェン様。

「しかし、我らもまだ子づくりをすることもできんこともまた事実、性欲は、側室アンジェラに処理させることに決した」と大変なことを宣告される幼女。


「本来ならば、この浮気男には極寒牢獄コキュートス250年の刑がふさわしいところじゃが、今回のみ不問とする。今後は、新しい女を勝手に作らぬように。」

「ははあ」俺は平伏した。

「だが、次は無いぞ、あれを切除されると思っておくがよい」

「有難うございます。」

「ここで、宣言しておく、儂が正室、フェンが正室その2、アンジェラは側室と決まった」

「ギッギ」

「ファー」

「ママ。」

「デアルカ」

各々が了解したようだ。


こうして、俺は事なきを得た。

息子が守られてよかった。

ちなみに、彼女らを成人させるためには、彼女らのレベルアップをさせねばならないらしい。

つまり、成人年齢が15であるとするならLVを15にする必要があるということらしい。

人間ではない、彼女ら特有の性質らしい。


というか、カードなんだから人間ではないだろう!

「おろかもの!」

ティア様の叱責が聞こえてくる。


『メルキア迷宮編』完

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